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ぼくらのメディアはどこにある? サイボウズ式と現代ビジネスが探しに出ます

2015年08月09日 15時37分 JST | 更新 2016年08月06日 18時12分 JST

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企業メディア「サイボウズ式」は2012年5月に始まり、丸3年が経ちました。その間、チームワークや働き方(ワークスタイル)のテーマを追いかけ、メディアとして情報を配信してきました。この過程を経て改めて生じた疑問。それは「メディアって、そもそもなんだろう?」ということ。いわば答えのない正解を探している状態かもしれません。

そんなサイボウズ式とタッグを組み、一緒にこの疑問を掘り下げてくれるメディアが現れました。講談社のニュースメディア「現代ビジネス」です。7月23日、2社でブランデッドメディア「ぼくらのメディアはどこにある?」を開始します。

既存のメディアのちょっと外側に出て、個人の体験、場所、企業といった新たな場所にあるメディアを探しに行ってみます。今回一緒に「メディアとは何か?」を探求してくれるのは現代ビジネス編集部のみなさん。サイボウズ式 編集長の藤村とともに思いを語ります。

「メディア=マスコミ」から「メディア=サービス・人」へ

藤村:ぼくらのメディアはどこにある?」がいよいよ始まりますね。その名の通り、既存のマスメディアの外側に新しいメディアがあるのではないか? ということを掘り下げていきます。そもそもみなさんにとって、メディアとは何でしょうか?

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ぼくらのメディアはどこにある?

佐藤:僕は18歳で上京するまで、新潟・佐渡島に住んでいたこともあり、メディアの原体験はTSUTAYAとテレビでした。本や映画、音楽などのコンテンツにふれられる場所はTSUTAYAしかなくて。遠方で月1回くらいしか行けなかったので、基本はテレビでした。クラスメイトとの共通の話題になるのはテレビネタが多かったです。

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佐藤慶一さん。現代ビジネス編集部。1990年新潟県佐渡島生まれ。大学時代にNPO法人greenbirdでは広報、NPO法人グリーンズでは「greenz.jp」のライターインターンを経験。その後、コンテンツマーケティングを手がけるメディア企業で編集アルバイトを経て、Wanterdlyでたまたま見つけた求人から講談社「現代ビジネス」の編集者になる。メディア関連では「デジタル・エディターズ・ノート」という連載をもつ。2013年から海外のメディア動向を伝える個人ブログ「メディアの輪郭」を開始(英語学科出身だったことが奇跡的に活きている)。ブログはBLOGOSやハフィントンポスト日本版、Fashionsnap.comなどにも転載されている。これまで非営利・営利、大小さまざまなWebメディアで経験を積んできましたが、今回の特集を通じてメディアや編集の前提を疑いながら、新しいメディアの捉え方をしていきたいです。眠そうな顔をしています。

藤村: 「メディア=媒介」という意味合いですね。当時の佐藤さんにとってはメディアは媒介そのものだったのでしょうか。

佐藤:媒介であり、共通項を与えてくれるものでした。同じアーティストや芸能人が好きだと、親近感をおぼえたりもしましたね。昔の話ですし、田舎という土地柄だったので、興味や関心も細分化されていなかったと思います。だからマスメディアが機能していたのでしょう。

徳:私も田舎出身なのでその気持ちはわかります。佐渡よりは都会かもしれませんが......。

佐藤:ちょっと下に見てませんか(笑)。

徳:そんなことないですよ(笑)。当時はメディアを見て「こんな世界があるんだ」「こんな考え方があるんだ」と新しいものを発見できる楽しさを感じていました。例えば、伝記やエッセイを読んで、「こういう生き方や考え方があるんだ」と感銘を受けて、それが自然と行動につながっていたこともあったなぁと思います。

