東芝、レグザの自社開発・販売は継続 海外事業はライセンス供与ビジネスへ

構造改革費用込みで過去最悪の赤字見通し5500億円を発表した東芝が、PCやテレビといったライフスタイル(家電)事業の再編策を明らかにしました。

構造改革費用込みで過去最悪の赤字見通し5500億円を発表した東芝が、PCやテレビといったライフスタイル(家電)事業の再編策を明らかにしました。

先日のリーク報道が独り歩きして「レグザはなくなるの?」と動揺を呼んだ映像事業については、おおむね事前の情報どおり。海外では生産拠点を売却してブランド貸しビジネスに移行します。

国内についても人員削減や拠点売却など経営のスリム化は徹底するものの、引き続き自社開発を進め、高付加価値製品に集中して販売を継続します。

粉飾バレ以来なかなか洒落にならない事態が続く東芝にとって、もともと課題部門だった家電やPCは真っ先に整理対象になる事業。12月21日の発表では、ついに事業ごとの構造改革案と規模が明らかになりました。

まずレグザを含む映像事業については、

1. 海外事業は、自社開発・販売を終了。工場や販売会社などを整理し、東芝ブランドのライセンス供与ビジネスへ。

2. 国内事業は、自社開発・販売を継続。経営資源を国内向けの高付加価値製品に集中して収益化を目指す。

つまり、おおむね事前の情報どおりです。国内向けには自社開発と販売を続けるとはいっても、国内も人員削減を含む合理化の対象外ではありません。

人員整理は、14年度末から16年3月末までで国内外の8割にあたる3700人が対象。国内では再配置および、再就職支援を含む早期退職優遇制度を実施します。国内の東芝ライフスタイル社映像部門では約50名を予定。東京の奥地のほうにある開発拠点の青梅事業所も閉鎖・売却する方針です。

東芝はこのほか、

・PC事業ではこれまで法人向けと個人向けで分かれていた事業部を統一。会社分割により、社内カンパニーだった個人向けをBtoB子会社に承継。

・子会社では法人向け(BtoB)をコアとしつつ、個人向け(BtoC)は国内を軸にして継続。

・プラットフォーム数の削減など合理化

さらにコーポレート部門(本社の管理部門)でも人員を整理し、全体で7800人を対象にします。こうした構造改革費用を計上するため、16年3月期の決算見通しは5500億円の赤字。営業損益としては3400億円の赤字になる見通しです。

国内向け高付加価値モデルは継続ということで、レグザの画質や機能に惚れ込んで使い続けたユーザーにとって「ひとまずは」安心といえそうです。今後がどうなるかはまだ分かりませんが、レグザにはまだ誰も正解に辿り着いていない未来のテレビを目指して、今後もいい意味のチャレンジを続けてほしいものです。

レグザのソフトウェア・クラウドサービス戦略を手掛ける片岡氏のインタビューはこちら

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