リバーシンプル社、水素燃料電池車のプロトタイプ「Rasa」を発表 2018年の市場投入を目指す

Rasaという名前はラテン語で"文字の消された石板、白紙状態"を意味する「tabula rasa」を連想させる。言い換えれば、一から見直したということだ。

▼写真をクリックするとスライドショーが開きます▼

daw-5853-560x315-1-1

Riversimple Rasa Hydrogen Fuel Cell Car Prototype

英国のリバーシンプル(Riversimple)社は、かつてAutoblogGreenの常連だったので、この名前に見覚えがある人もいるかもしれないが、2010年以降はさっぱり表立った動きがなかった。遡ってみたところ、水素燃料電池自動車の路上テストを行うという話と、同社がフィアットやアルファ ロメオに在籍していたデザイナーを起用したという話を最後に、音沙汰がなくなってしまっていた。

だが2月17日、ついに沈黙が破られた。ずっと研究開発を続けていた水素燃料電池車のプロトタイプ、「Rasa」を発表したのだ。Rasaという名前はラテン語で"文字の消された石板、白紙状態"を意味する「tabula rasa」を連想させる。言い換えれば、一から見直したということだ。

しかし、全てが刷新されたわけではない。2009年に発表された最初のコンセプト同様、Rasaも2人乗りで、丸みを帯びた形状もやや似ている。だが、それ以外には様々な変更がみられる。航続距離は300マイル(約482km)ほどで、車体には軽量なカーボンファイバー製モノコックボディを採用するという。どれほど軽いかいうと、モノコック自体は約40kgしかなく、車両全体でも約520kgほどだとか。パワートレインは8.5kWの燃料電池スタックに加えスーパーキャパシタを採用し、4輪に内蔵されたインホイールモーターを駆動。プロトタイプの段階で少なくとも60mph(約96.6km/h)の速度を達成している。もちろん、他のすべての水素燃料電池車と同じく、テールパイプからガスは排出しない。リバーシンプル社によると、このRasaを1km走らせるために必要な水素(H2)を、天然ガスから抽出する工程で発生するCO2の量は約40gとのこと。これは、燃費57.8km/Lのガソリン車が排出するCO2の量に相当する。

米ベンチャー企業のエリオ・モーターズ同様、リバーシンプル社は、いずれ"個人投資家に資金援助"を求める予定だ。2018年にRasaを市場へ投入するために、今年末までにはベータテストに使用する20台のプロトタイプを製作する資金が必要だと同社は述べている。実現するかはともかく、そういう計画を立てているそうだ。気になった人は公式サイトもご覧いただきたい。

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

【関連記事】

注目記事