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『叫び』を描いたのはだれ?世界初「ゴッホ+ムンク」展!オランダとノルウェーの王室も駆けつける

2015年05月10日 16時07分 JST | 更新 2016年05月09日 18時12分 JST

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ノルウェー王妃とオランダ王女も展覧会を訪問。キュレーターの説明に熱心に聞き入り、笑顔で会話しながら鑑賞を楽しまれた Photo:Asaki Abumi

北欧ノルウェーの首都オスロにあるムンク美術館で、刺激的な展覧会が開催される。オランダを代表する画家フィンセント・ファン・ゴッホと、ノルウェーを代表するエドヴァルド・ムンクの作品を一緒に公開するという、美術界をわくわくさせる企画だ。

世界初、ゴッホとムンクが主役の大規模展覧会

絵画を含め、2人の画家が残した詩やメモなど、100点以上の作品を公開。これほどの大きな規模で、両氏の作品が一か所に集まって展示されるのは、世界初の試みとなる。5月9日のオープニング初日には、オランダのベアトリックス王女とノルウェーのソニア王妃が展覧会の幕を開けた。

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Photo:Asaki Abumi

ノルウェーの王妃はアート好きとして知られている。自身もアーティストとして個展を開いたり、国立美術館のイベントには王室を代表して臨席することが多い。ムンク美術館の展覧会オープニングに、他国の王室メンバーが臨席するのは、今回が初めて。

一般に開場された13時には、美術館前に長蛇の行列ができた。5月9日から9月6日の期間中には、多くの訪問者数が予想されている。

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開場後、2時間たった後も行列は続いた。広場に咲いているのは、出光興産が同館にプレゼントした日本のサクラ。ちょうど今の時期にピンクの花が満開となっている Photo:Asaki Abumi

『叫び』を描いたのは、ゴッホ?ムンク?

日本では「ムンクの叫び」と表現されることが多いので、画家の名前がムンクだと認識している人は多いかもしれないが、正式名称は『叫び』。他国では、作品は目にしたことがあるが、画家の名前はわからないという人が多く、作風が似ていることから、ゴッホの作品だと勘違いされていることがよくある。

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ムンク美術館のキュレーターであるマグネ・ブルータイグ氏(左)と、ファン・ゴッホ美術館のキュレーター、マイーテ・ファン・ダイク氏(右)。2人の努力が今回の展示を実現させた Photo:Asaki Abumi

なぜ『叫び』はゴッホ美術館にないの?

オランダのアムステルダムにあるファン・ゴッホ美術館では、「どうして、ここには『叫び』が展示されていないのですか?」と係員に聞いてくる訪問者が絶えないと、同美術館のキュレーターであるダイク氏は語る。

2人の画家の間には、強いつながりがあると感じたファン・ゴッホ美術館が、オスロを訪れ、ムンク美術館に共演のアイデアを6年前に持ちかけて、現在の企画に至る。

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類似点が明確なムンクとゴッホの星月夜も隣同士に並ぶ Photo:Asaki Abumi

ゴッホとムンクは出会ったことはない

2人の画家が実際に出会ったであろうことを証明する証拠はどこにも残っていない。1889年に両氏が訪れたパリでの展覧会で、2人は出会ったかもしれないと想像することはできるが、その証拠となるものはないという。

しかし、1900年代以降の背景画をはじめとして、ムンクがゴッホから影響を受けていることは明白であると両館のキュレーターは語る。2人の画家は、同時に日本の木版画からも強い影響を受けていた。

会場では、ムンクの「生命のフリーズ」やゴッホの「デコレーション」という、類似する構想や作品を比較することで、新しい角度から絵を楽しむことができるだろう。

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ムンクの『叫び』とゴッホの『The Bridge at Trinquetaille』は、一目で類似点がわかる Photo:Asaki Abumi

展覧会は、その後オスロからオランダへと移動し、ファン・ゴッホ美術館にて9月25日より再び開催される。展覧会ではさらなる作品数を追加展示し、ノルウェーの王妃も臨席予定だ。

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Photo&Text: Asaki Abumi