小泉進次郎氏、ドローンを語る「悪用を規制で防ごうと思ったら、イノベーションなんか産まれない」(発言全文)

第1回 国際ドローン展で小泉進次郎氏が国内におけるドローン産業の育成および規制のありかたなどについて語った。全文を紹介する。

幕張メッセで開催された第1回 国際ドローン展より。ドローン(無人飛行機)の飛行体験操縦を行った小泉進次郎 内閣府大臣政務官はその後、記者の囲み取材に応じ、国内におけるドローン産業の育成および規制のありかたなどについて語りました。全文をお届けします。

小泉進次郎内閣府大臣政務官 ドローンを語る

第1回国際ドローン展 (5月20日〜22日:幕張メッセ)でドローンの飛行操作体験を行う小泉進次郎氏。体験の模様はこちらの記事をご覧ください。

小泉進次郎氏が操縦したのは自律制御システム研究所(千葉市)製のインフラ点検用ドローン

飛行操作体験を終えた小泉進次郎氏はその後、記者の囲み取材に応じました。下記にその全文を書き起こします。

──中学生の事件があったが

リスクはもちろんしっかりとケアしないといけないが、可能性を大いに期待したいと思う。実際に各社さまざまなドローンを見て、多くの方がイメージとして持っているドローンと、実際にこの場で見せていただいたドローン、かなり幅もあるので、いろんな可能性、ビジネスの中で展開できるんじゃないかと。

特にこれからの可能性に期待したいと思ったのは、八百屋さんや新聞配達と提携しながら、山奥のお爺ちゃんやお婆ちゃん、いわゆる買い物弱者と呼ばれる方々に、ドローンを使って御用聞きのようなサービスを提供できないかという取組み。いろんな安全面を考えて3年後の実現を目指しているとおっしゃってましたけど、いろんな視野を考えていけば、3年も待つ必要はないんじゃないか。もっとはやく、これを実際に動かしていけるような、そういったことは考えられないか。僕はこれからしっかり取り組んでいくべきだと思いました。

──世界での競争の激化が予想されるが、日本がトップランナーになるためには?

まず一つ目は、ドローンを使ってどのように社会をより良くできるのか、目に見える形で、ドローン特区などのさまざまなフィールドを通じて実際にやってみる。

最近いろんな事件があったので、ドローンに対する報じられ方が、ドローンで社会をどうより良くできるかということよりも、ドローンをどのように規制をしなければいけないのかという方向性になってますよね。そうではなくて、しっかりとこう、安全面にテロや防災、防犯、そういったケアをしながら、なにも必ず新しいものが社会に入る時って、リスクはありますから。リスクをゼロにすることは不可能。ゼロリスクはありえないということを前提として、こういった新たな発想を、新たな社会づくりに活かしていくと。その前提の上に、リスクをどうやって極小化していくか。こういった認識を忘れないで、これから法整備もあると思いますけど、注視していきたいなと思いました。(下線は記者による)

──政府は規制のありかたを検討しているが、規制をすることで開発や普及が阻害されるのでは?

やはり最悪の事態は招いてはいけない。テロ、そして犯罪。これを未然に防げる方法を作ったうえで、ビジネスを阻害するような規制は作らない。規制というのは本当に使いようで、うまく規制をしっかりやれば、むしろ産業の発展に寄与できる。それをどうやってできるか、そこの意識をしっかりと入れながら、安全、そして産業としての可能性の両方をしっかり見てやっていきたい。

──先日15歳の少年が逮捕された。規制の難しい面が見えてくるが

新しいものをやってみたいという若い人の気持ちは、ドローンにかぎらずあると思う。だけども、それをどうやったら悪用するんではなくて、健全な発展の社会のために使ってもらうのか。これが精神論なのかクリアできる問題なのか、それとも制度によってそれは担保すべきものなのか、さまざま議論はあると思うが、これはどう考えても防げない面もあるということは、これ覚悟しなきゃいけない。それらをすべて、もし規制とか制度で防ごうと思ったら、イノベーションなんか産まれないですよ。イノベーションって破壊的創造ですから。新しいことをやろうとするときに、一見突拍子もないと思われるような発想を生み出してきたのがやはり若い人の力なので、なんでも一つの事件が起こると、それが過度に大きくなると、とにかくそれを潰そうということがあるんですけど、それはそれとして冷静に見て。

日本はこれから人口減少と少子化で、イノベーションしなければ、イノベーションを次々に起こさなければ、社会の持続的発展はない。若い人の自由な発想は決して阻害してはいけない。大人がしっかりしないといけない。今回のいろんな事件を見ると、その逮捕された子にお金をね、ネット上で提供していた人たちもいるわけでしょ。大人がしっかりすれば。

──ドローンを操縦されたのは何回目か、操縦してみて新たに分かったことは?

ドローンの操縦は初めてです。見たのは何度か見てますけど、実際に自分が操縦してみると、やっぱりこれ正確な操作っていうのはある程度経験が必要だし、実際にそのドローンで何ができるのかっていう発想は、一方でやってみなきゃわからない部分もあるかもしれない。なので、その両方のバランスっていうのを改めて感じましたね。ただ、これだけ多くのドローンがある展示会を見ると、それをどうやって規制をしようかっていう観点よりも、どうやってこれをより良い社会づくりに活かそうかっていう観点は、決して忘れちゃいけないと思います。

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