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捕鯨問題に見る真の対話なき世界。「正義の反対は悪ではなく、別の正義」 佐々木俊尚氏らがトーク

2015年07月11日 00時49分 JST | 更新 2016年07月09日 18時12分 JST

 「捕鯨映画」を撮影中の監督、佐々木芽生さんと、ジャーナリストの佐々木俊尚さん、コミュニケーション・ ディレクターの佐藤尚之(さとなお)さんによるトークイベントが8日夜、渋谷区内で開かれた。テーマは「なぜ分かり合えないのか?――対話が生まれないクジラ問題から見えること」だ。

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■ 欧米vs日本。同じ言語で語らないまま「空中戦が行われている」

 欧米では、知性があり感情もあるイルカやクジラは人間に近い動物で、それを食べるのは、悪だという。

 これに対し、佐々木俊尚さんは、知性という言葉ひとつにしても、欧米と日本は同じ意味で「知性」を使っているのだろうかと疑問を投げかけた。

 ミツバチもミツバチならではの集合知がある。豚はチンパンジーと同程度の知性があることが分かったという報道もあった。こうした例をあげ、「『知性』は動物の知性とは違うものなのかもしれない」として、別の枠組みの知性があるのではないかと疑問を投げかける。

 「(知性のあるなしの)境界線を誰が決めるのか。今は、シーシェパードであり、欧米が決めている」という現状をふまえ、「共通の言葉が存在しないまま議論が進んでいる」「空中戦だ」として、欧米と議論を重ねるべきだと話した。

■ 「正義の反対は別の正義」と心得て、議論を

 また、佐々木俊尚さんはかわいいので殺してはいけない、という気持ちになるのが人間だと指摘する。日本でもその線引きが、かわいさの捉え方に引っ張られることを例をあげて説明した。福岡県でイノシシなどをとる猟師、畠山千春さんが、ウサギを捕まえて解体して食べる様子を公開した。これが国内で大炎上した。かわいいから、かわいそうだという声が大きかった。「ウサギはだめで、イノシシはいいのかということなのです」。

 佐々木俊尚さんは「感情的にならず、議論をしようと言い続けることが大事だ。感情的になるとその部分だけが海外に報道を通じて伝わる。従軍慰安婦と同じだ。我々には我々の考え方があり議論できる主張がある、だから議論しよう。その姿勢を捨てた瞬間負ける」。そして、「正義の反対は別の正義だという言葉があるように、いつまでたっても対話は交わらない状況だ。新たな立脚点をみつけることが大事だ」と話していた。

佐々木芽生さんが監督する「捕鯨映画」制作のためのクラウドファンディングA-portはこちら。

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佐々木芽生さん

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佐々木俊尚さん

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佐藤尚之さん

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