最高裁の権威を損なう共和党の妨害行為には、もううんざりだ

自分が重要だと思うことを伝えよう。そして11月には投票に行こう。

今週、連邦最高裁判所は正常な機能を取り戻す。判事は、政教分離から知的財産、死刑に対する議会勢力の変更にいたるまで、重要案件の審理を開始するだろう。こうした案件の多くは、私たちの民主主義の根幹に関わる問題であり、選挙権や米国市民権の条件なども含まれている。しかし、判事が1人欠けていて危うい状態にあるにもかかわらず、議会の共和党は、最高裁にこうした極めて重要な問題を審議するように求めてきた。

自らを苦しめるような傷を負ったこの国で、最高裁判事の欠員は、より危険が増し、防御できなくなる。

私がメリック・ガーランドを最高裁判事に指名してから202日が経過している。これは過去40年間の候補者の平均と比べても、議会の聴聞会が開かれるまで5か月も長く待たされている。信任投票については言うまでもない。このような遅延は、ガーランド氏の人間性や資質とは何の関係もないことだ。通路の両側に陣取る上院議員の面々は、彼が優れたリーガルマインド(法律の実際の適用に必要とされる、柔軟、的確な判断)を持ち、熱意ある公僕であり、善良で最高裁判事にふさわしい人物だと理解している。

上院共和党のマコーネル院内総務は、大統領選挙が近づく中、最高裁は欠員の状態を維持すべきであると主張している。政界で立ち回る術を熟知しているのだろう。しかし、大統領選挙の投票日まで最高裁が欠員状態だったのは、1864年が最後だ。アメリカは南北戦争の真っ只中にあった。つまり、前例は関係ない。共和党が主導する、破綻した議会運営が問題なのだ。

共和党の上院指導部が私の指名を阻止し、1日1日が経つにつれ、司法体系全体が傷つけられる。最高裁判所は連邦司法制度の最後の砦であり、世の中にある最も重要な問題について常に審理している場所だ。今年6月には、すでに最高裁が行き詰まったのを目の当たりにしている。

決定票を欠く中、重要な移民制度改革が多数決をとれなかった。わが国の移民の立場が宙に浮いている。

ガーランド判事が優れた法律家たらしめているのは、正義が抽象的理論でないことを理解している点だ。正義は、国民の生活に日常的に関わる問題だ。共和党が瀬戸際戦略をとり続ける限り、アメリカはそのつけを払うことになる。国家としての基本的な仕組みは、あらゆるレベルで機能する司法制度がなくては立ち行かない。商業活動は妨げられ、生活は行き詰まる。近年損なわれてしまった公的機関に対する信頼を本気で取り戻そうとするならば、政治的動機や意図的な怠慢による最高裁の欠員を許すことはできない。

しかし最高権力におけるこのような機能不全も、さらに大きな事態の一部に過ぎない。

最高裁の審理を1年、もしくはさらに長期にわたって妨害することにより、共和党はアメリカ民主主義の中核をなす機関の1つを蝕んでいる。これを新しい常識にしてはならない。

共和党は長きにわたって、賃金の平等から移民制度改革、最低賃金の引き上げにいたるまで、私が提出・支持するあらゆる法案を退けてきた。さらに、銃の購入希望者に対する常識的な身元確認調査の拡大や、誰を愛し、誰を同一視しているかといった点での差別に対してアメリカの労働者に基本的な保護を与える法案もこれに含まれている。

議会の共和党指導部は、私の政権には協力しない姿勢を示してきた。しかしその過程で、自らの基本的な使命をも見失ってしまった。彼らは、自分たちが目指すべき目標すら達成できていない。共和党は、高賃金の雇用を重要視していると言う。しかし実際には、道路や橋、港、空港の改修する予算案の可決を引き延ばし、拒否することで、雇用を創出する絶好の機会を逃している。大規模なインフラの整備により、アメリカの労働者に仕事がもたらされ、ビジネスの競争力も向上する。しかし議会がそれを許さない。共和党の最大の優先事項の1つである税改革についても進展は見られず、薬物問題に対処するための重要な予算執行を遅らせ続けている。自らの選挙区で多くの住民が苦しんでいるにも関わらず、こうしたことを繰り返す。貧困についても多くを語っているが、有効な方法で対処しているわけではない。

多くの優先事項――それは政治信条に関わりなく、国全体に関わる問題だ――について、ワシントンの共和党議員は、進展よりも政治的駆け引きを選んでいる。

彼らの妨害行為は、政府がいかに機能すべきかという点に関して根本的な誤解があることを明らかにしている。メリック・ガーランドの指名を妨害すれば、政治的には1、2ポイント程度稼げるかもしれない。しかしそれはアメリカ国民を失望させる行為だ。最高裁の審理を1年、もしくはさらに長期にわたって妨害することにより、共和党はアメリカ民主主義の中核をなす機関の1つを蝕んでいる。これを新しい常識にしてはならない。意見が違うのは構わないが、240年にわたって堅実に持続され、世界で最も偉大な国の基盤となっている統治システムを守るために協力しよう。我々は、より良いものを追求しなければならない。みなさんは、より良いものを要求しなければならない。

だからこそ、みなさんが声を上げることが非常に重要となる。下院議員に電話しよう。上院議員にツイートしよう。自分が重要だと思うことを伝えよう。そして11月には投票に行こう。さらに次の選挙でも、大統領を決める選挙でなくても同じようにしよう。議会は最低限の役割として、憲法で定められた基本的な責務を果たし、さらにそれ以上のことを行う義務があるという明確なメッセージを送ろう。

私たちは、民主主義の根幹をなす仕組みを軽視することにより、生まれたての国から世界に知られる最大の国へと成長したわけではない。建国時の理念を忠実に守ることで、また、市民の発言権が保証されている場合のみアメリカの実験がうまくいくという理解に基づいて成長を成し遂げた。自らの役割を果たし、市民の代表者にも役割を果たしてもらおう。それこそが、アメリカ合衆国を完璧なものにするために私たちが行ってきたことなのだから。

ハフポストUS版より翻訳しました。

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