電話会談といっても受話器を持って、もしもしとやるわけではありません。

河野太郎外相が電話会談をしたということが最近、よくニュースで取り上げられるからでしょうか、電話会談とはどうやるのですかという質問をよくいただきます。

電話会談は、まず、どういう用件で、何時から外相同士で電話会談をしようということを双方で打ち合わせをして決めるところから始まります。

日韓や日中の場合は時差もほとんどないので時間は問題ではありませんが、アメリカやヨーロッパなどの場合はどちらかが朝早くあるいは夜遅くになってしまうこともあります。

双方が運よく役所の大臣室にいることもありますが、片方が飛行機に乗っていたり、出張先にいたり、ということもしばしばあり、その場合は何番の電話にかけたらよいのかという確認もしなければなりません。

電話会談といっても受話器を持って、もしもしとやるわけではありません。

スピーカーのついた会談用の電話を前に、外務大臣以下関係部局の人間がテーブルを囲んで耳を澄ましているところを想像してください。

相手が英語の場合は通訳なしでやる場合が多いのですが、相手が英語以外の場合は通訳が入ります。

その場合は、外務省の通訳が私の隣に座って、私の話す日本語をマイクに向けて通訳していきます。

相手の話す言葉は、相手国が日本語の通訳を用意する場合とこちら側の通訳が両方の通訳をする場合があります。

英語圏の場合でも専門用語が多い貿易・通商関係の場合は、念のために通訳を入れます。

アメリカのライトハイザー通商代表との会談は、雑談しているときは英語ですが、本題に入ると私は日本語に切り替えます。

英語で電話会談をやる場合でも、相手が英語のなまりが強くてわかりにくい時は、無理せずに通訳を入れます。

時には相手のなまりが強く、しかもきちんとマイクに向かって話をしていない時など、何を言っているか聞き取れず、何度も聞き返すこともあります。

通訳が入っていると、相手が想定外の質問をしてきたときなどに、通訳している時間にメモを入れてもらったりすることができるという利点はありますが、やはり人間関係を築くという観点から言えば、直接話をすることが大切です。

(2017年11月19日「衆議院議員河野太郎公式サイト」より転載)

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