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徳 瑠里香さん。 現代ビジネス編集部。1987年愛知県生まれ、慶應義塾大学卒業後、ディスカヴァートゥエンティワンに入社。1年目は営業として北陸の書店をめぐり、2年目から編集部へ。はじめての編集担当本として、25歳のときに25歳以下の若者に新しい働き方を提案する「U25 Survival Manual Series」を勢いで創刊。10冊を等身大で企画・編集、ときどきライティング。26歳になったこともあり(!?)、WEBの編集もやってみたいと講談社「現代ビジネス」編集部へ。メディアについては佐々木俊尚さんの連載を担当。本やWEBといったメディアの枠を超えた編集のかたちを本企画で模索中。佐藤に「男前ですね」と言われます(がそんなことはない、と思う)。

徳:たとえば上京しようと決めたのも、メディアの情報にふれて「東京には面白そうな人たちがいるから、このまま地元にいてはダメだ」みたいな思いが生まれたから(笑)。そういう意味では、メディアから大きな影響を受けてきましたね。

佐藤:すごくわかります。

徳:今は「メディア=人」だと感じています。面白い人とたくさん出会ってきたので。もちろん田舎にも面白い人はいますが、東京は人口が多いぶん、さらにたくさん面白い人が集まってきていると思うのです。今は編集の仕事を通じて、読者にも「こういう面白い人がいますよ」と、人と人とをつなぐことを意識していますね。

瀬尾:編集者になったばかりのころは「メディア=マスコミ」のようなイメージがありました。でもインターネットの普及に伴い、このイメージは変わってきましたよね。マスとは違うミディアムなメディアが続々と誕生し、個人までもメディア化して個人ブログやSNSで情報発信できる環境が整ってきました。

昔は情報発信をするには、評論家やジャーナリストになって、マスコミを通じてものを書くしか道はなかったわけです。あるいは政治家になるとか。でも今は自社サービスを通じて世の中を変えようとしている、一般の起業家も影響力を持ち始めていますから「メディア=サービス」とも考えられます

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瀬尾傑さん。講談社 第一事業戦略部部長 兼 現代ビジネスGM。1965年生まれ。同志社大学卒業。日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社後、経営企画室、日経ビジネス編集部などを経て、講談社に転職。週刊現代、月刊現代編集部などで副編集長、編集次長として活動。2010年、日本ではじめての本格的政治・経済専門Webサイトとして『現代ビジネス』を立ち上げ、編集長に就任。2015年6月より現職。

藤村: 「メディア=マスコミ」ではなく、「サービス」なのですね。

瀬尾:ええ。今はあらゆるものがジャーナリズム化した時代だといえるでしょう。ジャーナリズムの浸透と拡散が起きていると思います。

一方で、昔のマスメディア的なジャーナリズムはどんどん衰退しています。それは裏を返すと、情報発信する人であれば企業か個人かにかかわらず、間違った情報や誹謗中傷などを発信してしまった場合には、責任を負わなければならない、ということ。今後そういった価値観はあたりまえになり、情報に対するリテラシーも高まっていくと思いますね。

では、あとは若いお二人に任せます(笑)。

藤村: ではここからは徳さん、佐藤さんに伺っていきます。

情報を届けるメディアのスタイルは何でもいい

藤村: 現代ビジネス編集部は、いわばメディアの最前線ですよね。ここで仕事をされながら「ぼくらのメディアはどこにある?」を始めるにあたり、今挙げていただいたメディアのイメージや原体験に変化はありましたか。

佐藤:僕は変わっていないですね。というより、今回の企画の趣旨である「人や場所がメディア化する」という点がとてもしっくりきています。

僕がメディアに初めてかかわったのは大学生のときで、それが非営利メディア「グリーンズ」でのライターインターンでした。グリーンズではイベントを開催することも多く、場づくりもメディアの役割なのだなと、学生時代から考える機会があったのです。そんな経緯があるので、メディアとは何かという言語化しづらいものを示す、貴重な機会をいただけたなと。

徳:力強いね。

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時おり素の表情になる佐藤さん(左)

佐藤:現代ビジネスにいると良くも悪くも、旧来のメディアやジャーナリズムの価値観に引っ張られがちです。だから今回まったく新しい方向で、自由にチャレンジできるのは新鮮で、お話をいただいたとき、僕たち大喜びしましたよね。

