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頭皮が硬いと薄毛になるって本当?

2015年05月28日 14時03分 JST | 更新 2016年05月25日 18時12分 JST

「頭皮が硬いせいで薄毛になる」と聞いたことはありませんか? 美容室や育毛サロンのカウンセリングでそう言われたことがある方もいるかもしれません。これは本当なのでしょうか?

         

実は、そもそも頭皮に「硬い」も「柔らかい」もありません。厳密に言えば男性型脱毛症が進むと、薄毛になった皮膚の一部が繊維化して若干硬くなることはあります。しかし、この程度の繊維化は指で触っただけでは分かりません。

頭皮が一部ほんの少し硬くなることあるとすれば、男性型脱毛症が進行した結果であって、頭皮が硬いから男性型脱毛症になるということはないのです。

髪にまつわる都市伝説は意外にも多く、「毛深いとはげる」、「辛いモノを食べるとその刺激ではげる」、「抜け毛を防ぐツボがある」など......これらは科学的根拠のないうわさでしかありません。

抜け毛は命に関わる病気ではありませんし、皮膚科学の中でも毛髪科学の基礎研究や臨床研究は遅れをとってきました。そのため専門書も少なく、正しい認識もされないまま、人々は市販の育毛剤や育毛サロンに頼ってきました。

今もなお、ネット上には育毛サロンや育毛グッズなどの過大広告が多数見受けられます。髪でお悩みの方々がそういった広告に惑わされ、正しい治療を受けられないという現状に、我々は頭を悩ませています。

育毛サロンの中には、専門グッズ等と称し機械や商品を勧め、結果的に高額なローンを組ませている所も、いまだ多く見受けられます。ただし、専門医師の立場から言わせると、サロンや育毛グッズで髪の毛を生えさせるというのは難しいでしょう。

今では、毛髪科学において「なぜ髪が抜けるのか」、科学的に解明されています。そのメカニズムから言えば、薬以外で毛は生えませんし、根本的な抜け毛の予防もできません。2005年からは男性型脱毛症の治療薬フィナステリド錠「プロペシア」が病院で処方されるようになってきました。残念ながら、AGAの治療でまだ保険の適応になるものはありませんが、その当時、飲んで発毛を促す薬は画期的なものでした。

現在は、フィナステリド錠だけではなく、より相乗効果を期待できる薬「ミノキシジル」なども取り入れる医療機関が増えてきました。それに加えて、頭皮に直接有効な成分を注入していく育毛メソセラピーという治療法も浸透してきました。

また成長因子や幹細胞による効果など、AGAの治療に関する研究は猛スピードでなされています。

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【医師プロフィール】

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高橋 栄里 美容皮膚科

1999年藤田保健衛生大学卒業後、都内および神奈川の大学病院にて外科系を中心として形成外科、皮膚科、麻酔科、救命救急医療などを習得。

その後、大学病院および関連病院にて一般皮膚科・美容皮膚科外来を担当し、美容皮膚科クリニックの院長就任経験をもつなど、美容皮膚科領域においても数多くの症例をこなした。

某大手AGA専門クリニック院長に就任し、AGA統括指導医として活躍後、東京神田にてAGA専門クリニックを設立。

現在、麻布ビューティークリニック(注入専門の美容皮膚科)兼任、注入治療のエキスパートとしても活躍中。また、美容皮膚科医としてスキンケアの指導にも定評がある。