仕事の日もすっぴんでいることは、まるでワンルームアパートに住んでいるみたい

すっぴん日記 第27話
Arisa ido

9月27日 水曜日 天気:曇り 肌:ハリが半端ない

1カ月間のすっぴん生活ももうすぐ終わりを迎えようとしている。

何が一番変わったって、生活がずいぶん楽になった。気持ちも楽になった。

化粧をする、化粧崩れをチェックする、化粧を落とす、小さな行為一つ一つが自分の生活から消えたことで日々のルーティーンが減り、負担が減った。

すっぴんの自分も悪くない、って思うようになればさらに怖いものなしだ。

ノーメイクは仕事に支障をきたしたかと聞かれれば、それは全くなかった。

最低限の清潔感を守った格好で人と会えば、すっぴんでいてもメイクをしても相手には伝わる。

伝わらなければ、それはメイクをしなかったからではなく伝え方や伝える内容に問題がありそうだ。

生活が楽になり、仕事にも支障がない。

それでも、平日におしゃれ以外の理由でメイクしたいと思うときがある...。

話は変わるが、私は住宅の間取りを見るのが大好きだ。

ストレス発散方法はネットで都内の賃貸物件を検索しながら、

自分だったらその部屋でどんな生活をするのか想像することだ。

一番つまらないのが仕切りのない1R(ワンルーム)物件だ。

だだっ広い部屋ならともかく、一人暮らしのワンルームはだいたい同じ形をしていて、工夫の仕様がない。遊び心を全く発揮できない。

「価格の安い順」で検索していると上の方に上がる物件は、ワンルームだ。

なんの変哲もない長方形の間取りを素早くスクロールさせながら、ふと気がついたことがある。

すっぴんで会社に行くことは、仕切りのないワンルームアパートに住んでいるみたいだ。

すっぴん生活を始めて一番戸惑ったのは、メイクをしないと寝起きで出社している感覚に襲われることだ。

逆にメイクをすると自然と仕事モードに気持ちを切り替えることができる。

それは、寝室、キッチン、リビング、ダイニングを仕切っている壁と一緒だ。リラックスできる寝室から一歩出て、キッチンに向かえば自然と脳は「食事モード」になる。

もし仕切りのないワンルームだったらベッドでも床でもキッチンでもどこでも食事をしないだろうか。

仕切りのない部屋が「切り替え」の感覚を鈍らせる。

私にとって「メイク」もそんな「仕切り」の役割を果たしている。

男の人にとって、それはネクタイになるのだろうか。それとも、革靴?

それをつけた瞬間に「切り替え」が発生して、どんなに今日は仕事に行きたくないと思っても、自然と職場に足が向いている。もしくは心が向いている。

その重要な「仕切り」「切り替え」の装置が新たに見つかれば、私はこれからもすっぴんで過ごすのはアリかなと思う。そして、気分が上がればたまにメイクする。

髪の毛の色も服装も清潔感が保たれていれば特に何も言われない自由な職場であるがゆえに、

余計に自分の中の「切り替え」が必要だったことを改めて気づかされた。

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ハフポスト日本版でエディターとして働く私(27歳)は、2017年9月いっぱいを「ノーメイク」で過ごしました。仕事も、プライベートも、あえてメイクを塗らないことで見えてきた世界を、1カ月間少しずつ書き留めていきました。これから平日朝7時ごろ、順次公開していきます。

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