異文化とは?半年の海外滞在で180°変わった異文化のとらえ方

「日本の中で経験する異文化」と、「海外に出て経験する異文化」にはこんなにも差があるのかと思い知らされました。

インドネシアのスマランに、日本語教師のアシスタントとして滞在していた山根です。

私は2016年9月末から2017年3月末までの約6ヶ月間滞在していましたが、今月はじめに任期を終え日本に帰ってきました。

今回の記事では、私が海外で生活して感じた「異文化のリアル」について書いてみます。

簡単そうで難しい異文化理解

皆さんは異文化について、どのように考えていますか。

この記事を読んでいる方の中には実際に海外の人と関わりがあったり、知り合いがいたりと、自分は異文化について心得ている、理解できていると考えている方も多いかもしれません。

実際に私も大学で外国語を勉強していることや、留学生と関わる経験もあったことから、「異文化? 余裕で理解できるし受け入れられるよ」と考えていました。

しかし実際に海外で生活してみると、異文化を理解し受け入れることは想像以上に難しく、大変なことだということに気づかされました。

海外に来て一変した異文化のイメージ

私が携わっていた日本語教師の活動は、異なる文化や風習をもつ人々の集団に飛び込むものでした。業務上のパートナーとなる日本語教師の先生(ローカルの方)はいますが、その先生方も日本の文化や風習を深く理解しているわけではありません。他の先生や生徒は日本という国名は知っていても、日本について全く知らない人がほとんどです。

もちろん異文化体験の中で感動することや、楽しい想いをすることもあります。しかし実際に日本と異なる文化、習慣や倫理観に直面して葛藤したり、苦労したりする経験も多々ありました。

例を挙げると、時間の感覚が日本人より相対的にゆるくて、約束もコロコロ変わります。来週だと言っていたことが明日になったり、明日だと言っていたことが来週になったりする......なんてことは常々です。また、日本では「これをからかうのは不謹慎じゃないか」と思えるようなことも、平気で茶化し笑っていることもあります。

表面的な見方をすれば、「柔軟性がある!」とか「どんな時でも明るい!」と肯定的に捉えられるかもしれません。しかしそれが日常茶飯事として我が身に降りかかると、「もっときちんとできないのだろうか」とストレスを感じることもありました。

そして何より、「日本の中で経験する異文化」と、「海外に出て経験する異文化」にはこんなにも差があるのかと思い知らされました。

日本で関わる外国人は、日本への興味や知識、慣れのある人たちで、手に入る情報もある程度は日本というフィルターを通して入ってきたものです。そうではなく海外で「生の」異文化を体験したことで、私がもつ異文化のイメージは一変しました。

真の理解から学べること

少し不満も述べてしまいましたが(笑)、だからといって異文化と関わることが嫌になったわけではありません。確かに、深く関われば関わるほど面倒なものに直面することや、苦労や葛藤は増えます。でも、それ以上に学べることや感動も倍増するのです。

私の海外滞在経験は短い期間であったものの、自分の考え方に大きく変化をもたらしてくれました。これだけでも、海外に住むという経験をして本当によかったと思います。

今後も異文化に触れる機会があれば、表面上の異文化だけでなく異文化の深いところまで潜っていきたいです。

ライター

山根裕史

広島県出身。東京外国語大学国際社会学部フィリピン語専攻4年生。日本語パートナーズインドネシア6期としてスマランに三月末まで滞在予定。スマランの高校で日本語教師のアシスタントとして活動しています。

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