乳がん治療はどのように変化しているか

乳がんの治療は20年前と比べ、がらりと変わりました。

新たな知見により、徐々に進化してきている乳がんの治療。現在行われている最新の治療方法とは?

◆乳がん治療の変化

乳がんの治療は20年前と比べ、がらりと変わりました。かつては身体の中にできた悪い細胞を、一度に確実に取り除くことが根治への近道と考えられていたため(Halsted理論)、手術療法が中心的役割を担っていました。しかし最近では、乳がんは局所から全身へと段階的に進展するのではなく、あるものは比較的早い段階で全身へ広がっている可能性があることが分かってきました(Fisher理論)。つまり、手術で局所のがん細胞を完全に取り切れたと思っても、目に見えない微細ながん細胞が全身に広がっている可能性があるのです。

現在は局所的な治療の手術療法や放射線療法に、全身的な効果が望める薬物療法(化学療法、ホルモン療法、抗HER2療法)を加えて、乳がんを根絶させる治療が行われるようになりました(集学的治療)。手術では必要以上に大きく切除する必要はなくなり、現在の手術は縮小化されつつあります。

◆薬物療法の選択

薬物療法も5年前に比べてがらりと変わりました。以前は、乳がんがどの程度広がっているか(病期TNM分類)だけで、薬物療法を決めていました。しかし最近は、乳がんのなかでも顔つきが良いものから悪いものまであることが分かり(がんなので顔つきが良いと表現するのもおかしいですが)、その種類によって治療方針が決定されるのです。現在、乳がんは大きく5種類に分けることができ、それぞれ有効な薬物療法が異なります。そのため、どの種類の乳がんなのかを見極めることがとても重要となるのです。

これらの最新の薬物療法を行うことにより、再発率の低下・生存率の改善が得られ、これまで乳がんが進行しているため治療を諦めざるをえなかった患者さんも、治療の対象になってきています。

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【医師プロフィール】

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小関 淳 乳腺外科

資格:医学博士、日本外科学会外科専門医、日本乳癌学会認定医、がん治療認定医、

検診マンモグラフィ読影認定医、臨床研修指導医。

東京都出身で2004年日本大学医学部卒業後、初期臨床研修医を経て、2006年同大学乳腺内分泌外科教室に入局。2010年同大学生化学教室大学院卒業し医学博士学位取得後,埼玉県北部の本庄総合病院に出張となり、乳腺外科を開設し外科医長となる。2015年4月よりお茶の水にある新病院の日本大学病院の乳腺外科へ異動となり現在に至る。女性医療クリニック・LUNAグループでは、2009年11月より、乳腺外来を開設。

http://www.luna-clinic.jp/