成田空港の職員が麻しん(はしか)に感染。4月26日まで空港に勤務、千葉県が利用客に注意喚起

4月23日に発熱後も、26日まで勤務を続けていたため県疾病対策課が「不特定多数の人に影響を及ぼしている可能性がある」として発表した。
成田国際空港
成田国際空港
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千葉県は4月30日、成田国際空港第2ターミナルに勤務する20代の男性職員が麻しん(はしか)に感染していたと発表した

県によると、男性は4月23日に発熱。だが麻しんだとは気が付かなかったため、通常の勤務を続けていたという。

成田空港には4月26日まで勤務。次の日程で滞在していた。

4月22日 午前7時~午後10時半

24日 午後2時半~午後10時半

26日 午前6時~午後6時半

管轄である印旛保健所は、4月22日以降の感染可能期間中、男性と接触した人を調べ、健康状態について観察をしている。

だが、空港職員で不特定多数の利用者との接触があったため、30日に県が公表し注意喚起を行った。

上記の日程から2時間経過するまでの間に成田国際空港第2ターミナルに滞在した人は、麻しんに感染した可能性がある。

男性は27日になって発疹が出てきたため異常に気が付き、成田市内の医療機関にかかった。28日に麻しんであることが判明した。

男性に海外渡航歴はなかった。

麻しん(はしか)ってどんな症状?当てはまったらすぐに医療機関へ

麻しんは麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症のこと。

麻しんウイルスの感染経路は空気感染。感染力は非常に強い。免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症すると言われている。

また、発症した人が周囲に感染させる期間は、症状が出てくる1日前から、熱が下がった後3日間まで。発熱がない場合もあり、そのときは発疹が出はじめてから5日間がその期間にあたるという。

先進国であっても死亡率が1000人に1人ほどと言われる、驚異的な感染症だ。

【症状】

①感染すると通常10~12日後に38℃前後の発熱、咳、鼻汁、くしゃみ、結膜充血などが約2~4日間続く。
②解熱後、再び39℃以上の高熱と発疹が出現。
肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1000人に1人の割合で脳炎が発症する可能性がある。

4月17日現在で、全国での麻しん届出数は406件。成田国際空港のある千葉県では、4月30日現在で17件となっている。

ワクチンは2度接種を

麻しん(はしか)、風邪などとは違い手洗いやマスクでは予防できない。

かからないようにするには、ワクチン接種が必要になる。

麻しん・風しんワクチン(MR)は、現在は1歳と小学校入学前1年間の幼児期に2回定期接種する。国立感染症研究所は「必要回数である2回の予防接種の記録が持っていることが重要」としている。

ただ、2回接種制となったのは、2006年度以降のため、28歳以上は1回しか接種していない可能性が高い。定期予防接種を2回受けていない人や予防接種歴が不明な人は、かかりつけ医などに相談の上、接種を検討したほうが良いという。

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