イスがヘルメットに? 危機管理産業展で展示された、素材が活きる防災用品の数々

東京ビッグサイトで開催されていた「危機管理産業展(RISCON TOKYO)」で、防災関連やセキュリティなどの最新機材やアイテムが展示されました。

東京ビッグサイトで開催されていた「危機管理産業展(RISCON TOKYO)」より

防災関連やセキュリティなどの最新機材やアイテムが展示されていました。

従来からある防災用品も、素材の進化や機能が追加される事で、快適さや保護機能が向上しています。

山本光学は、一般的にはゴーグルやサングラス分野でSWANSのブランドにて知られていますが、業務用としては消防や医療向けなどの保護メガネ、ゴーグルなどでシェアを誇っています。

レンズの内(接顔)側に特殊なコーティングがされており、加湿器の蒸気をあてても曇りません。表側にはコーティングが無いので蒸気にあてるとすぐに曇ってしまいます。

その他、ゴーグルのフィット感を高めるためのアジャスタブルバンドも新たに用意されました。同社の従来製品では、バネやゴムバンドを使用したバンドを使用しており、ヘルメットに固定したゴーグルを素早く装着するといった操作は行えたものの、フィット感があまく煙などが隙間から入ってしまう事があったという事です。

そこで、ダイビング用のバンドに採用されているような素早く調整できる機構を取り入れて、素早い装着はそのままに、フィット感の向上とクイックリリースを両立しました。同社が販売する既存のゴーグルのバンドに対応しており、納入済のゴーグルのバンドのみをリプレイスすることができるのがメリットとしています。

3Mのブースでは、防災用として、窓ガラスの飛散防止フィルム「3M™ スコッチティント™ ウインドウフィルム」が展示されておりました。グレードが幾つかあり、単純な飛散防止のほか、防犯要素も入ったタイプ、UVカットや遮熱、断熱効果を併せ持つタイプもあります。

遮熱、断熱効果のあるフィルムの実演として、白熱灯をフィルム越しに点灯するデモがありました。手をかざすと、フィルムのない方は熱を感じるのに対して、フィルムがある方は熱を感じませんでした。日差しの強い夏でもカーテンを閉める事無く遮熱することができるので、空調費用と照明費用の節約になるほか、UVカットによって色褪せや紫外線による劣化が緩やかになるなど、導入費用はかかりますが、電気代を始めその他コストが削減できるとしています。

その他、PM2.5などの微粒子やインフルエンザウィルスなどを防ぐN95、DS2規格のマスクにおいても、素材や製法を工夫する事で収納時の厚さや単価を半分程度に削減した新しいタイプのマスクなど機能はそのままに、スペースやコストを抑えた製品が紹介されておりました。

オーストリッチインターナショナルでは、様々な応急処置用品が紹介されておりました。シリコンを主体とした素材のシンプルなシートはターニケット(止血帯)で、従来製品より1/3ほどのコストに抑えられています。兵士の個人装備に採用されているタクティカルターニケットと比較してシンプルな構造ですが、巻くたびにテンションをかけてゆく事で強く圧迫することができます。

タクティカル版は一人で装着、締め上げることができるので、特殊部隊など少人数で支援体制の不十分な現場に投入されるチームには採用されますが、医療など支援体制が充実している災害現場ではコストと操作性に優れた製品が求められるのだそうです。

マモリスのブースでは、普段はイスとして使用でき、非常時にはヘルメットとして使用できる防災用ヘルメットが紹介されていました。

飛来落下物の保護帽規格を取得し、100kgの耐荷重を実現しています。

防災用のヘルメットとしては折りたたみ式が多く見られますが、こちらは普段はイスとして使用し、非常時には取り外してヘルメットとして使用するという提案です。背もたれ部分が後頭部から背中にかけて保護するように覆うので、前屈みになって避難する際に後頭部や背中を保護できるのが特徴です。

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