テスラ「モデルS」 ゼロエミッション車で最高航続距離に認定

トヨタとテスラの航続距離競争はどちらに軍配が上がるのか、今後も見守ることにしよう。

テスラが、航続距離の最も長いゼロ・エミッション車として公式にトヨタを上回った。一方、トヨタは電気自動車による24時間走行距離の世界記録を達成し、巻き返しに出ている。両社ともに限りを尽くした戦いを繰り広げている状態だ。

EPA(米国環境保護庁)は、0-100km/hをわずか2.7秒で加速できるテスラ「モデルS P100D」が、1回の充電で315マイル(約507km)の走行を可能と公式に認めた。また、EPAは同車の"ガソリン等価換算燃費"を、「モデルS P90D」の95MPGe(約40.4m/L)を上回る98MPGe(41.7km/L)と認定している。

電気自動車やクリーン・エネルギー関連の情報サイト『Electrek』によると、さらに重要なのは、この315マイルという距離が、トヨタの水素燃料電池車「MIRAI(ミライ)」の一充填走行距離312マイル(約500km)を上回ることだという。テスラのイーロン・マスクCEOは、将来的にP100Dは1回の充電で330マイル(531km)を走行可能になるだろうと語っている。

モデルS P100Dの価格は13万4,500ドル(約1,360万円)と高額だが(ミライの価格の2倍以上)、さら2万ドル(約202万円)でバッテリー・パックをグレードアップできる。トヨタとテスラの航続距離競争はどちらに軍配が上がるのか、今後も見守ることにしよう。

一方で、MIRAIが優位に立っているのは燃料補給にかかる時間である。水素ステーション・メーカーであるTrue Zeroは現在、カリフォルニア州に15の水素ステーションを展開しており、2017年までにさらに4ステーションが設置される予定だが、同社の水素ステーションでは4分間でMIRAIの水素タンクを満タンにできるサービスを提供している。このTrue Zeroによって行われた長距離走行テストで、MIRAIが歴史的な偉業を成し遂げた。

同社はMIRAIでカリフォルニア全域を走行し(そしてネバダ州リノに到達)、24時間で1,438マイル(約2,314km)を走破した、とエコカー情報サイト『Green Car Congress』が伝えている。この走行距離記録は、正式に認定されれば、電気自動車による24時間走行距離のギネス世界記録を塗り替えることになる。

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

【関連記事】

注目記事