トヨタ自動車、世界販売台数トップの座をフォルクスワーゲンから奪還

今回の数字に排出ガス不正問題が大きく影響しているとは言えず、実際には中国市場における需要が下がったことの方がこの結果に大きく関係している。

トヨタ自動車の2015年1月から9月における世界販売台数は749万台となり、2015年上半期にトヨタを抜いて一位となったフォルクスワーゲン(VW)から首位の座を奪還したと、金融情報メディア『Bloomberg』が伝えている。今年第1~3四半期におけるVWの販売台数は743万台で、GM715万台だった。

この結果は、VWのディーゼルエンジン車で露見した排出ガス不正問題の影響を受けてのものと考えられそうだが、EPA(米国環境保護庁)がこの問題を公表したのは9月18日。つまり排出ガス問題をめぐる論争が巻き起こり始めた時には、決算発表までわずか数日しかなかったことになる。よって今回の数字に排出ガス不正問題が大きく影響しているとは言えず、実際には中国市場における需要が下がったことの方がこの結果に大きく関係している、と同メディアは記している。

今回トップを奪還された理由が排出ガス不正問題の影響ではないとしても、ブランドイメージが下落するなどの副次的な影響や、欧州または中国などの主要市場における人気モデルの販売停止などによって、VWが10~12月期にトヨタから首位を奪還するのは難しいと思われる。

2014年、トヨタは販売競争において1,023万台を記録し販売台数トップとなり、続いてVWが1,014万台と僅差で2位となった。当時、高成長を続けていた中国市場が2015年もVWの強みとなると予想されていたが、景気の低迷により今年6~7月の売り上げは落ち込み、中国自動車業界全体に大きな打撃を与えている。

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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(2015年10月30日「Autoblog日本版」より転載)

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