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「卒東京」で人生が変わった。地方ベンチャーに学ぶ、地域でクリエイティブに働く方法

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東京でも地方でも、自分の道を切り拓いていける。2016年11月21日、ローカルベンチャーラボが開催したイベントには、宮城県石巻市、気仙沼市、徳島県上勝町からユニークな働き方をしている3名が渋谷に集結。それぞれの地方でクリエイティブに働く彼らの熱いメッセージをレポート。


地方で”クリエイティブ”に働くという選択肢


「スローライフ」「Uターン」といった言葉を耳にする機会が増えた昨今。「地域で働く」という選択肢はより身近に感じられるようになった。事実、全国から魅力的な人が集まり、活性化している地域も増えている。眠っている資源の価値を発掘する人や、異なるものを組み合わせ、革新的なサービスを創造している人もいる。

全国で盛り上がりを見せる「ローカルベンチャー」を支える「ローカルベンチャーラボ」は2016年11月21日、TWDW2016サテライトプログラムとして「卒東京のキャリア論 -“地域でクリエイティブに働く“という選択肢」を開催した。登壇した3名は地域で活動しているイノベーターたち。宮城県石巻市からイトナブ 古山隆幸さん、徳島県上勝町からNPO法人ゼロ・ウェイストアカデミー 坂野晶さん、宮城県気仙沼市から認定NPO法人「底上げ」 成宮崇史さんが、それぞれの地域をテーマにした仕事論を展開した。

「みなさんにとってそもそもキャリアってなんですか?もし、履歴書の経歴を増やしたいなら、地方にいくのは違うのかもしれません。だけど、わたしにとってキャリアは履歴書ではなくて。本当に自分がしたいことはなにか? 一緒にいたいひとは誰か?自分に問いかけて、道を切り開いていくこと。それが叶うなら、住む場所は東京じゃなくてもよかったんです(坂野さん)」

それぞれの場所で、自らの道を切り拓いてきたイノベーターたち。地域でクリエイティブに働くとは?彼らの仕事観をお届けする。

※2016年11月21日に開催された「TWDW卒東京のキャリア論 -“地域でクリエイティブに働く“という選択肢-」のレポート記事です。

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<プロフィール>
◎古山 隆幸/一般社団法人イトナブ石巻代表理事
◎成宮 崇史/ 認定NPO法人「底上げ」理事
◎坂野 晶/NPO法人ゼロ・ウェイストアカデミー理事長


地域のつながりとともに生きる


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認定NPO法人「底上げ」成宮崇史さん

まず認定NPO法人「底上げ」で理事を務める成宮さんのお話から。震災後、2011年8月からボランティアスタッフとして気仙沼市で活動をしていた成宮さん。半年で帰る予定が、現地で暮す方々の思いにふれ、活動を続けることを決意。仲間と3名でNPO法人を立ち上げ、子どもたちの居場所づくりや、現地高校生たちの郷土愛や主体性を育む活動を通じて、地域の活性化に貢献しているとのこと。地域で働くなかで、どんなことにやりがいを感じているのだろうか?

地域の方々から直接ことばをいただくことが多くて、「自分の役割はここにあるんだな」と感じられることがうれしいです。地域の人に「本当に子ども達の居場所をつくってくれてありがとう」と言葉をいただいたり、その地区の会長さんや市の方々の評価も直接返ってきます。自分達のやっていることは、確かに誰かのためになっているんだと思えるのは、大きなモチベーションになっています。


暮しも仕事も境目なく、地域と関わる


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NPO法人ゼロ・ウェイストアカデミー 坂野晶さん

続いてNPO法人ゼロ・ウェイストアカデミー理事長坂野さんのお話。坂野さんは国際物流会社DHLのフィリピン法人に営業として入社。2年間にわたり世界中とやり取りをしながらサービスを提案する。その間、学生時代の上勝町出身の友人の影響でゼロ・ウェイストに興味を持ち、2015年からNPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーに参加。グローバルからローカルなキャリアへと転身した坂野さんは、「地域で働くこと」についてどのように捉えているのだろうか?

