トランプ次期大統領 テスラのCEO、イーロン・マスク氏を「戦略政策フォーラム」のメンバーに指名

イーロン・マスク氏は、化石燃料業界、気候変動、ロビイストの要求に応じる政治家について積極的に発言してきた。

来年1月20日の大統領就任式を目前に控えて、ドナルド・トランプ次期米国大統領は閣僚や顧問の人選に追われているが、そこには石油業界の人物や地球温暖化否定論者も要職の候補として含まれるようだ。そうした中で意外にも、トランプ次期大統領はテスラスペースX社のCEOであるイーロン・マスク氏を「戦略政策フォーラム」のメンバーに指名したと発表した。また、オンデマンド配車サービスUberのトラビス・カラニックCEOもこのフォーラムに加わっている。

大統領の戦略政策フォーラムは、次期政権が経済政策の立案を行うにあたり、米国の代表的な経営者であるメンバーから助言を得ることを目的としている。トランプ次期大統領は「我が政権は、ビジネス環境を改善するために民間セクターと協力し、シリコンバレーから中部地域へと全米各地で新しい雇用が創出されるような魅力ある環境にしていく」と話している。

かたやイーロン・マスク氏は、化石燃料業界、気候変動、ロビイストの要求に応じる政治家について積極的に発言してきた。さらにトランプ氏を批判したことさえある。(トランプ側も反論している)。次期大統領が温室効果ガスの排出量削減よりも雇用率を重要視していることは明らかだが、マスク氏が次期大統領のフォーラムに加わる立場を利用して、化石燃料からクリーンエネルギーとクリーン輸送への転換が不可避であるという考えを大統領に進言するかどうかはわからない。

興味深いことに、ベンチャーキャピタリストでビッグデータ企業Palantir会長のピーター・ティエル氏を明らかな例外として、シリコンバレーの大部分はトランプ氏に反対の姿勢を選挙で示していた。しかし、Uberのトラビス・カラニックCEOはトランプ次期大統領に協力することに前向きのようで、「Uberの利用者、ドライバー、及びUberがサービスを提供している450以上の都市に影響を及ぼす問題について、次期大統領とそのチームと話ができるのを楽しみにしている」と発言している。

彼らの他にもFacebook最高執行責任者(COO)のシェリル・サンドバーグ氏、アマゾンCEOのジェフ・ベゾス氏、Googleの持株会社アルファベットCEOのラリー・ペイジ氏が14日、次期大統領と会合を持っている。

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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