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世界の人々は二種類に分けられる

2015年07月10日 23時51分 JST | 更新 2016年07月09日 18時12分 JST
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さまざまな国とその国民を見てきたMay_Romaさん。いろいろな国のランチを観察して、世界の人々は「食事の美味しさに命をかける系の人々」と「生命が維持できればいいと系の人々」の二つに分類できるのではないかと考えたそうです。「命をかける系の人々」が支配する国の代表とは?

ワタクシは仕事中に色々な国の人のランチを観察いたします。周囲はそんなことをやってる人はあまりいない様なのでありますが、ワタクシは物好きというか、単に興味があるので、人様の机をこっそりのぞいたり、様々な国の社員食堂で人様が食べている物をこっそり観察しております。

ランチを観察していると、食に対する国民性というかお国柄がなんとなくわかります。いくら観察していても飽きません。

この観察を通し、世界というのは、食に対する態度を軸に、大体二つに分類できるのではないかと考える様になりました。それは「命をかける系の人々」と「生命が維持できればいい系の人々」の分類です。冷戦はとっくの大昔に終わりましたが、食を通した世界の二分化、イデオロギー、哲学、生き方の対立であります。

May_Roma(めい ろま)

神奈川県生まれ。ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連専門機関情報通信官などを経てロンドン在住。専門分野はITサービス管理、プロセス改善、 ITガバナンス、通信業界市場調査。シラキュース大学国際関係論修士および情報管理学修士。趣味はハードロック/ヘビーメタル鑑賞、漫画、料理。著作に『ノマドと社畜』(朝日出版社)、『日本が世界一貧しい国である件について』(祥伝社)、『日本に殺されず幸せに生きる方法』(あさ出版)、『キャリアポルノは人生の無駄だ』(朝日新聞出版)。海外居住経験、職業経験に基づく深い知見をもとに、@May_Romaとして舌鋒鋭いツイートで好評を博する。

Twitter:@May_Roma

美味しい食事に命を賭ける人々

まず、この分類に入る国の人々というは、ランチに限らず、「食べること」に命をかけています。いかにうまい物を食べるべきか、どんな食材を使うべきか、流行のレストランはどこかなど、とにかく「食べること」が人生の一部であり、会話の主要要素の一つであり、食べ物が酷いと鬱になるというような、食道楽というか、まあ要するに食い意地がはっているのであります。

さてこのグループに入る人々はどこか。あくまでワタクシの大ざっぱな分類でありますが、東アジアのほとんどの国、南米のほとんどの国、南欧、東欧であります。ええ、なんて荒い分類なんだと思われる方がいるかもしれませんが、観察した結果そうなんだからしかたないんです。

日本人も「何を食べるか」にはこだわる人々です。日本にいると気がつかないのですが、会社での同僚との会話、友達との会話、家族の会話において、大変重要な部分を占めるのが食べ物の話であります。テレビは食べ物番組が山盛り。会社においては朝から昼に何を食べるか、という話をしている人もあれば、今日はあそこの新しい店にランチに行きましょうよ、というのが普通であります。週刊誌やパソコン雑誌にも、なぜか食べ物紹介のコーナーがあったりします。(まあワタクシもそういうのを楽しみにしているわけですが)家族や親戚の集まりでは「食べること」が中心です。案外気がつきませんが、他の国だと会話や宗教行事が集まりの主題だったりするので、食べ物にはあまり重きを置かないことがあります。友達や同僚を家に招待して、水だけ出す人や、ピザだけで終わりというのはあり得ません。つまり他の国に行くとそういうことがあるということです。

日本人にわりと似ているのがイタリア人、フランス人、スペイン人、ギリシャ人、トルコ人であります。

熱烈な愛食心を持つイタリア人

その筆頭であるイタリア人は、恐らく最も食にこだわっている人々かもしれません。会話を盗み聞きしていると「この前はあそこの店に行って良かった」なんて話をしていたり、聞いてもないのに「お前、このオリーブオイルは最高だから試してみろ」と教えてくれたりします。聞いてないのに教えてくれるというおせっかいさんが大勢いるのです。自国の食を愛しているから、外国人にも美味しい物を食べてもらいたい。そういう心意気です。レストランで食事をしようとすれば、聞いてもないのに、ウェイターが「今日はこれを食べろ」「これはまずいから辞めろ」という強烈なおすすめをしてくださいます。これも食を愛するからこそです。

イタリア人は電話が大好きですが、朝から「マンマ、今日のパスタは何?」と夕食のメニューの話をしていたりするわけです。会話の内容は、人によりますけども、「食べ物6割+人の悪口3割+サッカー1割」、という感じかもしれません。

他の国の食べ物に対する興味や情熱も凄く、イタリアのグルメ雑誌を読みますと、日本蕎麦のことを書くために、いちいち記者が日本までいって、蕎麦の栽培方法まで取材していたりします。ズボラっぽそうなイタリア人ですが、食にかける情熱は、正直いって日本人以上です。

ワタクシがイタリアに住み始めたころ、イタリア人ボスが突然家にやって来たことがありました。何の重要な用事かと思いきや、手にはヤギのチーズと野菜の束が。「お前、今日はいい物が手に入った。このチーズに野菜をのせて食べなさい。うまいから」そう、重要な用事とは旬のチーズと野菜とその食べ方なのでした。その後も、顔を合わせれば「魚介類のパスタにチーズをかけてないだろうな。そんなことをするのは犯罪だからよく覚えておくように」「コーヒーはコレジャナイとダメだから」「春はアバッキオの季節だ。だから今夜はアバッキオを食べなくてはいけない」(アバッキオとは乳飲み子羊のグリル。子羊は春に生まれるので、春が旬の季節なのです)などなど。

皆さん、こんなチャーミングなボスが日本にいるでしょうか?

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谷本真由美(@May_Roma)

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2014-01-31


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