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『叫び』のムンクに続く、ノルウェーの現代の巨匠とは? オスロで驚きの展示がスタート!

2015年01月31日 17時41分 JST | 更新 2015年04月01日 18時12分 JST

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(写真の中央下にある丸みのある形状が描かれた白黒写真が、メルゴールがオリジナルの絵画を後ろに"隠して"描いた『叫び』だとムンク美術館は説明する Foto: Vegard Kleven / Exhibition "MELGAARD+MUNCH" at the Munch Museum)

ノルウェーが誇る芸術の巨匠の一人であるビャルネ・メルゴール(Bjarne Melgaard)と、『叫び』で有名な画家エドヴァルド・ムンクの作品を共演させ、その世界観を楽しむ「メルゴール+ムンク」展が、1月31日〜4月12日にオスロのムンク美術館で開催されます。

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(これまでのムンク美術館の展示と比べると、カラフルな現代アートとファッションの遊び心が満載の刺激的な空間がつくられている Foto: Vegard Kleven / Exhibition "MELGAARD+MUNCH" at the Munch Museum)

ビャルネ・メルゴールという名前を聞いたことがない方でも、黒人女性のマネキンが「椅子」として表現された作品の写真を見たことがある人はいるのではないでしょうか(題材「Chair」)。その黒人女性型の椅子に、実際に座った白人女性の写真がインターネットで出回り、全体像としてのその絵が人種差別的だと、2014年1月に大きな物議を醸しました。

ムンク以来のノルウェーで最も重要なアーティスト

メルゴールは、性や人間の葛藤というテーマを主に、絵画、イラストレーション、写真、ビデオ映像などを通して、独特な世界観を世界に発信しています(オスロ育ちですが、現在はニューヨークで活動中)。日本でも知られているブランケット「ロロス・ツイード」社や、ノルウェーを代表する設計事務所スノーヘッタともコラボをしました。

期待される異端児アーティスト

孤独、死、病気、憂鬱、性、アイデンティティの模索など、ムンクと共通する題材も多く、ノルウェーではメルゴールはムンクとよく比較される、非常に有名な存在です。センセーショナルで物議を醸す作品をだす「異端児」という点でも両者は共通しており、メルゴール自身もムンクからは大きな影響を受けていると語ります。

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(1月29日におこなわれたムンク美術館での発表会見ではメルゴール自身(写真右の左側に立つ、白い上着を着た人物)も立会い、国内のメディアが詰め掛けた Foto: Asaki Abum i/ Exhibition "MELGAARD+MUNCH" at the Munch Museum)

ムンクを巨匠たちと競演させる、6の展示シリーズ

美術館ではこれまでムンクの作品のみを中心に展示していましたが、「+ムンク」展シリーズという、ほかの巨匠たちとの作品を同時に展示するイベントを今後2年間、6回に分けて開催予定、今回はその第一回目となります。

デザインや建築設計で有名なスノーヘッタが展示デザインを担当しており、現代アート、北欧デザイン、空間設計に興味のある方にも見応えのあるものとなっています。

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(改修工事で館内の雰囲気が明るくガラリと変わった。展示のデザイン設計は設計事務所スノーヘッタが担当 Foto: Vegard Kleven / Exhibition "MELGAARD+MUNCH" at the Munch Museum)

「ムンクの叫び」はどこ?

私たちが知る『叫び』は、今回の展示では簡単には見つけることができないでしょう。なぜなら、オリジナルの『叫び』をベースに、メルゴールが再解釈した叫びが、大量の展示物の中にひっそりと混ざっているからです。

「叫びはどこ?」と係員に尋ねると、「これが叫びですよ。この絵の"後ろ"にオリジナルの叫びが隠れているんですよ。」と、『叫び』とはまず思えない白黒写真へと案内されることでしょう(トップ写真)。「どういうテクニックが使われているかは私たちもわかりません。あまり深く考えずに楽しんでください」と広報担当は語ります。

通常の『叫び』をオスロで鑑賞したい時は、この時期は国立美術館で鑑賞が可能です。

ムンク美術館/The Munch Museum

MELGAARD+MUNCH展

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(有名な『叫び』は今回の主役ではないようだ。 ムンクの作品を新たな視点で再解釈することの重要性をムンク美術館は提案する Foto: Munchmuseet / Photo: The Munch Museum, Edvard Munch: Skrik, 1910)

Text: Asaki Abumi