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ブラジルでは1日に80人以上の若者が殺されている

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アムネスティのブラジル支部は、若い人たちに、生き生きとした人生を送ってほしいという願いを込めて「Jovem Negro Vivo(若い黒人よ、生き生きと!)」と呼ぶキャンペーンを展開している。


2014年11月、米国ミズーリ州であった警官による黒人射殺事件の大陪審の判断を、世界中が固唾をのんで待っていた。丸腰の若者が路上で射殺されたこの事件は、ブラジルでも高い関心を呼んだ。警察に若者が殺される悲劇が、ブラジルの都市、とりわけ貧民街で頻繁に起きているからだ。

ブラジルでは年間5万6000人が殺害されている。うち3万人は15歳から29歳までの若者だ。今この瞬間にも、若者1人が殺され、 1日当たりでは82人に達する。あたかも、若者で満席の小型機が、2日に1回墜落して全員が死亡するようなものだ。これだけでも充分衝撃的だが、犠牲となる若者の77%が黒人であることは、問題を一層深刻にしている。

1980年から現在までにブラジルで殺害された人は100万以上。武器暴力による世界の被害状況を記した2008年の報告書によると、2004年から2007年までの4年間に同国で殺された人数は、世界12の紛争の犠牲者数よりも多かった。

とはいえ、ブラジル社会で殺人の温床となっているのは、貧困など社会的に取り残された地域だ。貧民街や場末に対する偏見や固定概念が、暴力を生んでいる。


■□■ 問題視されていないことが問題 ■□■

ブラジルには「黒人のための日」という祝日がある。アフリカ系移民の多大な貢献と、差別問題に立ち向かう必要性を考える日だ。黒人の権利を擁護する団体は、数も活動範囲も拡大している。しかし、若者への過激な暴力に目をそらしている人たちもいる。

多くの若い黒人が射殺されているにもかかわらず、社会的な問題にはなっていない。あまりに多くの殺人に、近所の人たちは慣れてしまったし、本来対処すべき立場の人々が黙認しているからだ。

市民の命を守り、差別をなくすのは、国の務めだ。だがブラジルでは、警察が人種差別を助長している。国が麻薬撲滅キャンペーンを展開するなか、警察は若者、とくに黒人を犯罪予備軍とみなしており、若い黒人は格好のターゲットとなる。ブラジル警察の殺人率は世界でも最悪レベルだ。

残念ながらブラジルの人たちは、この状況を当然のこととして受け止めてきたようだ。国の議員たちは、殺人の多発は議会で討議するほどのこととは考えず、前回の選挙でも多くの候補がこの問題に触れようとしなかった。あまりにありふれたことであるため、ニュースにもならない。

だがこの事態を放置していいわけがない。何らかの手を打たないといけない。

(アムネスティ・インターナショナル日本)


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