平成の次の時代、立憲民主党が日本を良くする 

力を潰す壁を取り除け。
Bloomberg via Getty Images

今年1年間は平成ですが、来年2019年4月末をもって平成という時代が終わります。皆様にとって平成とはどんな時代だったでしょうか。

私事で恐縮ですが、平成は、NEC退職と結婚という人生の転機から始まりました。平成元年に日経ビジネス誌の記者となり、政治を志すきっかけとなったバブル崩壊の現場を取材しました。

「消えた年金」「イクメン」「居酒屋タクシー」――。私がかかわった国会の取り組みが流行語大賞に選ばれ、厚生労働大臣に就任するなど、公私ともに激動の時代でした。

一方で、平成は、失われた二十年ともいわれるように経済が低迷し、就職氷河期、格差社会、少子化・・・多くの社会問題が顕在化しました。また、戦争経験者が少なくなるにつれ、昭和の戦争の教訓が忘れられ、社会の右傾化が一層、加速した時代でもありました。

社会の分断化とともに登場したトランプ大統領に象徴されるように、短期的な自国利益ファーストを推し進める風潮が広まり、世界の混迷も深まるばかりです。

国民の声で結党された新党

これから迎える新しい時代を、もっといい時代にしなければならない。心からそう思います。

私にとっての一つの希望は、立憲民主党です。「日本の政治から選択肢が無くなってしまう」、澎湃と湧き上がる皆さんの声によって、立ち上げていただいた新党です。

立憲主義と民主主義を大切にする、この党を足場に日本や世界の課題に取り組んでまいります。

国内の大きな課題としては少子化対策が挙げられます。保育園入園を何回も断られて途方にくれるお母さんがいます。子どもを預ける場所がなければ仕事を辞めざるを得なくなり、家計が破綻してしまう。預ける場所がなければ子どもを産まないという決断をせざるを得ない。

「待機児童ゼロ」――政府の文書には、こんな言葉が随所に踊りますが、実効性に乏しく看板倒れです。内閣が待機児童対策の緊急宣言を出して、人モノ金を同時に投入する措置を講じなければなりません。首相の本気度があれば、一気にできます。

未だ日本は先進国では子育て予算は最低レベルである一方、公共事業予算は先進国一位となっています。政権を再び交代できた暁には真っ先に実現する課題です。

力を潰す壁を取り除け

さらに大きな国内問題は、人々が力を発揮しようと思っても、それを邪魔する壁がどんどん厚く高くなっていることです。持てる力が十分発揮されずに、埋もれ潰れてしまう、というもったいないことが随所で起こっています。これでは社会や経済の基盤が揺らいでしまいます。

「生まれる家庭によって教育レベルが大きく異なる教育格差の壁」、「非正規雇用が4割を超え十分な職業教育も受けられずスキルも給与も上がらない雇用格差の壁」「同じ仕事をしても給与が倍違う男女格差の壁」「育児や介護の重みで女性が潰れる壁」「シングルマザーや一人暮らし高齢女性の半分が相対的貧困である所得格差の壁」――。日本社会において、人の力を潰す壁を数えあげればきりがありません。

「格差が経済成長を損なう」――これが今、世界の共通認識になりつつあります。格差によって人々の力が十分に発揮されないと中長期的に経済成長が鈍化する、というデータに基づく分析です。

先進国で最も厚く高い格差の壁を一つひとつ取り除くことで、日本はもっと良くなります。これも首相の決断次第で一気に前に進む政策ですが、現政権は、スローガンだけで、その本気度は疑われます。私たち立憲民主党なら、真っ先に取り組み実績を上げることのできる課題です。

米中衝突回避の鍵は日本

一方で、世界は、これから米中の二強体制がますます強まります。その中で日本の果たす大きな役割は、米中が協調して世界の秩序維持に取り組むように米中の接着剤となることです。日本が重要な鍵を握ります。米中がぎくしゃくして、衝突するようなことがあれば世界は大混乱に陥ります。

さらに、重要なことは日本の近隣外交です。特に日中韓が鉄の結束で北東アジアの安定に協力しなければなりません。しかし、未だ戦後処理について双方に大きな隔たりがあります。その隔たりが近年さらに大きくなっているように思います。これらの課題に取り組むことが立憲民主党の使命であると考えます。

私自身、立憲民主党では代表代行、政調会長を拝命しました。枝野幸男代表、福山哲郎幹事長らと結束して、私のポスターのスローガンでもある「日本はもっと良くなる!」を実現すべく全力を尽くしてまいります。

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