不登校は問題行動じゃない!始業式を前に不安や焦りを感じている子もいる

不登校の子ども、学校に行きたくても行けない状態で苦しい思いを抱えている子どもやそのご家族に対して、届けたい文章があります。

新年が明け、三学期の始業式が近づくにつれて、ドキドキしている子どもたちもいるのではないでしょうか。不登校の子ども、学校に行きたくても行けない状態で苦しい思いを抱えている子どもやそのご家族に対して、届けたい文章があります。

不登校の状態にある、又は不登校を経験したことのある子供たちを含め、全ての子供がこの国の未来を創るかけがえのない存在である。

(文部科学省 不登校児童生徒への支援に関する最終報告)

全国的に全学年で不登校傾向が上昇傾向にあることが明らかになっています。

文京区でも不登校の児童生徒数は増えており、長期化の傾向がみられます。現在不登校の小学生49名のうち17名、中学生では81名中56名が前年度から継続の状況で、文京区での出現率は全国・都を上回る高い状況となっています。理由として教育委員会は、小学校では家庭に係る状況が多く、中学校では学業不振、入学時の不適応等が多いと分析しています。

なお、それだけではありません。いじめや先生との関係で不登校に至ることももちろんあるわけですし、言葉にできない理由の場合もあるでしょう。

教育委員会は、学校に行きたくても行けないという状況にならないよう、「明るく楽しく過ごすことのできる学校生活づくり」に向けて、子どもたちに様々なアンケートを実施しています。

文京区教育委員会「明るく楽しく過ごすことのできる学校生活づくり」
文京区教育委員会「明るく楽しく過ごすことのできる学校生活づくり」
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文京区教育委員会「明るく楽しく過ごすことのできる学校生活づくりに向けて」

ちなみに、このようなアンケートを実施・集計する作業に教員の約70%近くが負担感を持っています(文部科学省・学校における業務改善より)。せっかくそこでまで負担をかけて実施するアンケートですから、やったという実績に終始せず、いかに子どもたちの正直な思いを集められたかを重視して工夫をしなければ先生方の徒労感は増すばかりでしょう。

以前、中学生から「体罰ができなくなったから先生たちの暴言が以前よりもひどくなった」と聴きました。でも、子どもは、こうした本音を学校アンケートには絶対に書かないそうです。なぜなら大方のアンケートは記名式であり、無記名であっても自分だとわかってしまうのでは?との思いがあるからです。

この点に関する貴重な視点があります。国立教育政策研究所の「生徒指導リーフ・いじめアンケート」です。

その中では、無記名式アンケートの重要性を説いています。しかも、「回収後は児童生徒の目の前で大封筒に入れるなどし、無記名ではあっても匿名性を守る姿勢を見せることが、児童生徒から信頼を得る上で大切です。」とまで明記しています。

ぜひ、ご一読ください。教育委員会にも再三要請していますが、まだ記名式を続けている学校もあるので、各校PTAが、学校にこのリーフを渡し、無記名式を実施するよう働きかけていくのも一案かと思います。

ところで、「明るく楽しく過ごすことのできる・・・」という一文に、「明るく楽しく過ごせない子はダメな子」というある種の同調圧力を感じる、と言うと揚げ足取りにお感じになるでしょうか?

私たち大人自身、1年365日明るく楽しく過ごしているでしょうか?

誰しも、生きていく上で様々な理由から、沈んだり、落ち込んだり、イライラすることがあるのではないでしょうか?

もし、大人がそうなら子どもだって同じでしょう。たとえそんな日があっても、ありのままの自分が尊重され、気分が軽くなって、明日を楽しみに眠りにつけるような時間を過ごせたなら、明日もまた学校へ行きたくなるのではないでしょうか。学校でなくても学べる、人とつながれる場所へ足を運べるようになり、ネガティブな感情に支配されなくなるのではないでしょうか。

明るく楽しく過ごせないのには理由があるのです。まずそこを見つめるべきです。

勉強について行けなくて学校に行けなくなるということを防ぐためには、小学校入学時から「授業」において、子ども一人ひとりに十分に接する時間を確保し、「わかる・面白い」と感じる学びを積み重ねていけるように、教育委員会は人的支援を進めていただくようお願いします。

家庭に係る状況が不登校の理由になる子もいる現状を思うと、学校では「楽しい」「生まれてきてよかった」と思える時間をきめ細かく作り出すことも重要です。例えば、学校図書館司書、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等を常勤化し、これらの専門職も含めた「チーム学校」として学校生活づくりを進めていくよう要望していきます。

そのためにも、子どもたちを囲む大人が、こうあるべきという固定観念から解き放たれることが大前提でしょう。

さらには、不登校の子どもを持つご家庭には、

  • まず学校ありきではなく、登校を再開することが唯一の目的ではないこと。
  • 子ども自身が自尊感情を持って、自分の居場所をどこかに確保する。それが学校という場所でなくても、いずれの場所であっても、学ぶ楽しさを実感できるように、教育委員会や学校、地域社会が応援していくこと。

これらを教育委員会や学校がしっかりと伝えていくことが重要です。

文部科学省は、不登校児童生徒への支援について次のようにまとめています。

不登校とは、多様な要因・背景により、結果として不登校状態になっているということであり、その行為を「問題行動」と判断してはいけない

不登校の児童生徒が悪いという根強い偏見を払拭し、「行きたくても行けない」現状に苦しむ児童生徒とその家族に対して、「なぜ行けなくなったのか」といった原因や「どうしたら行けるか」といった方法のみを論ずるだけではなく、学校・家庭・社会が不登校児童生徒に寄り添い共感的理解と受容の姿勢を持つことが、児童生徒の自己肯定感を高めるためにも重要である。

児童・生徒、誰をも取りこぼすことなく「安心して過ごすことができる学校生活づくり」の実現を目指したいです。

不登校は特定の児童生徒にのみ起こるものでなく、どの児童生徒にも起こり得るものです。

だからこそ、不登校になったとしても、子どもも家族も「大切な、意味のある時間だった」と、振りかえられるような日々になって欲しい

すべての子どもにとって、人を信頼する、自分を愛する気持ちを十分に育む、かけがえのない時間になるように、教育委員会・学校・福祉・地域が連携して子どもや家庭をサポートする体制を構築していきます。

PhotoAC

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