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與那覇潤

愛知県立大学日本文化学部准教授、日本近現代史

「日本」はいまどこにあるのか (親鸞仏教センターインタビューより抜粋)

政治には「正論」の矛をいったん収めることで、理屈を出したら調停不能になる争いごとに「落としどころ」を見つけるという側面もあるわけです。教条主義的に理屈で向かってくる革新陣営を、政治ってそんなもんじゃないよといなすのが、かつての保守政党の役割だったのですが、野党暮らしを体験した自民党にはもうその余裕がない。国民の側も、すべてが密室でうやむやになる55年体制の閉ざされた政治はもう勘弁と思う反面、たとえば改憲問題で原理主義的に突き進まれたら怖いな、という気持ちも持っている。その両者のあいだでの舵取りの仕方が、まだうまく見つかっていないように思います。
2013年09月13日 16時41分 JST

近代への郷愁? もしくは、『中国化する日本』はいかに誤読されたか

そういえばここ数年来、戦後復興から高度成長にかけての「進歩」を実体として想定しえた時代が、ノスタルジアとして日々消費されている。経済発展を主軸におく過去の美化には批判的な識者も、官邸・国会前への脱原発デモには安保や全共闘を重ね見て共鳴するらしい。
2013年09月02日 00時35分 JST

日本はなぜ変われないのか 新刊『日本の起源』の序文

本書は、いま私たちが生きている時代の起源を探して、「邪馬台国から(第二次)安倍内閣まで」の日本史を、東島誠先生と語り合った対話の記録です。いつから私たちは「こんな国、こんな社会」に生きているのだろう。どうしてそれは変わらないんだろう。そんな問いを一度、歴史学の知見から徹底的に掘り下げてみるために、古代から戦後までを六つの時期に区分して、時代順にたどる構成としました。
2013年08月30日 16時01分 JST

『中国化する日本』の教訓 新しい日中関係のために

いうまでもなく、ある歴史観が現実をうまく説明できないのだとすれば、それは現実ではなく歴史観が誤っています。そのためにこそ私は、西洋化ではなく「中国化」として自らのあゆみを振り返ろう、とわが国で提案をしたのでした。
2013年07月11日 18時19分 JST

『中国化する日本』中国語版の序文

西洋化という「理想」を、軍隊や資本の力さえ借りればたやすく実現できるという軽率さも、中国化という「現実」を、これ以上改善の余地のない理想の秩序そのものだと思いこむ傲慢さも、「われわれ」は共に回避しなければならない。
2013年05月30日 23時55分 JST