徳:確かに。私は佐藤くんの3ヶ月後くらいに現代ビジネス編集部に加わり、そろそろ2年になります。ここにきて感じるのは、Webだけではやはり限界があるということ。メディアの形式は何でもいいのでは、と思うようにもなりました。

「こんなに面白い人がいる」「こんなに楽しいことがある」と伝える手段は、文章を書いて編集するだけではないだろう、と。何かを体験したり、街や店に行って人と話したりするのも1つのメディアです。そうとらえてみると、自分たちのできることはさらに広がっていくのではと思います。

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時おり真顔になる徳さん(右)

佐藤:そもそもメディアの定義が変われば、それに見合うコンテンツの価値やあり方も変わるはず。そうなると編集職能も変わらざるを得ないでしょう。これはある種のチャンスでもあります。

新企画でこれからのメディアが見つかれば、それに適応できる経験を積むことで、上の世代の編集者とは違う価値を発見できるようになるかもしれません。

情報に「温度」を加えると受け取られ方が変わる

藤村: この「新しいメディアの発見」を、若い世代の方とやりたかったのです。もともとは私が佐藤さんのブログ「メディアの輪郭」に興味を持ち、ご相談したことから話が進んでいったのですよね。

今の私よりももっと若い世代が感じていることのほうが正しいかも。それって本当かな? というシンプルな思いを掘り下げていけたら良いなと思っています。なので、お二人の「まだ答えがわからないけれど体当たりで探りに行く」みたいな姿勢はとても大事だなと。

ちなみにお二人と同年代の知人に「メディア=人だよね」とか「メディア=場所だよね」みたいな話をすると伝わるものですか。

佐藤:そこは意識していない人が多いと思います。たとえば「バカッター」なんて言葉も出てきましたが、自分の生活自体がメディア化していることに対する自覚のなさが、残念な行動につながるケースは多いのかなと。

いろいろなものがメディア化して浸透していくと、各自が発言の責任を負わねばならないなど、良い影響も悪い影響もあると思います。それに気づいている人とそうでない人に分かれてきているのではないでしょうか。

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でもこの二人、めっちゃ仲がいいんですよ!

徳:「情報を得よう」と意気込まなくても、あたりまえのように情報が入ってくる時代です。でも、このネット時代、すべてのメディアが裏取りされた確かな情報を出すわけではありません。そうではない情報もあふれていますから、情報の受け手にもリテラシーが欠かせなくなってくるはず。

佐藤:多くの人は新聞報道も友達の話もツイートもフラットに受け取っていますが、リテラシーを持っていないと、情報の価値や重みを判断しづらいのでは。SNSには新聞社が配信するニュース記事と友達の「疲れた?」みたいなツイートが同列に並ぶので、大変な時代になったというか、これこそが何もかもがメディア化することなのかなとも思います。

藤村: 友達のタイムラインの投稿は、「疲れた?」といったものでも見ちゃいますし、確実に影響を受けますよね。マスメディアの情報よりも、知人の近況のほうが近くにあるし、重要な情報だったりしますから。

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徳:わかります。海外で起きた地震被害のニュースも、現地に友人がいるほうが、新聞でただ数字を見るよりも、確実に自分の中に入ってきますよね。「募金をしよう」とか「何かできることはないかな」と気にかけてニュースを追うようにもなるでしょう。結局、単なる情報として存在するよりは、自分の関心や自分の所属コミュニティなどにつながっているか否かが大きいのかなと。 

ここで私たち編集者がやらなくてはならないのは、必ずしも自分に近い情報ではなくても読者に当事者になってもらうこと。そのためには、単なる情報に「温度」を加えて届ける必要があります。届ける手段としてのメディアは、既存のマスメディアではなくて、コミュニティみたいなものでも良いのかもしれません。

佐藤:メディア業界特有の話ですが、プレスリリースをもらうときもメールかFacebook