新型コロナ、日本の下船対応を海外メディアが批判【ダイヤモンド・プリンセス号】

ダイヤモンド・プリンセス号下船後の対応について、厳しい声も...。
ダイヤモンド・プリンセス号から下船した乗客を乗せるバス
ダイヤモンド・プリンセス号から下船した乗客を乗せるバス
Tomohiro Ohsumi via Getty Images

新型コロナウイルスの集団感染が発生したダイヤモンド・プリンセス号をめぐる日本の対応について、海外メディアが批判的に報じている。

横浜港に到着したダイヤモンド・プリンセス号の乗員乗客のうち、ウイルス検査で陰性が出た乗客の下船が2月19日から始まった。19日は、乗客443人が下船。バスで横浜駅などのターミナル駅に移動し、帰宅の途についた。

厚生労働省によると、これまでに検査された3011人のうち、陽性が確認されたのは19日時点で621人。うち322人は無症状という。

下船後の対応を疑問視

アメリカのニューヨーク・タイムズ紙は、「専門家たちが深い懸念を示す中、コロナウイルスの検疫を終え、乗客たちは横浜の街に降り立った」と伝えた。

アメリカのCDC(疾病対策センター)は、自国民は下船が認められた後も、その後14日間にわたって症状が出ないと確認されるまで、アメリカに向かう旅客機への搭乗を認めないと発表している

記事では、こうした対応を紹介した上で、「乗客がいつ検疫を受けたのかは明らかではない。週末に検査を受けたという人もいたが、これは、その後感染にさらされた可能性があることを意味する」など、下船後の対応について疑問を呈した。

また、船内の感染対策の不備をYouTube動画で訴えた神戸大学感染症内科教授の岩田健太郎さんの告発も紹介した。

イギリスのBBCは、「対応をめぐり日本が厳しい批判を受ける中、陰性が確認された数百人の乗客がクルーズ船から解放された」と報道。岩田さんの告発動画に関して、「感染者と健康な人を分離できていなかったことを示している」と紹介した。

ダイヤモンド・プリンセス号の周囲に集まる報道陣
ダイヤモンド・プリンセス号の周囲に集まる報道陣
KAZUHIRO NOGI via Getty Images
約500人の乗客たちを乗せたバス
約500人の乗客たちを乗せたバス
Tomohiro Ohsumi via Getty Images

下船後は発熱の有無などを確認

時事ドットコムによると、厚労省は、帰宅後2週間は乗客たちに発熱の有無などを毎日確認するという。

厚労省の加藤勝信大臣は19日夜に開いた会見で、「基本的には病原保有の恐れはないが、(新型コロナの)すべてが分かっているわけではない。全体としての感染拡大防止にご協力いただきたい」と述べた。

Tomohiro Ohsumi via Getty Images
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