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Ami M/松澤 亜美 Headshot

ランチは10分、でも17時にはビル全館消灯。ノルウェーの働き方

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上司が部下に声をかけています。
「今年はよくがんばったね。
来年は、君の昇進が決まりました。」

あなたの頭の中で、今その台詞は男性の声だったでしょうか。
それとも、女性の声でしょうか。

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ここはノルウェー第二の都市、ベルゲン。美しい港町です。

参考 ベルゲン旅ブログ

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北欧のイメージの中に、福祉、寒い、水産などのイメージの他に男女平等を上げる人も多いでしょう。

ノルウェーは特に女性の社会進出が進んでいる、と聞いていたので今回ぜひ調べたい事のひとつでした。

いただいたデータで見てみると・・・・
国別就労女性及びパート労働では、2011年の調査で、ノルウェーは世界で1位!
女性就労率は60%以上。

というわけで、そんなときは実際聞いてみよう☆
ノルウェーで働く女性2人にインタビューしてきました。

1. Marine Harvestという水産業者の役員として働く56歳の女性。

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この年齢だと日本で働く女性はまだまだ事務員さんが多い。
1980年代後半から今まで、マネージャーとして女性として家族を育ててきた環境を聞いてきました。

「朝は7時に出社し、8時間の15時には退社します。
もちろん、弊社はグローバル会社なので変な時間の会議もありますが、基本的に8時間で終わらす事が求められます。
もしいつも長時間働いていたら、がんばっているのではなく、何か問題があると見られるのです。」

「今は息子が成人しているので必要はないけれど、保育園や小学校に通っている時もすごく助かりました!」

「水産業というマッチョな業界ですが、弊社では40%が女性です。
ただ、入社した1985年はまだ、生産管理部には女性はただひとり。
女性は皆、人事等のバックオフィスにいました。」

「ただ、ノルウェーが女性活用をし始めたのはそんなに昔ではありません。
わたしの母は、昔ながらの主婦で、私が15歳まではパートタイムで働いていました。手の込んだ食事をたくさん作ってくれました。
政府が女性サポート政策に力を入れ始めたのは1960-1970年代なので、わたしの若い頃から、その上の世代と比べて一気にマインドセットが変わりましたね。」

聞くところによると、60年代までは10人中9人が仕事を持たない主婦だったという調査もあるといいます。
具体的に言うと、政府はどんな政策をとったのでしょう?

「石油が見つかり1960-70年代に急激に伸びはじめた経済に対して、労働人口が足りないことに政府が気づき、女性の社会進出を急務としたのです。
"雇用の4割は女性"というクオータシステムと呼ばれる法律も制定されました。」

「また、政府は国の予算を保育園の増築に注ぎました。さらに保育園と保育士を増やしたのです。
元々日本程ひどくはありませんでした5年前までは待機児童もいました。
が、今ではほとんどゼロに近いと言えます。
また、その保育園の質管理も政府の大切な仕事です」
(参照ブログ:ノルウェー保育園での魚食教育
http://fashionflight-ami.blogspot.jp/2014/03/blog-post.html)

「今では女性が主婦として家にいることは少し我が儘だと世間から思われる程です。
主婦だと言えば、"貴方日中何してるの?" "家事です" "他には?"という会話になるでしょうね」

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「今まで女性だからといって何か問題にぶち当たること?
それはなかったとはっきり言えます。社会が追い風だったからね。」

とってもパワフルな印象の方でした。
ただ彼女、髪型もとてもカワイイ!
56歳と思えない、左右アシンメトリー。
パールのついたパフスリーブのニット、黒いミニスカートもとても似合っていました。

2. Sunny Chungさん(31歳)

所変わって、首都オスロへ。
台湾の家族に生まれ、国際的な教育バックグランドと就職経験を持つSunnyさん。
お友達の紹介で、かなり気軽にお話してくれました。

ノルウェーのIT企業に勤める彼女は、
「ここノルウェーは働く女性にとってHeaven(天国)!」と言い切ります。

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「家族は台湾人。本当は名前も中国語なのだけれどここでは誰も中国語で発音できないからSunnyというニックネームをつけているの。

ブラジルで生まれ、台湾で育ち、アメリカの大学院から就職、そして4年前に転職でノルウェーの首都オスロに来ました。
新卒で入ったのがIT系大企業で、履歴書をLinkedinに載せていたら突然ノルウェーから連絡がきたのです。

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待遇がすごくよくて、さらに試験の時点でエアチケットを2往復分、そして転職が決まればさらに引っ越し費用も全て持ってくれるという事でした。
おもしろそうだったので、えい!と思ってきました。」

「いつだったかのOECDの結果で、ノルウェーの男性は世界で一番家族の為に働くという結果がでているそうです。ちなみに・・・言いづらいのだけれど、日本は最下位でした。」

「ノルウェー人は勤務時間短縮を徹底してます。
フレックスなのですが遅くても9時に出社し、17時には必ず帰ります。
夜予定がある場合は7時に出社して15時には帰ります。
仕事が早く終わったらもちろんそれより早く帰っていい。
むしろ上司には"納得いく仕事ができるなら別に会社来なくていいよ"と日々いわれてます。」
「殆どのビルは、17時か18時に全館消灯があるんです。それ以降仕事するのは毎時間点灯しにいかなくてはいけなくて、面倒。
だから18時以降残ってる人なんてまずいません。

