ポルシェが新型スーパーカーを開発中? 期待を高める5つの兆候

英国の自動車情報誌『Car』は先日、ポルシェが「911ターボ」を超えるスーパーカーを開発中であるという噂を報じている。

自動車業界には未来のスーパーカーについて予想するのが大好きな人が実に多い。英国の自動車情報誌『Car』は先日、ポルシェが「911ターボ」を超えるスーパーカーを開発中であるという噂を報じている

この記事によると、ポルシェの新型スーパーカーは2019年に発表される見込みで、価格は20万ポンド(約3,200万円)程度。4基のターボを備えた3.9リッター水平対向8気筒エンジンを搭載するという。これらの憶測の中には疑わしいものも含まれているが、核となる噂は信憑性が高い。その理由を説明しよう。

ポルシェ「960」の噂

「960」と呼ばれるモデルに関する噂が最初に広まったのは2012年のこと。当時、ポルシェはフェラーリに対抗できる4ドアクーペを開発中であるといわれていたが、2013年初めになると、それが2ドアでターボチャージャー付き水平対向8気筒のミッドシップになると話が変わった。

このプロジェクトは2014年に中止されたと言われていたが、『Car』の最新情報が事実だとするならば、960の開発プロジェクトが復活したのではないかと考えられる。

新型ポルシェ「911ターボS」の存在がその証拠

先ごろアップデートされたポルシェ 911ターボSは最高出力が580psに向上し、さらに速いクルマになった。しかしラインアップのトップに位置するモデルとしては、競合他社と比べるとまだ差を付けられている。

例えば、フェラーリ「488GTB」のパワーは670psで、マクラーレン「675LT」は車名が表す通り675ps。このようなクルマを富裕層の顧客が求めているのであれば、ポルシェは911の最上位モデルよりも更にスペックを高めた、噂の960のような新型モデルを考えている可能性がある。

ポルシェ「918 スパイダー」の生産終了

ポルシェは2015年中頃に918 スパイダーの生産を終了しており、ラインアップの最上位モデルの座は空いている。もし、『Car』の推測通りに960の登場が2019年になるのであれば、ここに4年ほどの空白期間ができ、市場にスーパー・ポルシェはしばらく出回らないことになる。こうして焦らされた顧客は、最先端のポルシェを切望するようになるのだ。

「960」を欧州で商標登録

いろいろな憶測が飛び交っているが、今のところその多くは空想や妄想に近い。しかし、一方で確固とした証拠もある。例えば、ポルシェは2015年6月に欧州で「960」という名称の商標登録を申請したことが分かっている。適用範囲は「自動車、玩具、衣類」だ。

登録された商標が必ずしも使用されるわけではないが、会社の方針を知るためのヒントにはなるだろう。

VarioCom」を商標登録

「VarioCam(可変バルブ機構)」のスペル間違いではない。VarioComとは"Variable Compression"、つまり可変圧縮比エンジンが960には搭載されるのではないかという噂がある。

ポルシェは2016年1月に「VarioCom」という名称の商標登録を申請しており、これはその噂を裏付けるものだ。申請によれば、商標の適用範囲は「エンジンやモーターの制御メカニズム」と「陸上用車両のモーター」となっている。

この可変圧縮比技術は、低回転域では圧縮比を上げてレスポンスと燃焼効率を高め、ターボが作動する高回転域では圧縮比を下げてノッキングを回避し、エンジンの負担を軽減することができる。2014年にフォルクスワーゲン・グループで可変圧縮比エンジンを開発していると報じられたことがあったが、この技術を同グループに属するポルシェも利用する可能性がある。

以上の様に、ポルシェに対する憶測や噂の中にも、その根拠となる事実や兆候が見られることは確かだ。果たして水平対向8気筒クアドターボ可変圧縮比エンジンを積むポルシェのロードカーは誕生するのか。2019年を楽しみに待つことにしよう。

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

(2016年5月29日Autoblog日本版「ポルシェが新型スーパーカーを開発中と思える5つの兆候」より転載)

【関連記事】

注目記事