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いよいよ就活、最終章。就活生のホンネを、インタビューした

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いよいよ、今年の就活生たちの最終面接が始まる。昨年は8月の炎天下、スーツに身を包み、面接に向かう学生たちが街にあふれていた。私もその中の一人だった。とても長くて、とても暑い、就活だった。

8月が面接解禁日だった昨年度から、更に変更された経団連の就活スケジュールでは、面接解禁日は6月1日。2か月前倒しになったスタートである。「3年生までは勉学に専念する環境を作るために」「就活前に留学に行ける学生を増やすために」。さまざまな願いを込めて実践されたはずのスケジュールは、当の2017卒の学生たちにはどう届いているのだろうか。

昨年のこの時期に書かせていただいた記事、「就活生のホンネを、就活生がインタビューした」では、マスコミ志望の学生をインタビューした。彼女は、長引いた就活に終止符を打ち、大学で取っていた教職を生かし、現在中学校の教師としてたのしそうに働いている。

◇◇◇


今回は、2017卒の学生にインタビューした。彼女は私の大学時代の友人である。本来2016卒の学生だが、1年大学を休学し、アメリカに留学していた。現在、絶賛就職活動中。志望業界は総合商社だ。「いま最終面接を目前にどんな気分?」と聞くと、「あっという間だった」という返答。2016卒の、長すぎた就活生の感覚とは正反対だ。


―――留学を決めたのはいつ?

同じ学年、2016卒の学生たちが、夏のインターンに応募を始めた2015年8月。このまま私は就活して就職していいのか?と冷静に考えました。このまま進んだら、全部がうやむやになってしまう気がした。長期的な目線で見たときに、今就職しなくても遅れるのは1、2年。いつかグローバルに働きたいと思っていた私にとって、将来的によりよい結果なのはきっと留学したパターンだって、そう決めたんです。


―――「グローバルに働きたい」って結局どういう意味ですか?

2年生のときにしていた長期インターンを通して、海外に行っても同じ土俵で戦える事業を作りたいと思いました。そのためには、留学が必須。いつかは就職した会社の留学制度を使って、大学院に留学したい。そういう将来的なことって、1・2年生の頃には考えもしなかったし、きっと想像もできなかったと思います。


―――たしかに、1・2年生の頃には、明確な目的を持った留学はできないかもしれないですね。留学はどうでしたか?

留学を決めたのは8月で、留学決定は1月でした。2015年3月に出発。そして一年後の2016年1月上旬に帰国しました。

いつか就職した企業の社内制度で大学院留学をするためにも、現地の大学で「単位をとること」が目標でした。


―――留学で身についたことは?

自立心。なにか困ったときに頼れるのは自分だけ。友達ができるまでは、シャンプーがなくなっても、歩いて2時間の距離にスーパーしかないから自分で解決するしかないんです。それに、全く文化が違う。「え」ということを平気でする人たちから、たくさんのことを学びました。


―――現地で、「就活」の準備はしましたか?

「日本に帰ってからでは、外資の就活が間に合わない」と焦っていたので、
10月に開催されるボスキャリ(ボストンキャリアフォーラム:ディスコインターナショナル社運営)へ行きました。エントリーは9月から。事前情報もあまり無い中、手当たり次第、気になるところにエントリーしました。


―――ボスキャリ、どうでしたか?

「早く行動したもの勝ちなんだな、就活って。」というのが感想でした。

9月からエントリーで11月から開始のはずなのに、早めにエントリーした企業から、すぐに電話かかり始め、電話面接を何回もした。ほぼほぼ出来レースだった。早く行動した方が目をつけられてもらえるんだなって。


―――日本に帰ってきて、同学年の友達たちは卒業、就職。どうでしたか?

まず8月に周りの人たちが内定したときに、祝福と同時に焦りも感じました。1月に帰国したときには、友人たちと久々に遊びつつ、2016年冬のインターンに応募。2社のインターンへ行きました。その合間で入るカフェとかで、隣に座っている知らない就活生の内定話を聞いたりすると、関係ないのに焦ったり。「みんしゅう」というサイトがあって、信ぴょう性が薄いのは分かっているけど、ついつい見てしまったり。やっぱり周りの動向は気になりました。


―――いろいろな情報に左右されてしまいますよね。一番つらかったのはいつ?

4月から5月の頭、一番悩みました。
この時期は、ちょうどエントリーシートを出す時期。一番ふわふわしているとき。とにかく、つらかった。「自分が本当にこの業界でいいのかという確信が無い」「悩んでいるのに、とりあえず行動しなければいけない焦り」...
周りの友人も、ちょうどこの時期に悩んでいる子が多かった。


―――エントリーしなきゃ、という焦り。だから手当たり次第エントリーしてしまう、そんな傾向にありますよね。

本当にそう。でも、5月の頭になると、エントリーが終わって、面接に行けるところ・行けないところも明確になって安心しました。


―――面接を目前に、今、どんな気持ち?

いよいよ、面接が始まる。超こわい。だけど、しょうがないよな、とふっきれています。


―――アメリカの就活制度については、どう思いますか?

アメリカは卒業してすぐに就職する概念がない。自分のペースで自分の行きたいところを決める。新卒という概念がないんです。気になる企業でバイトして、気が付いたら社長になっていたという友達もいる。そういうのがナチュラルだと思う。行きたいタイミングで行きたいところに行くのが、結果自分と社会のためになる。


―――今回の就活スケジュールの変更は、どうでしたか?

私にとっては、結果的にラッキーでした。でも、不確定のスケジュールには、さんざん振り回されましたね。
留学した当初は、就活スケジュールについて、さまざまな噂があって不安でした。しかし、結果的に6月が面接解禁になったおかげで、インターンもOB訪問も十分に行えました。

◇◇◇


彼女のように、今回のスケジュール変更の恩恵を受けた学生もいる。しかし一方で、最近の就活スケジュールが不安定すぎるからと、留学を諦めた友人もいる。企業の人事も、8月面接解禁のつもりで動いていたがために、今年は十分な採用活動を行えなかったと嘆いている声もあると聞く。

2018卒のスケジュールは?また4月面接解禁になるという話もある。学生を惑わすだけでない、企業の採用活動も惑わす、つまりは社会全体を混乱させることに繋がってしまう。

そして、ここまで大胆に就活のスケジュールを変更していくのにもかかわらず、就活制度自体の見直しはなされないのだろうか。

スーツ・黒・6月。全部が決められている不自然さ。説明会で、全員が同じ方向を向いて、同じ服を着ていることの不自然さ。新卒で、必ずストレートで就職しなければならない理由がどこにあるだろう。6月に面接が終わってしまうことのメリットがどこにあるだろう。

「新卒でストレート」の学生が評価されるのは、日本だけだと、海外の友人からよく言われる。韓国でも、しっかりと4年で大学を卒業した人よりも、卒業後にふらっと海外へ行き、インターンを1年してきましたという人のほうが評価される現実があるという。

そのような変化がすぐに生まれることは、制度的にも難しいことだと思うので、せめて、就活スケジュールは一定にしてほしい。


さあ、いよいよ2017卒の就活が終わりをむかえ始める。スーツを着て、ワックスで髪をかため、どこかへ向かうその人は、きっと就活生だ。

不安と期待でいっぱいだろう、だけど、満足いく結果を手に入れられますように。