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"読まれる文章"はこうして生まれる。ニートからWEBメディアの寵児に登りつめた著者に聞く

まとめ職人、ブロガー、編集者としてヒット企画を量産する鳴海淳義氏。大学卒業後はハローワーク経由でメーカーの配送梱包作業員からキャリアをスタートさせたという。
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WEBメディアの記者、編集者でありながら個人ブログでの発信やダイエット本をリリースする鳴海淳義氏に、これまでのキャリアと個人活動をテーマにインタビュー。さらに個別質問を一問一答形式で伺いました。

【Profile】

鳴海淳義 Atsuyoshi Narumi @narumi

早稲田大学文学部卒。スポーツ用品メーカーに勤務の後、ジャパンインターネットコムの記者に。CNET Japanを経て、LINEでブログメディアやニュースアプリの編集に携わる。現在はログミー。

【著書】

やせたいならコンビニでおでんを買いなさい(日経BP)

メーカーの配送梱包作業員からスタートした@narumiのキャリア

― 鳴海さんはもともと記者や編集者になりたかったんですか?

子どもの頃から言葉で話すよりも文字で何かを伝えることのほうが得意でした。高校、大学の頃は「そうなれたらいいな」くらいに思ってました。

ただ僕が最初に就職したのって、大学卒業後のニート時代にハローワークで見つけた近所のスポーツ用品メーカーなんです。おばちゃんと一緒に配送梱包作業なんかをしてました。それはそれでとても穏やかで楽しい毎日でした。

― 意外です...!それから記者になったきっかけは?

ある日、そこにSEO会社の営業マンがやってきて、「おたくのサイト、検索エンジン対策とかしないとダメだよ」とか言われて、ものすごく衝撃を受けました。「まったくよくわからないけど、いまの世の中そうなってるんだ!すごい!」って思ったんですね、当時の僕は。

それがきっかけでインターネットの仕事もいいなと思いはじめて、編集とか出版にも興味があったのでウェブメディアとかいいんじゃないかと。いろいろ探してみて、未経験でも募集していたjapan.internet.comというニュースサイトに記者として入社しました。2004年のことです。

― そしてCNET Japanの記者を経て、2011年にライブドア(現LINE)へ。記者からポータルメディアを運営する企業に行かれた理由はなんだったんですか?

振り返ってみると2つ理由があったと思います。ひとつは記事を作る以外に読者に記事を届けるような仕事をしないといけないと思ったこと。もう一つはブロガーの存在です。記者会見の場にもブロガーの人が目立ってくるようになって。表現が適切かはわかりませんが「プロを超える素人」がいるのであれば、記者としての自分はいらないんじゃないかと思いはじめてました。

― 危機感みたいなものがあったと?

記者としての危機感はあったと思います。ただ一方で、仕事だからやってるプロの記者が書く記事よりも、その分野が本当に好きな人が運営するメディアに読者は集まってくる雰囲気に対しては、とてもいいなと思っていました。むしろそれが一番いいんじゃないかと。

ライブドアに入社してからは、BLOGOS編集部やLINE NEWS編集部などに所属して、どちらかというとコンテンツを読者に届けることに試行錯誤し続けていました。

― 今年春にはLINEを退社され、ログミーでWEB編集者として新しいチャレンジを続けてらっしゃる印象です。

新しいチャレンジってわけではないんですが、ちょっとずつ違う人間になりたいというか、違う仕事をしていたい...という感じなんです。同じ環境にいても自分が向上心を持って変化していければいいと思うんですけど、僕みたいな人間は、ちょっと無理やりにでも環境のほうを変えたほうがいいんじゃないかって。

あとは記者と編集者という職種間の揺れ戻しがあったんですね。僕はやっぱり根っこのほうで記者、というか一次情報の作り手でいたいなと。ライブドアに入社した時に危機感を覚えてた「記者が淘汰されるかもしれない」という可能性はおそらくゼロでしょう。全く別物なんだなと、いまは思います。

