アップル、キー表示を変えられるキーボードを計画中? Facebookの「いいね!」ボタンも出現か(動画)

アップルが、電子ペーパー(E-ink)をキー表示に採用し、キーの役割を動的に変えられるキーボードを計画している可能性があるとのウワサが出てきました。

▲Sonder Designが予約受付中の「Sonder KeyBoard」。キーの表示が機能割り当てに合わせて変化します(公式サイトより)

アップルが、電子ペーパー(E-ink)をキー表示に採用し、キーの役割を動的に変えられるキーボードを計画している可能性があるとのウワサが出てきました。

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アップルはE-inkを用いたキーボードを開発するスタートアップSonder Designと買収交渉に入っていることが報じられており、Sonder社も契約の詳細にこそ言及しないものの、アップルと何らかの交渉中であることは肯定しています。こうした状況のため、実際の内容はともかくとしても、まったくのウワサ話ではない状態です。

そもそもの発端は、海外匿名掲示板Redditでの「Foxconnlnsider」(Foxconnのインサイダー)を名乗る人物による投稿。原稿執筆時点では元発言は消去されていますが、コメントが確認できる状態です。

同氏の投稿では、アップル大手サプライヤーのFoxconn(鴻海)が内々に行った新型MacBookのキーボードデザインについてのデモにおいて、Sonder社が参加していたとの証言がありました。

その後、Sonderの広報担当者が海外メディアTrustedReviewsに対して、Foxconnの内覧デモに参加したことや、アップルとの買収交渉中であることを認めています。

アップルが次期MacBook ProのファンクションキーをOLEDタッチバーに置き換えて、アプリごとに表示内容を変えられる自由度の高いキーボードを実装する噂はたびたび報じられてきました。今回の報道は、さらにその先を行くもの。E-inkとはKindle端末など電子ブックなどに採用されているディスプレイ技術で、液晶などに比べると表示の書き換え速度は速くないものの、消費電力が少ないという利点があります。

現在はコスト的にもこなれているため、キートップの文字を動的に変更するには最適の選択と言えそうです。

Sonder社はE-ink採用キーボードである「Sonder keyboard」を199ドルで予約受付しており、またYouTubeでデモ動画も公開済み。

この動画では、Sonder KeyboardはアップルのMagic Keyboardを思わせるコンパクトなサイズである点や、ワンタッチでまたたく間にキートップの文字が変わる点、そして7秒程度からは、「+」キーの位置にFacebookの「いいね!」ボタンが出現するなど、一般的なキーボードでは見られない機能にも割り当てが可能な様子が確認できます。

余談ですが、キートップをディスプレイ化して表示内容を変更可能なキーボードという発想自体は、決して新しいものではありません。

例えば2005年にはロシアのデザイン会社Art.Lebedevが、全てのキートップに小型の有機ELパネルを内蔵させたキーボード「Optimus Maximus」をプレビューしています。同機は3年ほどの紆余曲折を見せ、また1500ドルオーバーという価格になりつつも、2008年に無事発売されました(当時の紆余曲折は下記記事を参照ください)。

さて、このように賑やかな今回の一件、ともすればSonder Keyboardが予約段階まで進んでいることで、交渉がまとまれば製品投入が近いようにも見えますが、それでも実際はしばらく先の話となりそう。Redditの投稿者も採用されるとすれば2018年以降だろう、と予測しています。

ということで当面類似の技術としては、次期MacBook ProのOLEDタッチバーに留まることとなりそうです。

ただし技術的には、もし実現すればユーザーがキーの機能をカスタマイズできる自由度が広がることから、利便性という点ではかなりのインパクトを持ちそうです。またSonder Keyboardの動画では中国語キーと英語キーを切り替えているシーンもあることから、多国語への対応も速やかになるかもしれません。

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