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目標は「小さく」「たくさん」設定しよう

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【サイボウズ式編集部より】この「ブロガーズ・コラム」は、著名ブロガーをサイボウズの外部から招いて、チームワークに関するコラムを執筆いただいています。今回ははせおやさいさんが考える「正しい目標設定の仕方」について。

こんにちは、はせ おやさいです。

今年も約半分が終わりますね。設定した目標の振り返り時期が近づいている人も多いのではないでしょうか。今回は、正しい目標設定とその運用について考えてみたいと思います!

その目標、本当に正しく設定されていますか?


「目標設定」と聞いて、どんなものを思い浮かべますか?

サボらないよう管理されるもの? それとも未達を責められるための嫌な基準?

さまざまな粒度の「目標」「目標設定」があると思いますが、本来的な「目標設定」というのは、まず会社が目指す方向と数値があり、それを各部署、各担当者までブレイクダウンした上で、達成のために作成される「ゴールまでの地図」なのではないかと思います。

「部署で1億円の売上を達成する!」という「ゴール」が設定されたら、そのゴールまでどんなルートで、どんな方法でたどりつくか。それを各人がどう設定するのか。そしてその方法は妥当なのか、妥当ではないのか。

それらを検証するために、それぞれの数字とともに設定し、期限を決めて運用するのが「目標設定」です。

会社には必ず達成しなければいけない「目標」があり、目標の未達成は、すなわち会社のリスクになる。それを避けるためにも可能な限り高い精度で「達成までの地図」を引く必要があり、なおかつ、それは絵に描いた餅のように実現不可能なものであってはなりません。

目標は各プロセスの数値とともに管理しよう


目標設定を個々人が、しかも数値とともに設定しておくことの重要さというのは、会社が目指すゴールへの到達以外にも効果があります。まず、事前に目標を設定しておくことで、「どこが未達だったから、最終的な達成まで至らなかったか」という「未達の原因の検証」ができます。

目標達成までのプロセスにはさまざまな工程があると思うのですが、それらを段階別に分析したとき、それぞれの目標数値を設定しておくことでどこでエラーが起きているかの原因が検証しやすくなります。

たとえでいうと、

STEP1:<1000件>の営業リストにアプローチして

STEP2:<500件>のアポイントが取れた場合

STEP3:<30件>の成約が見込める

というように、「営業リスト」から「成約」に至るプロセスでどんどん件数が減っていく場合、これを「ファンネル」=「漏斗」にたとえて「ファンネル分析」と言います。漏斗を通過して落ちる水が減っていく現象をイメージしてもらうと、分かりやすいかと思います。

さて、どのファンネルで何パーセント落ちるかさえ設定していれば、あとは単純な計算でゴールまでの仮説が立てられます。

前述のたとえでいうと、STEP1からSTEP2に至るパーセンテージは<50%>、つまり「2件電話をすれば、1件はアポイントが取れる」、という仮説で目標を設定しています。そしてSTEP2からSTEP3では、「500件のアポイントが取れれば、30件は成約が見込める」、つまり「<6%>の受注率」が目標達成のための数値ですね。

ここの数値を、過去の実績や数値などを元に設定し、常に進捗を追うことで、達成未達成への成功率をチェックすることができますし、当初設定した目標からあまりに乖離するようであれば、早急に対策を取ることも可能です。

この場合でいうと、たとえば「電話してもアポイントが取れるのは<50%>ではなく<30%>であった」けれども、「成約率についてはブレはなく、<6%>で推移している」という状況が判明すれば、すぐさま営業リストを追加し、30%のアポイント率でも、成約件数が30件を割らないためのリカバリができます。

とはいえ、目標設定がチームの各メンバーに落ちてきたとき、目標のブレイクダウンがうまくいかないと、本来追うべきでない指標が設定されてしまいがち

「目標設定」はゴールまでの進捗管理を行うための道しるべ


ここで陥りがちなリカバリ策が「アポイント率をなんとしても50%に戻せ」です。また、そもそもの目標設定が、「過去実績を見ても50%が上限値なのに、なぜか80%で設定してスタートしてしまう」のも悪手ですね。

もちろんアポイント率を高める努力はするべきですし、そこが改善されれば追加のリカバリ策も不要にはなるんですが、無理なものは無理。そして無理なものを無理にやらせたときに起きるのは、本質的な原因の見落とし、リカバリの遅れと、それに伴う目標の未達成です。誰も幸せになりませんよね。

ここでいう目標設定は「ゴールまでの道しるべ」であり、電車の乗換案内のようなものです。新幹線で行けば予定どおり到着できていたとしても、新幹線が事故で停まってしまったとき、すぐに別の乗り換えルートを探す必要があります。ここで優先されるべきは、「なんとしても新幹線で行く」ことではなく、「予定どおり目的地に到着する」ことです。

そして目標達成に向けての進捗管理、というのは、電車の運行状況が問題なく進捗しているかの把握であり、危なそうな気配を感じたら、すぐに別の乗り換えルートを提示できる状態をキープしておくことです。

「なんで新幹線が使えないんだ!」と怒られても、事故って停まっているものは動かせません。そしてそこにだけこだわっていたら、時間だけが無駄に過ぎていってしまう。であれば、在来線で行くのか、遠回りになるけど飛行機を選ぶのか、はたまた車を調達する必要があるのか......といった他のルートを検討し、その中から次善策を選択する。その意思決定をするための基準が「目標」なのではないかと思います。

目標を「小さく」「たくさん」設定しておくことの大切さ


「目標設定」は「ゴールまでの道しるべ」だと書きましたが、目標を設定するときには、途中途中で「小さく」「たくさん」の「達成すべき目標数値」を設けておくことが重要です。

なぜかというと、大きなひとつの目標だけを追うと、万が一、その目標が達成できなかった場合、ゼロイチの結果しか残らないから。細かく目標を設定することには、前述した「未達の原因の検証」以外にも、「実行者のモチベーションを維持しやすくなる」という効果があるのではないかと思います。

前述の例にならうと、細かい数値を設定しておけば、最終的に「売上目標は達成できなかった」けれども、「受注率は当初見込みの6%から10%に改善できた」というように、「できたこと」「できなかったこと」の切り分けがしやすくなります。

どんなに必死にやったとしても、商況やコンディションによって達成できないタイミングはどうしても発生します。とはいえ、当該期間の目標が達成できなかったとしても、会社運営は、続きます。また次のタームで数字を追い続けなければいけません。そのときに、いかに心を折らず、モチベーションを維持して責務を遂行してもらうか。

もしくは、自分でその状況を維持するか。そのためにも細かな目標設定で「できたこと」をたくさん見つけておき、次につなげていくことが重要になるのではないでしょうか。

ということで、目標は「大きく」「ひとつ」ではなく、「小さく」「たくさん」、「具体的な数値」と共に設定し、運用してみてはいかがでしょうというお話でした。

今日はそんな感じです。

チャオ!

イラスト:マツナガエイコ

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サイボウズ式」は、サイボウズ株式会社が運営する「新しい価値を生み出すチーム」のための、コラボレーションとITの情報サイトです。

本記事は、2015年6月23日のサイボウズ式掲載記事目標は「小さく」「たくさん」設定しようより転載しました。