攻殻機動隊シリーズの思考戦車「タチコマ」、話す1/2スケールモデルが完成。開発者・松村礼央インタビュー

最終的には発話や歩行、走行も可能になる予定です。

2016年4月29日と30日に千葉幕張メッセで開催中のニコニコ超会議2016から。karakuri products と海内工業が共同開発している、攻殻機動隊の多脚戦車「タチコマ」の 1/2スケールモデルが展示されています。

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攻殻機動隊タチコマ1/2スケールモデル

このタチコマは、2016年2月11日に開催の「攻殻機動隊 REALIZE PROJECT the AWARD」内で発表された、コミュニケーションロボットの実社会での活躍を想定したプロジェクト。最終的には発話や歩行、走行も可能になる予定です。

2月の時点では、プロジェクトの発表と脚のみの展示でした。

今回の展示は、2月からどんなアップデートがあったのか。開発者であるkarakuri productsの松村礼央氏にインタビューしました。

——2月に披露されたときは脚のみでした。今回の展示のアップデートはタチコマの外装になるのでしょうか?

そうですね。今回の展示は、「外装検討モデル」としていますが、版権を利用させていただいてるので、メカ部分を進める前に、公式の意匠監修をクリアしないといけません。

2月の段階で、ある程度メカの機構はしたので、それが入るものを一旦仕上げた感じです。この外装が問題なければ、中身を作りこんでいく作業に入れます。

——それはいつ頃わかるのでしょうか?

超会議に、Production I.Gさんなどにきていただくので、ここで皆さんに見ていただきます。

——はやければ、超会議中にOKがでると。

そうですね。あとは色味ですかね。超会議はスポットライトですが、蛍光灯では見え方が違うので。

——外装で苦労したところはありますか?

タチコマは、曲面が多いのでそれを再現するのが苦労しました。劇中のデータを参考でいただいているんですけど、ポリゴンなんで、実際にはありえない動きをしているんですね。

実際に立体物にかえるときに、破綻がある形状にはできないので、それをクリアしてモデリングをするのが大変で。10年前に10分の1タチコマをつくったときも苦労したんですけど、その時に気に入らなかったところを今回は潰しています。

——ほかのアップデートはありますか?

今回のために、タチコマの声を担当されていた声優の玉川砂記子さんに音声を収録してもらって、音声も出るようにしました。

ただ、超会議はまわりは騒がしすぎてもっと大きなアンプがないと聞こえにくいですね……。

——タチコマはなんて話すんですか?

「やったー」

「ハイチーズ」

「おはようございます」

と話します。

あとは、音声合成のソフトウェアの開発もやっていて、玉川さんの声で任意の発音をするところまでは、並行してやっています。その収録までは終わっていますね。

——2月にお話をきいたときに実証実験の話もでていましたが、いつごろの予定なんでしょうか?

実証実験は8月をめどに順次おこなう予定です。外装がクリアできれば、今後は軽くしていったりと、やることはたくさんあります。

——ざっくりで良いのですが、今の進捗は何%ぐらいでしょうか?

2月の段階を10%とすると、外装がクリアになるところまでで25%ぐらいですね。今はお金のかかったプラモみたいですけど、今からメカを入れていく作業になります。

——動くタチコマがみられるのを楽しみにしています!

ちなみにタチコマが展示されているのは、超コスプレエリア。

タチコマの横では、Cerevoが発売している、アニメ「PSYCHO-PASS」(サイコパス)に登場する特殊拳銃 ドミネーターのタッチアンドトライも開催されています。

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