車からインターネットの時代へ 木村佳乃さんがアウディの手書き入力や音声入力を実演デモ

アウディの新型「A3 スポーツバック」発表会から、実車に触れた印象と、注目のインターネット接続機能「アウディ コネクト」についてご紹介。

アウディの新型「A3 スポーツバック」発表会から、実車に触れた印象と、注目のインターネット接続機能「アウディ コネクト」についてご紹介。

特徴的なキャラクター・ライン

もはや「コンパクト」とは呼びにくいA3 スポーツバックだが、ハッチバック・スタイルに大型の「シングルフレーム・グリル」が、これまでのA3、A1よりもボディと上手く馴染んでいるという印象を受けた。ドアのモールがなくなり、エッジの立ったキャラクター・ライン(トルネード・ラインと言うそうだ)が特徴的なボディのデザインはシンプルでクリーン。大喜多社長によれば「我々の持つ最も進んだプレス技術が可能にした」というけれど、ぶつけてしまったときは板金が大変そう。フェンダーの膨らみは、前後でわざと微妙に変えてあるそうだ。ヘッドライトはバイキセノンが全車標準だが、後にフルLEDも選べるようになるとか。

高級でスポーティなインテリア

エクステリア同様、シンプルで高級感のあるインテリアは樹脂製パーツ、操作スイッチなどの質感が非常に高い。目で見ても美しいし、触ってもがっかりしない。ジェット・エンジンをイメージしたというエアコンの吹き出し口は、「30以上のパーツが誤差100分の数ミリ以下という精度で組み合わされて」いるという。大喜多社長の「2クラス上のインテリア・デザインを投入」という言葉も決して大袈裟ではないと納得させられる。

運転席の着座位置はこの手のクルマにしてはかなり低く下げることもでき、インパネのデザインも含め、ラグジュアリーというよりは明確にスポーティ。リア・シートは身長170cm程度の人が座れば頭上に拳1個分以上の空間は確保されるだろう。フロント・シートがたっぷりした造りとなっているためもあり、足元は驚くほど広いわけではないが、前席の下につま先を入れればそれほど不満はない。シートバックも立ち過ぎることはなく、居心地はなかなかいい。やはり後席に人を乗せるなら、A1 スポーツバックよりもA3 スポーツバックの方をお勧めしたい。写真のシート表皮は「マラソンクロス」と呼ばれるもの。本革もオプションで選べる。

インターネット接続機能を搭載

機能として注目すべき点は、オプションのMMIナビケージョンに拡張機能として搭載された「アウディ コネクト」。これは要するに、クルマに3G回線を使用するインターネット接続機能を搭載し、例えば近隣のガソリン・スタンドを価格データまで検索・表示したり、フライト情報やニュース、天気予報など、インターネット上から最新の情報を閲覧することが可能になるというもの。ナビケージョンの画面では、お馴染みGoogle Mapのストリートヴューに切り替えて、目当ての場所を確認できる。

操作はセンター・コンソールにポップアップした7インチ・モニタの画面を見ながら、手元で大型のダイヤルを捻ったりスイッチを押したりして行う。スマートフォンやタブレット端末のタッチ・スクリーンに慣れているともどかしく感じることもあったが、運転中の操作も前提とするために視点と手元を切り離して設置せざるを得ない車内用インターフェイスとしては、まずまずの完成度。このままでも十分使いやすそうだが、まだこれから発展の余地もあるに違いない。検索する際にはダイヤル上部のタッチパネルに指で文字を手書き、または音声認識機能によって入力を行える。

また、このシステムを搭載するA3 スポーツバックはクルマ自体がいわゆる"ホットスポット"と化し、無線LANのルーターとしての機能も果たすので、WiFi機能内蔵のタブレット端末やPCを持ち込めば、最大8台まで、インターネットに接続することが可能になるという。ちなみにこの3G回線は、ソフトバンクの通信網を利用しているそうだ。接続料金は最初の3年間分はナビゲーションの価格(税込み30万円)に含まれ、4年目以降は新たに契約・使用料を支払うということになるという。

価格は308万円から

新型A3 スポーツバックの価格は、1.4 TFSIが先代と変わらず308万円。COD付きは347万円。1.8 TFSI クワトロは先代の2.0 TFSI クワトロより70万円も安くなって393万円。S3 スポーツバックはやや値上げされ(パワーも上がっているが)544万円となっている。レーダーセンサーが前方車両との距離を感知し、アクセルとブレーキを自動制御する「アダプティブ クルーズコントロール」は全車に8万円のオプションとして用意される。このシステムは前方車両に追突しそうになっても、自動的に減速はするが停止まで機械が行うことはないそうで、「最後は人間が止める」が、アウディの考え方だそうだ。アウディは"ぶつからないクルマ"ではないのである。ぶつけない責任はドライバーに求められる。

この日の発表会では、女優の木村佳乃さんが登場。アウディ コネクトの手書き入力や音声入力を実際にデモンストレーションして見せた。クルマ選びで重視するポイントとして「安全性や利便性はもちろんですけれど、見た目もきれいなものが好き」と仰る木村さんは、会場に置かれたA3の赤いボディ・カラーを何度も褒めていらっしゃった。鮮やかなソリッドのレッドは、実はA3/S3に用意されているボディ・カラーで唯一、オプション料金が掛からずに選べる色でもある。

デリバリー開始は9月17日。1.4 TFSIのCODとS3 スポーツバックは少々遅れて11月になる予定だとか。詳しい情報は以下のリンクから公式サイトをどうぞ。

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