養子を迎えるLGBTのカップルは、身よりのない子供たちを救っている

すべての子供たちに、安心できて、安定した、愛溢れる家庭で育つ権利がある。
Rear view of a boy walking with two men in a park
ONOKY - Eric Audras via Getty Images
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やがて、すべてのアメリカ大統領選候補者たちが、この記事のタイトルになっている言葉を言うことになるだろう。育児福祉の専門家らは、LGBTの家庭がうまくいくように働きかけ始めるだろう。アメリカの法律や政策も、本質的なサポートを始めることだろう。すべての子供たちに、安心できて、安定した、愛溢れる家庭で育つ権利がある。

アメリカでは数万人もの子供たちが、元の家族と暮らすこともできず、新しい家族に引き取られる見通しもないまま、児童養護施設などで何年も暮らしている。

一方、保護者や里親として子供たちを受け入れ、養子にしたいと望むLGBTの大人たちは多く、近年増加している。これは、里親となる可能性のある家庭を著しく増加させることであり、家族を必要とする子供たちにとっては希望の光となる。

今日、結婚の平等は法律としてこの国に根ざすようになったが、未だ残る古い政策や習慣が、LGBTの大人たちが里親になることを阻んでいるのも事実だ。11月のアメリカ里親月間にちなんで、LGBTが里親になれないアメリカ国内の法律や規制の例をいくつか紹介したい。

・バージニア州、ノースダコタ州、ミシガン州は、宗教や道徳に反するという理由で、里親制度や養子縁組提供者が里親対象者からLGBTを排除することのできる「良心の条項」という法案を可決した。ミシガン州も2015年にこの法律に署名した。

・アリゾナ州とユタ州は、養子縁組や里親には、「既婚男性と女性」を優先するとしている。

・ユタ州は更に、(同性同士でも異性同士でも)婚姻関係にない「事実婚」のカップルが養子縁組を行うことを法律で禁止している。

このような規制の支持者の一部は公然と、ゲイの人々は「罪人」か、そうでなくても人格に問題があると主張している。このような過激な意見は一部の人に過ぎないが、多くの支持者も、里親が「ちゃんと」していないと子供のためにならない、(だからLGBTは里親から排除されるべきだ)と考えている。

LGBTが里親になることに反対する人々は、これはホモフォビア(同性愛嫌悪)ではなく、父親と母親が婚姻関係にある中で育児をすることを推奨したいのだと主張する。また、LGBTが里親にはなれないようにすることで、保護者であるべき人たちから子供が悪影響を受けないように、そして物理的にも傷つけられることがないように、守っているのだと主張することさえある。

このような意見は、事の本質を認識していないがゆえであり、単なる陰湿さからくる場合もある。

もしもこれらの政治家や支持者たちが、自分たちの言っていることが事実であると本当に思っているのであれば、ゲイの片親または両親をもつ何百万人という子供たちを、迅速に「危険」な親の元から引き離すべきである。

それをいうのであれば、ひとり親家庭などは特に、一生ひとりの相手と添い遂げ子供を育てるという、私たちの結婚観や文化を否定するものであり、子供たちに悪影響を与えるかもしれないから、一刻も早く対処するべきではないのだろうか。どちらの主張も不条理であり、多くの人がLGBTの子育てを制限する今の規制がおかしいと思う日は近いはずだ。

私が率いる全米養子縁組センター(NCAP)は、LGBTの権利擁護団体ではない。すべての子供たちが安定した家庭の中で暮らせるように活動するNPO団体で、そのために、根拠に基づいた政策や施策支援を行っている。その中で、確実にわかっているのは、子供たちは一時的な児童養護施設で暮らすよりも、愛にあふれる家庭に育つことが心身の健康にとって大切だということだ。それがレズビアンやゲイの家庭であっても。

アメリカ小児科学会、アメリカ家庭医学会、アメリカソーシャルワーカー協会やアメリカ児童福祉連盟などの児童養護団体大手も、すでにわたしたちNCAPと同じ答えを導き出している。これらの団体は、子供たちを危険にさらす団体ではない。子供の養護団体なのだ。あらゆる情報や根拠を元に、子供たちの健全な暮らしを保障することを目的に活動している。その活動に携わる私たちみんなが、LGBTの里親を排除することは、この目的達成を遠ざけてしまうことだと考えているのだ。

例に漏れず、アメリカ国内で活動する多くの医師らも同じ意見で、ゲイやレズビアンの里親たちを受け入れ、子供たちと一緒に暮らせるようにすることが大切だと考えている。繰り返すが、ソーシャルワーカーや心理学療法士などの専門家らは、子供たちを傷つけるために活動しているのではなく、子供たちに健全な暮らしをもたらすために活動している。

そして、健全な暮らしとは、育児養護施設をたらい回しにされる中ではなく、安心できる、安定した家庭の中で育まれるのだ。重要なことは非常にシンプルだ。アメリカ国内にあるどの州も、LGBTの里親を受け入れに反対してはいけない。反対するのであれば、LGBTの人々は里親になることができる他の州に移住するまでだ。LGBTの里親を受け入れないことで、子供を受け入れられる家庭が減り、結果として、愛溢れる家庭に暮らせない子供の数を増やすことにつながってしまうのだから。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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