暮しも仕事もすべて地続きになっているように思いますね。平日事務所に行って仕事をするだけじゃなくて、土日はなにか地域のイベントがあったら手伝いに行ったり、ときには一緒に農作業をすることもあります。生活をする上でも、仕事を前に進めていく上でも、暮らしも仕事も境界線なく地域の人たちと関わっていくことが大切ですね。そんな環境をおもしろいと思えるかどうか。逆に「自分の役割はこれ」と割り切って、限定的に仕事を完結させてしまう人には向いていないかもしれません。


自分の想いを起点に、地域で仕事を生み出していく


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イトナブ代表・古山隆幸さん

続いて一般社団法人イトナブ代表古山さんのお話。古山さんは高校卒業後、地元石巻を離れ埼玉の大学に進学。ITに出会い、東京でそのままWeb系の会社を設立。東日本大震災を機に、2012年から地元・石巻を拠点に活動するイトナブという団体を設立。小学生から大学生を対象に、プログラミングやアプリケーションについて学べる環境を提供しているそうだ。4年間にわたり、ゼロから事業をつくり活動を広げてきた古山さんは、地域だからこそ挑戦できたことがあると語る。

能力がないと稼げないというのは首都圏の話であって、地方だとどんなことでも仕事になります。地方で雇用を探すなら、選択肢は限られていますが、「この地域でこれがしたい」という自分の想いさえあれば、誰でも“こと”を起こすことができるんです。

ビジネスが集中する首都圏、特に東京などにおいては、スキル“さえ”あれば仕事は自ずと舞い込んでくる。しかし、地方においては、自分たちでビジネスを生み出していく主体性がなければ、たとえスキルがあったとしてもクリエイティブな生き方は難しい。そういった意味で、“こと”を起こす気概がある方にとって地方は魅力的なフィールドと言えるだろう。事実、イトナブ古山さんは、以下のような面白い“こと”をしているようだ。

うちはIT系の中でも面白い仕事をしている方だと思います。わかりやすい例で言うと、Rhizomatiksとプロジェクトマッピングの企画をしたり、teamLabと仕事したり、「Reborn-Art Festival」でap bankの小林さんや桜井さんと一緒に活動もしています。実は地方とつながって何か新しい取り組みをしたいと考えている企業も多くて、僕らが地方で活動しているからこそ挑戦できることがたくさんありますね。


居心地のいい空間から、一歩踏み出そう


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最後に地域で働くことに興味がある方への登壇者からのアドバイスを紹介しよう。まず坂野さんは、以下のように述べている。

私が大事にしている言葉に、"Life begins at the end of your comfort zone"というのがあります。人生は居心地のいい空間を一歩踏み出したところから始まる、という意味で。なにか新しいことを始めるときってどうしても苦痛を伴うのですが、そこを勇気を出してまず一歩踏み出してみてほしいですね。

地方で働く選択をすることは、キャリアを捨てることだと思っている人もいるかもしれません。でも、そもそもキャリアってなんでしょう?もし、履歴書の経歴を増やしたいなら、地方にいくのは違うのかもしれません。本当に自分がしたいことはなにか? 一緒にいたいひとは誰か?キャリアは、自分自身に問いかけて、道を切り開いていくことだと思うんです。それが叶うなら、住む場所は東京じゃなくてもいい。

次に成宮さんは、こうアドバイスしている。

ここで生きていくという覚悟を持った上で、その土地で自分がどう生きていくのかをしっかりイメージすることが大切だと思います。できれば自分が本当にわくわくし続けられる明確な軸があった方がいいですね。

最後に古山さんはこう締めくくった。

僕は若い子たちによく、“地球の中心は自分なんだよ”って伝えています。誰かが地球をまわしているんじゃなくて、みんなが自分の地球を回しているんです。能力がないとか、他のひとに比べて自分にはちゃんとした想いがないとか、そんなのじつはどうでもいいんです。自分が「ここで何かしたいなと思ったら、フラッとそこに行って、フラッと居続ける。だいたいみんなそんな感じです。まずは0.5歩でも、1歩でも歩いてみることが重要だと思います。

まずは興味のある土地に足を運んでみるのもいい。イベントに参加するのもいい。きっと、きっかけはどこにでも転がっている。動きながら考えていけば、いつか好きな地域で理想の生き方ができるのではないだろうか。


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