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ホームレスへの積極的アナウンスの事例はありますか?:寒波の米東海岸から

路上生活者に対する災害時の情報伝達の態勢が問われています。

2018年01月06日 16時31分 JST | 更新 2018年01月06日 16時31分 JST

現在で、アメリカ東海岸では寒波の影響で大変寒い日が続いています。私の住むメリーランド州モンゴメリー郡でも昨晩からCold Emergency Alert(寒冷警報と言ったところでしょうか)が出されています。そこで、緊急事項を発信する郡のTwitterを見てみたところ、興味深いツイートを見つけました。

MC Emergency Mgmt

現在寒冷警報が出ているので、ホームレスの方の安全が心配な人は誰でも警察に電話するように、と電話番号が書かれています(モンゴメリー郡では郡が警察を持っています)。

転居してきて自分の子どもの学校のことを調べていて気づいたのですが、モンゴメリー郡では公立学校のWebサイトにもホームレスの子ども向けの情報が出ています。申し込み案内のページの中に住所を入力すればどこの学校に申し込む(enrollする)のわかるようになっているのと同時に、ホームレスの子どもたちに向けた案内をウェブサイトに掲載しています。

MCPS

また、4ページに渡るリーフレット'Homeless Children in the Mongomery County Public School; Responsibilities, Rights, and Resources"も作成しています。実際、モンゴメリーカウンティは比較的所得水準も高く、私も5ヶ月住んでいて一度もホームレスとわかる子どもや親子をみたことはありませんが、それでもこうしたアナウンスをしています。

街を歩いていても、ホームレスの方々が近所の人と立ち話をする姿をよく見かけますし、行政にも、地域の住民にも、ホームレス方々がきちんと地域住民として認識されているんだなぁ、と感じます。

ところで、日本で、台風や大雪等に備えて警報などが出ている際に、行政機関・自治体などがこうした呼びかけをしている例があるのでしょうか?こうした日には、ホームレス支援に携わる民間団体・個人の方が路上にいる方に声をかけて回っている話は仕事柄よく耳にしますし、熱心な公務員の方が声をかけに行った事例もきいたことはありますが、インターネットなどで公的機関が広く呼びかけているのは聞いたことがありません。今は、路上にいるわかりやすいホームレスの方々ばかりでなく、一見するとホームレスだとは分からない方が多くいらっしゃいます。そのため、声をかけて回るのには限界があります。インターネットなどを活用した、様々な呼びかけが必要だと思います。

また、日本の行政機関・自治体サイトやSNSで、ホームレス対策の事業案内以外でホームレスの方に向けたアナウンスを見ることはほとんどない気がするのですが、いかがでしょうか?生活保護を打ち切られて寒空の下ホームレスになってしまった母子の事例などは私も日本で出会っていますが(もちろん生活保護課と話をして再度生活保護を受けて、住まいを確保できるように当法人で支援したのは言うまでもありません)、日本国内の福祉事務所や教育委員会等でホームレスの子どもに向けたリーフレットを作っているなどという事例はあるでしょうか?

もし国内の自治体で、熱心な一部の職員の方だけでなく、自治体としてこうした取り組みをなさっているところがありましたら、他の自治体にも広がっていくと良いと思いますので、ぜひ発信していただきたいなぁ、と思います。アメリカは日本以上に貧困大国ですし、もっと根本的な取り組みをするべきだと想いますが、日本の社会保障・福祉制度にも不十分であったり、既にある制度・支援が当事者に届いていなかったり、縦割りで隙間ができやすいという欠点があります。良いところはぜひアメリカからでも取り入れてくれる自治体が増えていくと良いなぁ、と思います。

※モンゴメリーカウンティでは、子どもたちも含めてホームレスの人が利用できる公的なもの、民間のもの含めて様々なリソース・連絡先等を"Homeless Services Guide"というリーフレットにまとめています。日本でもホームレス支援を行っているビッグイシュー基金さんが「路上脱出ガイド」を作成して配布していらっしゃるのを私も知っていますが、こうした取組は自治体さんでもありそうな気がしますが、いかがでしょうか?