いま、書き手のニーズがすごく高いですね。一方でキュレーションメディア、バイラルメディアには風当たりが強いようです。それとは直接は関係ないですが、個人でまとめを作り続けて、「narumi=まとめ職人」って認識されちゃうのも偏ってるかもなと。

なのでコツコツと一次ソースからモノを作る姿勢を打ち出したいとか考えているのかもしれないですね。自分でも曖昧ですが。

個人的にはこれまでWEBメディアの記者、編集、個人メディアの運営をやってきて視野も広がってきたと思っていて。まあいろいろ試してきて結果的には良かったんじゃないかなという感じです。

「実験」してみる感じを忘れない

― 鳴海さんにぜひ伺いたかったのは、会社員ブロガー、NAVERまとめ職人の一面です。継続的に記事を出されて、本まで出版されましたよね。個人活動のきっかけはなんだったんですか?

まずやったのはNAVERまとめでした。当時ライブドアに入社する前に、自社サービスを試しに使ってみようというのがきっかけです。なので、ことさら力を入れて「個人活動」みたいにはじめたわけではなかったんです。

でも自分でもびっくりするほどすごいPVが集まって、記者時代とは違う記事の作り方に楽しさを覚えました。記者時代は企画を立てて、取材に行って、記事を書いて、掲載して終わりだったんですが、まとめは純粋に自分の視点とアイデアだけでコンテンツの形を作り出せる。

探してきたパーツを組み合わせて、ある視点を演出するだけ。自分の着眼点がつまらなければダメですし、よければ大きな反響に繋がる。編集というふんわりした概念の良い実験、勉強にすごくなるなと思いました。NAVERまとめは2010年代のウェブコンテンツの在り方をまるっきり変えてしまったお化けサービスじゃないですか。

― 2013年にスタートしたブログではバナー広告やタイアップ記事の販売まで手掛けています。

livedoor Blogで「blog.jp」というドメインが無料開放されたタイミングでなんとなく作ったブログです。自分のブログは更新頻度や書き方も自由で、なんでも実験できるので楽しいです。好きなこと、気になることを日記のように書いてるだけですね。

タイアップ記事はどれくらい需要があるのかわからずはじめたものですが、ブログを続ける上でメリハリを付けるのに有効です。やっぱりお金をいただいて書くので、普通の記事よりも力を入れて書きますし、メディアの個性も出るので楽しんでやっています。別に売れてないですけどね(笑)

@narumiさんへの一問一答

鳴海さんに気になる質問を一問一答形式でお答えいただきました。

Q.1日の過ごし方は?

鳴海:8時に起きて10時くらいから21時頃まで仕事して、最も意識が高い日はジムに寄って運動して、さらに走って帰る。最もダメな日は居酒屋で酔って、さらにコンビニ前で缶のハイボールを飲む。

Q.普段の情報収集方法

鳴海:人から聞いたり、実際に見に行ったもの、あるいはたまたま見かけたものなどを大事に、忘れないようにする。ぶっちゃけニュースアプリやRSSリーダーとかはほとんど使っていません。でもLINE NEWSはLINEのメッセージに届くので愛用してます。

Q.ブログのネタはどこから?

鳴海:iPhoneの写真フォルダから適当に引っ張りだしてます。

Q.ブログの執筆方法は?

鳴海:livedoor Blogのアプリにメモ代わりに下書きしておいて、写真とかキャプションを入れるだけ。寝る前とか通勤中に1時間くらいで書く。

Q.よく使うWebサービスやアプリは?

鳴海:LINEとかデフォルトのカメラアプリやメモアプリなど特に変わったものはないです。あとVINEも好き。何かを記録するのが好きです。

Q.最近気になっていることは?

鳴海:Wii Uはもちろんゲーム機をまったく持ってないんですけど、なんかSplatoon(スプラトゥーン)って楽しそうですね。あと声がいいので、Podcastをやってみたいなと思っています。

Q.自分のことをどんな人間だと思っていますか?

鳴海:運がいい人間。

[取材・文]松尾彰大

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