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自分史を土器化する、可笑し(お菓子)な考古学教室

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私は、土器のかけらをクッキーにした「ドッキー(Dokkie)」というお菓子を作って、時々ワークショップなどをしているのですが、今度、「自分ドッキー」というものを作るワークショップを行うことになりました。

このワークショップでは、「自分を文様で表現すること、それを観察して読み取ること」を、土器片形クッキーを作ることでおいしく楽しもう!ということを目的としています。

なんでそんなことを土器片クッキーで??というと、
まず一つ目の理由は、縄文土器や弥生土器が、
"作った本人に由来する何かがたくさん詰め込まれた器"なんだと思うからです。

縄文・弥生土器の文様は、実は「地域や時期のまとまり」ごとに種類があるのですが、それは、あるまとまった人間の集団が、みんなで同じような文様を土器につけていた証拠です。しかも、社会的には、デザインの規格を作って大量生産を始める時代よりも前の時代のことなので、何らかの意味があってそうなっているのだと想像できます。

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地域や時期でいろいろに分類されている土器の文様(写真は全部クッキー)

人々のまとまりというのは具体的には、たとえば、自分達の住んでいる村だったり、あるいは出自だったり、とかそういうことですが、(当時の人が意識的にそうしていたかそうでなかったかは別にしても、)現代風に言うと、土器の文様は、なんらかの「自分のアイデンティティ」の表現だったと考えてもよいのかなと思うのです。

だから、今の私達も、「自分に由来する何かを文様化してみる」ということをしてみたらおもしろいんじゃないかな、と思ったわけです。

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たとえば、私は高校時代から画家の横尾忠則さんにとても影響を受けているので、横尾さんデザインのブローチを文様化してみました。

もう一つの目的は、「文様を観察してみること」ですが、これはつまり、上記が縄文・弥生人的目線なのに対して、考古学者的目線を体験してもらえたらと思ったからです。

土器というのは、土の中に眠っている間にだいたいバラバラに壊れたり砕けたり、あっちこっちに移動したりして、なかなか完全な姿では出てきません。
そのため、考古学の研究者は、しばしば土器の「かけら」から、その遺跡の時期や、そこの遺跡に住んでいた人々の性格を想像していきます。

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むむっ、この文様は・・・おぬし、この辺の者ではないな!

どんなに小さなかけらであっても、文様の大事な部分が残っていて、それが何に由来するものかが識別できれば、それは立派な(原始の)物的証拠、文化財なのです。
(よくある完形土器よりも、珍しいかけら一片の方が大事だったりすることもあります。)

だから、もう一つの目的としては、かけらに残された文様を手掛かりに、それを作った人のことを精一杯想像してみる体験も、おもしろいのではないかな、と思ったのです。

最後に、「じゃあ、なんでクッキーで?」という疑問が残るのですが、
それは、お菓子がコミュニケーションの道具としてとても適していると思うからです。

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お菓子(クッキー)は、作ったらだいたい誰かと分け合って食べます。
その場でシェアしたり、あるいは誰かへのお土産にしたりします。
「誰々のはこういう味でこれもアリだね」とか、「こういうの入れたらもっと美味しく(そして土器そっくりに)なりそうだね」、なんて話が生まれます。

ドッキー作りワークショップをしていて一番盛り上がるのは、オーブンからみんなのクッキーが出てきてそれが並んで、試食が始まる瞬間です。

食べられない(当たり前だけど)土器を作ることはどちらかというと、個人の作品制作という感じが強いですが、食べられる土器(ドッキー)を作ることは、もうちょっとみんなでシェアして楽しむ、という感じがします。

なので、以上のことをまとめると、「土器片クッキー作りを通して、お互いに自己紹介し合いながらお知り合いになりましょうよ!」というのが、このワークショップの趣旨だったりします。

以下は開催概要です。-----

シブヤ大学 授業 [ コミュニケーション ]
食べられる土器"ドッキー"をつくる!自分史を土器化する可笑し(お菓子)な考古学教室

日時 : 2016年11月19日(土)14:00〜16:30
教室 : 幡ヶ谷社会教育館
先生 : わたし
参加費 : 500円 定員 : 20名 参加対象 : どなたでも

※抽選予約受付 : 11/8 24時まで

※1:土器の文様にするための、あなたを表すもの、あなたの好きなものをお持ちください。(※立体物。クッキー生地に押し付けても自分が構わないもの)
※2:本授業の抽選は2016年11月9日(水)に行います。 (抽選予約受付は11月8日(火)24時までとなります。)
※3:抽選後、定員に満たない場合やキャンセルが発生した場合は、2016年11月18日(金)10時まで先着順でお申し込みを受付いたします。お電話、メールでのキャンセル待ちの受付はしておりませんのでご了承ください。

詳細: http://www.shibuya-univ.net/classes/detail/1211/

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抽選申し込み締め切りまでもう時間があまりありませんが、
よかったら来てください!(^_^)