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「Why?」を声に出すことの重要性――日本人に徹底的に欠けている、「質問する力」

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先日、新経済連盟が主催する「新経済サミット2014」に参加しました。オラクルCEOのラリー・エリソン氏や、Yahoo!共同創業者のジェリー・ヤン氏など、世界各国から著名人が登壇した一大イベント。そこで、各セッションの最後には質問タイムが設けられ、2000人近くいるオーディエンスが登壇者に対して自由に発言する時間が与えられました。

そこで、僕は思わず「マジか!?」と思ってしまいました。なぜかというと、ほとんどのセッションの質問タイムで、オーディエンスから手が挙がらないことが多かったからです。

一般販売のチケットの値段は8万円前後。それなりに対価を求めている人々が参加したイベント。各業界の著名スピーカーの方々の話を聞けることに加え、質問もできる。この千載一遇のチャンスをものに出来ていないのではないか?

100万部を超えるベストセラーとなった、阿川佐和子さんの『聞く力』は、相手の話をうまく引き出すコミュニケーション術が書かれており、これは多くの人々の共感を得たことでしょう。しかし僕は、コミュニケーションをする上で、いま日本人に今一番欠けているのは、逆の「聞く力」、つまり自ら考えを口に出す・質問する力、だと思います。

欧米では、「それはいい質問ですね!」というフレーズは何よりも重宝されます。しかし、これは単に話の流れから自分の気になったことを聞くだけ、ではありません。既存の情報を頭の中で編集し、個人の考えを付け足し、自らの意見から相手に対する質問を導き出すことです。

「いい質問」をする人はエソス(個人の特質)があり、自分の中で少しでも「どうして?」「Why?」があれば、発言する傾向がある。と言うよりも、発言せずにはいられないのです。

大前研一氏の著書『質問する力』にはこう書かれています。

'「質問する力」とは、政府や、マスコミや評論家の言うことを鵜呑みにするのではなく、まず、自分の頭で考え、疑問点があればとことん追求し、自分で納得してから決断する力のことである。'

つまり、「質問=疑問に思ったことを聞く」ではないのです。僭越ながら、僕の講演会の多くは、毎回最後には参加者との討論会のようになり、一番盛り上がります。

「私は、先進国が国際協力の一環で途上国を支援する活動には賛成します。しかし、東日本大震災の復興支援の方が優先されるべきではないのですか?」

など、的を射ている考え抜かれた質問・意見が多く、結果的に内容の濃い議論をし、参加者全員でイベントの価値を上げていくことにいつも繋がっています。

最近、昭和女子大学の学部1年生向けの授業中に、受講生がLINEで質問やコメントの書き込みをできる取り組みが開始されました。

導入者の保田隆明氏の文を引用させて頂きます。

'もちろん、手を挙げて質問をすることもできるし、それが本来のあるべき姿なのだが、手を挙げて質問するという行為は多くの人にとって心理的抵抗が高い。'

しかし、このような授業は逆効果なのでは?というのが僕個人の見解です。

''グローバル人材''という言葉は頻繁に耳にしますが、上記ように声を出してお互いの意見をぶつけ合う対話の場が無くなりつつあるから、日本人がさらに内向きになり、逆に''アンチグローバル人材''を育てているのかもしれません。

「質問する力」は、自らの考えを発信すること、に意味があります。意見に間違いなど存在しなく、何かしらの考えを述べることが自信に繋がり、確信に変わっていきます。付加価値として、相手と自分の意見を照らし合わせることで、セレンディピティ(ふとしたひらめき)を得ることもできるのです。

要するに、質問しないと何にも始まらないのです!日本人は、もっと自らを出す必要があるのです。

「へー」「なるほどー」と、うなずいて終わるのは議論ではありません。皮肉にも、民主主義国家の場合、多数決で最終的に決定されるため、このような'議論'は都合が良いと受け止められているのですが(笑)。

自分で考える力を付け、それを「Why」と一緒に質問できる力こそ、今の日本には必要なのではないでしょうか?

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