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スタートレック「カトー」役のジョージ・タケイが体験した米国の闇 日系人収容所描くミュージカル「アリージャンス」、日本上映

「世界規模で移民問題、人権問題が議論される今、観るべき作品」

2017年11月02日 16時40分 JST | 更新 2017年11月02日 16時40分 JST
©️Allegiance Broadway Film, LLC

第二次世界大戦時のアメリカで「敵国の民」として強制収容された日系アメリカ人家族を描いたブロードウェイミュージカル「アリージャンス/忠誠」映像版のジャパンプレミア上映会が11月10~12日、東京の恵比寿とお台場で開かれる。SFドラマ「スタートレック」のミスター・スールー(日本放映時はカトー)役などで知られる俳優ジョージ・タケイ氏の実体験を元に描いた物語で、観客の投票で決定されるBroadway World Awardsで6部門を受賞した話題作だ。タケイ氏やプロデューサーのロレンゾ・シオーネ氏も上映会にあわせて来日。2018年以降、日本各地で上映会を開いていく出発点とするため、A-portでクラウドファンディングを実施している。

©️Allegiance Broadway Film, LLC
「アリージャンス/忠誠」で二役を演じるジョージ・タケイ氏

©️Allegiance Broadway Film, LLC
「アリージャンス/忠誠」

「アリージャンス」のあらすじはこうだ。

真珠湾攻撃をした日本人を祖先に持つというだけで、キムラ一家は自宅から強制的に追い出され、収容所へ移送されてしまう。父のタツオは突然の不当な強制収容に抵抗し、提出を求められた「忠誠書」も拒否。姉のケイは収容所で出会った男性とともに、強制収容の不当性を訴え、日系人の人権を求める運動に参加する。一方、弟のサミーは、他のアメリカ人と同じであること=国家への忠誠を示すことで父をはじめとする日系人を自由にしようと、家族の反対を跳ね除けて戦場へ向かう――。

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「アリージャンス/忠誠」

キムラ一家の「おじいちゃん」と、老人となった後のサミーの二役を演じるタケイ氏は、「日本への協力」を疑われ、実際に収容所に送られた約12万人の1人だ。収容された1942年当時は、まだ5歳。「アリージャンス」にも登場する「忠誠書」に両親が反対の立場を貫いたため、いったん送られた収容所から、更に過酷で懲罰的な収容所に移送された。戦争が終わって収容所から解放された後は、スラム街で暮らすことを余儀なくされ、すべてを失った状態から生活を再建しなくてはならなかったという。

タケイ氏は日本での上映にあわせてメッセージを寄せた。

「収容された人の3分の2はアメリカ国籍。罪は日系人であることでした。アメリカ国民に起きた史上最悪の人権侵害事件であり、人種差別と戦争ヒステリーの危険性を伝える重大なストーリー」と重いテーマを訴える一方、美しい音楽やパフォーマンスが楽しめるブロードウェイミュージカルであることも強調。「苦境に直面したとき、それに耐えることをテーマにしている。アメリカ人にかぎらず誰もが共感できると思う。アリージャンスをみなさんに見ていただくことが待ちきれません」と話している。

©️Allegiance Broadway Film, LLC
「アリージャンス/忠誠」

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「アリージャンス/忠誠」

作品にはタケイ氏のほか、レア・サロンガ(「ミス・サイゴン」)、テリー・リアン(「Glee」「アラジン」)、マイケル・K・リー(「太平洋序曲」)の各氏ら、ブロードウェイで活躍する実力派のアジア系俳優が多数出演している。2015~16年にブロードウェイのロング・エーカー劇場で上演。その後も映像作品としてアメリカ、カナダでアンコール上映を含め610館以上の映画館で上映された。

今回の企画を進めるTheater Live Japanの大谷亮平さんは「世界規模で移民問題、人権問題が議論される今、我々日本人にとっても知るべき事実であり、観るべき作品。差別のない社会の実現に向け、この作品をひとりでも多くの方々に届けたい」としている。

プレミア上映会は恵比寿ガーデンシネマ、ユナイテッドシネマアクアシティお台場の2カ所で開催する予定。詳細は、https://a-port.asahi.com/projects/Allegiance/

©️Allegiance Broadway Film, LLC
「アリージャンス/忠誠」