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橘玲

作家

 

ワールドカップに出場したボスニアでナショナリズムについて考えた

6月16日午前0時。ボスニア・ヘルチェゴヴィナの首都サラエボの中心にあるショッピングセンター前は群集で埋め尽くされていました。多くは20代の若者ですが、高齢者や女性の姿も混じっています。広場に据えつけられた巨大なモニターにブラジルのサッカー会場が映し出されると大歓声があがり、発炎筒が焚かれ、花火が何発も打ち上げられました。ワールドカップの舞台にボスニア国歌が流れる歴史的な瞬間が訪れたのです。
2014年07月14日 19時04分 JST
時事通信社

集団的自衛権を議論する前にやるべきことがある

集団自衛権についての議論が徒労感しか残らないのは、そもそもの前提を共有せず、わけのわからないことをいうひとがいるからです。それも、ものすごくたくさん。地球の裏側の国がいきなり攻めてくることがない以上、安全保障というのは国境を接する隣国とどのようにつき合えばいいのか、という話です。いつ裏切られるかわからない相手とのつき合い方は、ゲーム理論でもっとも研究されてきたテーマです。
2014年06月16日 00時13分 JST
ALEXANDER JOE via Getty Images

「表現の自由」でエイズの似非科学を擁護した代償

「自分に甘く他人に厳しい」というのは人間の本性でしょうが、それが目に余るのは似非科学を振りかざすひとたちです。彼らはまず、相手に対して厳密な証明を求め、すこしのミスも許しません。そして、自分の主張が非科学的だと批判されると「表現の自由」だと言い張ります。似非科学が流布する背景には、それを支持する知識人(と呼ばれるひとたち)がいます。彼らは、あらゆる意見には発言の場が与えられるべきであり、国家権力がそれを制限するのは不当だといいます。
2014年06月09日 19時07分 JST

反原発派こそが「美味しんぼ」のエセ科学を批判すべきだ

人気マンガ「美味しんぼ」の主人公・山岡士郎は、福島第一原発を訪れた後に鼻血を流します。実名で登場する被災地の前町長は、「私が思うに、福島に鼻血が出たり、ひどい疲労感で苦しむ人が大勢いるのは、被ばくしたからですよ」と断言します。これでは個人的な感想をもとに「福島にはもう住めない」といっているようなものですから、風評被害との抗議が殺到するのは当たり前です。
2014年06月03日 01時13分 JST
MIXA via Getty Images

ベビーシッター事件で子どもを犠牲にしているのは誰だ?

埼玉県富士見市のマンションで2歳の男児が遺体で見つかった事件で、26歳のベビーシッターが死体遺棄容疑で逮捕されました。子どもを預けた母親は夫と別居していて、生活保護を受けながら週2日ほど夜の仕事をしていたといいます。この事件はシングルマザーが置かれているきびしい状況を浮き彫りにしました。
2014年04月14日 16時00分 JST
 

フクシマの悲劇を正しく語り継ぐのは難しい

足元にある深いプールの底に四角い影が漂っています。まわりでは全面マスクに白の防護服を着た作業員が忙しく立ち働いています。ここは福島第一原発4号機で、私が眺めていたのは使用済核燃料を納めたラックでした。
2014年03月24日 17時53分 JST
EPA時事

集団的自衛権より大事な問題

集団的自衛権の行使容認をめぐって、安倍首相が憲法解釈の変更を示唆したことが議論を呼んでいます。これは憲法9条改正につながるきわめてやっかいな問題ですが、できるだけシンプルに考えてみましょう。
2014年03月18日 01時17分 JST
Iain Masterton via Getty Images

労働組合は身分差別社会が大好き

安倍政権による労働者派遣法改正案が国会で議論されています。これを改悪と主張するひとたちは、「正社員が派遣労働者に置き換えられて格差が拡大する」といいます。それに対して政府側は、これまで専門26業種だけに認められていた条件をすべての労働者に開放することで、労働者のニーズにあった多様な働き方が可能になると反論しています。
2014年03月11日 01時11分 JST
Nikada via Getty Images

若者言葉はなぜ体育会化するのか?

「近頃の若い者は......」と説教するオヤジにはなりたくないのですが、それでも気になるのは「ありがとうございます」の多用です。近頃の若者は職場やバイト先で、上司からなにかいわれるたびに「ありがとうございます」とこたえているようです。
2014年02月10日 00時03分 JST
Akira Tachibana

隣国同士で悪口をぶつけ合うだけの平和な日本は素晴らしい

レバノンの人口の4割を占めるキリスト教徒は英語とフランス語を流暢に話し、イスラム教徒同士の殺し合いにはなんの興味も示しません。レバノンの運命は大国に握られていて、自分たちがなにをやっても無駄です。だったらテロなどなかったことにして、毎日を楽しく過ごした方がいいに決まっているのです。
2014年02月03日 17時26分 JST