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博物館の学芸員からNPOの立ち上げへ。自然体験教室の代表が語る「自然の守りかた」

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TOYOTA
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標高1983メートルを誇る西日本最高峰の石鎚山は、愛媛県人の生活に深く関わった存在で、日本の7霊山としても有名。初詣は石鎚神社、登山といえば石鎚山。パワースポットとしても知られる。みんなが日々仰いで過ごしているため、学校の校歌に採用されることもある。

その石鎚の山間奥深くに古い学校を再利用して自然との触れ合いを提供している施設がある。梅雨に入る前の5月下旬の爽快な平日。AQUA SOCIAL FES!!の打合せのためにそこを目指して、私は石鎚の山並みを車で疾走した。鮮やかな新緑と道に沿って流れる清流を見ながら心地よい時間が流れる。「時間よ、止まれ」。このままこの時間が続いて欲しい。

20分ほどの小ドライブで到着したのが「石鎚ふれあいの里」だ。ここにはキャンプ場、宿泊できるケビン、研修所などがあり、自然体験教室が開催されている。

気分爽快で浮つく私を、爽やかな笑顔で迎えてくれたのが「石鎚ふれあいの里」代表の山本貴仁さんだ。この地で石鎚の自然観察を学ぶ体験教室を定期的に開催している。山本代表の肩書きは多く、2004年には「NPO法人西条自然学校」を設立し理事長に就任。現在では、環境省希少野生動植物種保護推進員、日本野鳥の会愛媛代表、愛媛県環境マイスターなど書ききれないほどの顔をもっている。

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「石鎚ふれあいの里」代表、NPO法人「西条自然学校」創立者である山本貴仁さん

山本さんは、旧玉川町(現今治市)の豊かな山林に囲まれた環境で幼少期を過ごし、生物や自然の魅力に取りつかれた。その探究心から、12歳の頃にはすでに野鳥の会に入っていたという。自然観察や自然環境保全などその活躍の範囲は広く、それらの活動は、美しい環境を守っていくための理解者を増やしていくことにつながっている。

この地、石鎚山から流れ出る清流は、二級河川「加茂川」として西条市を流れ、広い干潟を形成して瀬戸内海に注ぐ。山本さんは「西条市は、あらゆる自然をコンパクトに持ち合わせる素晴らしい土地」だと語る。名山「石鎚山」、母なる川「加茂川」、そして美しい「瀬戸内海」、豊饒な県内最大の「干潟」だ。

あらためて書き並べてみると、美しい自然に満ち溢れていることに気づく。確かにこんなに恵まれた自然は、他ではなかなか見当たらないのかもしれない。当たり前のように身近にあるものだから、ついつい見逃してしまっているのだ。いつまでもそこにあると思っていたのに、いつの間にか失ってたりする……。「ずっと待ってる」と言ったのに、待ってくれなかった地元の彼女のような、甘酸っぱい恋愛経験を思い出す感覚だ。

山本さんは、こうした地元の美しい彼女を、いや、自然を守ろうと日々活動している。大学を卒業後、地元博物館の学芸員として働きながら大学院で自然科学を学び知識に磨きをかけ、「西条自然学校」を設立して、なんと博物館を退職。より自然に触れ合い、その大切さを多くの人に伝えたいという思いが、山本さんの背中を押した。「好きなことを突き詰める」と言えばそれまでだが、今の時代にはなかなか難しい人生選択だろう。そして、今も高い志を持ったまま、自然観察会や講演などとても忙しい毎日を過ごしている。石鎚山の森林保全、植物や昆虫そして河川に干潟と、携わる分野はあまりに多彩。「奥深い愛媛の自然は、どんなに頑張っても調べるテーマが尽きることはない。将来に引き継がなければならない自然環境もたくさんある」と言い、「人が原因となってある種がいなくなってしまうことだけは防ぎたい」と熱く語ってくれた。

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「西条自然学校」で行った魚の観察会

「美しい自然環境を守っていくためには理解者を増やすことが必要」と山本さん。大人たちだけではなく、学生や子供たちなども楽しむことができる西条自然学校の活動も10年が過ぎた。以前の活動に参加した子供たちが成長し、嬉しい再会を果すこともあると言う。西条自然学校を立ち上げた頃にはまだ幼かった子供が、高校で生物部に入部したとか、大学で理学部に入った、生物や自然について学んでいるなどの報告を受けることがあるそうだ。山本さんの活動と地元の自然保護に対する熱い想いが成果をあげている証拠だ。

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8月1日(土)にトヨタのハイブリッドカーと共催するエコイベント「AQUA SOCIAL FES!!」の講師はこの山本さんだ。当日は、砂浜の漂着物を拾うビーチコーミングとウミホタルの観察を行う予定。夕暮れの浜辺で打ち上げられた漂着物から、海の自然やその役割について学ぶ。また、陽が落ちた後は、ウミホタルを採取し幻想的な光を楽しみ、その生態を学ぶ。自然に触れることで美しい海の環境を考える趣旨となっている。

「瀬戸内ビーチコーミング&ウミホタルを知ろう、守ろう。」
▽開催日時:8月1日(土)午後6時半~午後8時半。(受け付け開始午後6時)
▽内容:①海の漂着物について②ウミホタルの採取・観察③軽食
▽定員:100人※雨天決行、荒天の場合は翌日(8月2日)に順延。
▽応募・申込先:はがき、ファクス、電子メールのいずれかで、郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号(複数の場合は各人の必要事項を記入)を明記し、郵便番号790―8511(住所不要)愛媛新聞社営業局企画事業部「アクアソーシャルフェス2015」係・ファクス=089(941)8111、Eメール=kikaku-aqua2015@ehime-np.co.jpまで。
7月17日(金)締め切り。応募多数の場合は抽選。※高校生以下は保護者同伴。電話での参加受け付けは行っておりません。個人情報は、当イベントの運営にのみ使用
【問い合わせ】愛媛新聞社営業局企画事業部=電話089(935)2322

(取材・執筆:愛媛新聞社 重松忠憲)

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