都会暮らしの子どもたちに自然の魅力を伝えたい。アウトドア男子が取り組む「なごや環境大学」

2015年06月15日 16時37分 JST | 更新 2015年07月02日 14時54分 JST

「なごや環境大学」は、愛知県・名古屋市で、2005年の「愛・地球博」にあわせて発足された環境活動のネットワーク。市民と市民団体、企業、教育機関、行政が立場や分野をこえて協働で運営している。

その目的は、“持続可能な地球社会を支える”ための人づくり・人の輪づくりを進め、県民や市民で「環境首都なごや」を共に育てること。参加資格は、地球の環境保全に貢献したいという“エコ・ゴコロ”だけ。子どもから大人まで、環境に関心をもつすべての人々を歓迎するオープンなしくみだ。

「もっともっと活動の輪を広げたい」という参加者がいる一方で、環境保全には興味があるけれど「むずかしそうだ」とか「汗かいて掃除するのは恥ずかしい」という人も中にはいる。なごや環境大学は、そうした幅広い市民が、それぞれの思いで環境活動に取り組める、大きな受け皿的存在なのだ。

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名古屋市環境局環境活動推進課の西裕史(にし・ひろふみ)さん

名古屋市環境局環境活動推進課で、なごや環境大学を担当している西裕史さん(29)。生まれも育ちも愛知県、子どもの頃から海や山が大好きだった。そんなアウトドア好きな西さんにとって、なごや環境大学は、まさに格好の舞台。

「なごや環境大学に仲間入りさせてもらってから、地域の方々との距離がぐっと近くなりました。企業だけではなく、個人やご家族など、あらゆる立場の人たちと語り合う毎日は、刺激的で充実しています」(西さん)。

西さんは、子どもたちの“自然への関心”を高める活動にも力を入れている。普段は自然と触れ合うことの少ない都会暮らしの子どもたちとともに、里山に出向き、自然の魅力を伝える講座を開いた。

「慣れない環境では、思わぬ怪我や事故が起きることがあります。それだけは気をつけなければと、事前準備を行い、安全管理を徹底しました。講座当日は、自然の中を元気よく走り回る子どもたちの姿を見て、緊張が喜びに変わりました。参加した子どもたちの『楽しかった!』のひと言で、すべてが救われたんです。子どもたちが自然に興味を持ってくれたことがなによりの収穫。そして、その経験は自分にとっての財産となりました」(西さん)。

なごや環境大学の魅力は、「持ち寄り」「持ち帰り」「だれもが参加」「みんなが主役」、そして「協働」にあるという。

そうした中で、地域の教育支援(啓蒙活動)や、環境情報を紹介するハンドブックの発行、「AQUA SOCIAL FES!!」のような企業と連携した清掃活動など、大小さまざま。老若男女を巻き込んだ活動を行っている。

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なごや環境大学主催講座「いのちつながるESDワークショップ」の様子(藤前干潟)

「ここ数年は、愛・地球博やCOP10、ESDユネスコ世界会議といった国際的な環境イベントが愛知で開催され、なごや環境大学としても、多くの活動に参加することができました。少ないスタッフで休日を返上して、ほぼ手作りで実施するケースも多いです」(西さん)。

2015年3月に、なごや環境大学は10周年を迎えた。「まちじゅうがキャンパス」を合言葉に、誰もがどこででも、環境について学び合い、育て合うというフレッシュな理念は、今でも多くの人々に支持され、そして鍛えられている。

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ESDユネスコ世界会議併催イベント「ESD交流セミナー」の様子

「もっと多くの生活者や企業・団体と手をつないで、地域の未来を考えていきたい」と西さんは語る。その言葉の節々には、これまでお世話になった方々への感謝の気持ちと、さらなる成長に向けた意気込みがあふれている。

なごや環境大学も共催する「AQUA SOCIAL FES!! Presents ~愛知の豊かな海を守ろうプロジェクト~」の第1回は7月11日(土)に愛知県の離島・佐久島で開催します。参加希望の方は、公式サイトの申し込みフォームから必要事項を記入の上、ご応募ください。

(取材・執筆:中日新聞社 森貴宏)

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