そのため、仕事中は終わらせる為のプレッシャーがいっぱい。本当に集中してますよ。
ランチは10〜20分で済ませる事が多いかな。」

10分!
お昼休みは60分と思い込んでいた私は驚く。
こんなに素敵な食堂があるのに...(下図はMarineHarvestの食堂例)

食を大事にする日本人としては、これは取り入れられるか疑問だなと正直思いました。(ノルウェー人は、食に使うお金が割合として少ないらしい)

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「もし残業していたら、上司は本気で心配します。"仕事が多すぎるのか?それとも、仕事の進め方がわかっていないのか?"と。
また、アジアのような縦の関係はなく、みなホントにフラットなんです。
上司が部下を叱るなんてことは、ノルウェーではありえません。日本では、人前で怒られるけれどたまには絶えなくては行けないんでしょう?こちらだと、そんなことは子供のすることだと考えられているのです。
ノルウェーの上司にこれをやれあれをやれと命令された事は4年間で1度もありません。
"この部分、君はどうするか考えて行動しろ"というスタンスです。
相手に質問し考えさせ、相手の能力を最大限使うのが当たり前だという考えです。
これは教育の違いだとも思います。わたしの両親は典型的な台湾人なので、食事中に意見を言ったり、質問をしたりするとよく叱られました。
ノルウェー人は逆で、まず質問して、自分で考えていけと言われると言います。」

彼女は今、さらに次の転職にも興味があるといいます。
「ノルウェーでは3年で転職するのが当たり前。
今わたしはこの会社で4年目だけれど、早くステップアップしたくて。
まだ若いから、お給料がどうとかより自分がやりたい方向へシフトしていくことがステップアップだと思っているの」

ここで話題を変えてみます。
7日間の旅で、わたしは首都オスロに限らずノルウェーの物価の高さに驚いていた。
マクドナルドのセットが1200円、平均的なカフェランチは2500円だという。
スーパーに行けば卵6個が500円以上する。。。

ノルウェーの初任給って、どうなっているの???

「初任給は日本で言うと年棒750万円くらいかしら。
でも、私はIT系だから一般よりは少し高いかもしれないわね。
まあ、私達の所得税は最低36%は引かれてしまうから。」

聞けば、一人用の家賃18万円相当!
少しいいところにした、といっていましたが、一般的にも15万円程度だそうです。
ちなみにお酒に関してはさらにノルウェー政府が税をつけていて、国外より国内で買う方が高いという状況。

こんな高い物価に囲まれているけれど、これからもノルウェーで働きたいですか?

「もちろん!私は4カ国で暮らした経験があるけれど、この国が本当に気に入ってるの!働く女性として、ノルウェーは天国よ。」

今後、家族のいる台湾や、お友達の多い日本のような国で働きたいという希望はありますか?

「うーん。正直、アジアの会社は厳しいかな。
インターナショナルな環境の会社だったらいいかもしれないけれど。
もし台湾で働いたとしても、私の給料と同学歴で同期の男性のお給料は差がついていくってことは目に見えてるのです。
女性は赤ちゃんを産むだろうから長居しない、と思われてるのよ。
でもそうとも限らないじゃない?」

「もちろん私も子供は欲しくて、子供と過ごす時間もしっかりととりたい。
でもそのために自分のキャリアを犠牲にしようという考えは全く時代遅れだと思う。
二択ではなくて、どちらも可能であるような社会を作るべきなの」

実際ノルウェーでは、ランチタイムに街に人が出てこなくて驚くほどだった。
そのかわり、首都オスロの15時や16時は忙しい。
自転車で通り過ぎる若者、赤ちゃんを肩車したりだっこしているお父さんたち、トラムで通勤通学する学生から青年まで。
彼等はそのあと、長い時間をかけたディナーや、食事のあとの運動、家族とのコミュにケーションなど思い思いの時間を過ごすという。

(金曜4時半に沢山見かけた父子達。日本ではこの時間に見ることはまずない)

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ノルウェーは、外見美より内面美を重視する社会だと、現地在住の日本人も言っていた。
上記のような充実したライフスタイルが、何より大切だと。

日本も、このスピードで変われるだろうか。
それにはもっと労働力に対する危機感が必要なのだろうか。
「その前に、ここで一度働いてみたい」そう思わせるパワーが、彼女の話にはあった。

インタビューを終えた会場を出ると、すぐさま彼女からメッセージで携帯が鳴った。
「話足りなかったら何でも言って!この国への愛を知らせるためだったら、何度でも何時でも答えるわ」

少ない労働人口という問題の解決方法として女性活用を始めた国は、
10-20年間「しっかり働き、しっかり家族と過ごす」を社会全体で取り組んだ。
結果、女性だけでなく、世界で働く優秀な外国人をも惹き付けるような場所になっていた。

元リンク:
Fashion Flight より転載

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