WHOテドロス事務局長は「即座に辞任すべき」。52万筆のオンライン署名が世界中から集まる

呼びかけ文は英語や日本語、中国語など10カ国語以上の言語で投稿されている。
テドロス事務局長
テドロス事務局長
AFP PHOTO / CHRISTOPHER BLACK / WHO

終息する気配のない新型コロナウイルス感染症。世界の動向を踏まえて情報発信を続けているWHO(世界保健機関)のテドロス・アダノム事務局長に、「即時辞任」を求める声が高まっている。

署名サイト「change.org」で2カ月前に始まったこのキャンペーンには、3月26日午後0時半時点で、約52万筆を超える署名が集まった。呼びかけ文は英語や日本語、中国語など10カ国語以上の言語で投稿されている。

発起人はカナダ在住の「Osuka Yip」さんで、テドロス事務局長が1月23日に「時期尚早」として緊急事態宣言を見送ったことを問題視。「テドロス氏が事態をあまりにも過少評価していたことが感染拡大を防げなった原因の一つであるのは明確」と非難した。

さらに、テドロス事務局長が「客観的な調査や評価をせずに、中国政府から報告されている死亡者数と感染者数を鵜呑みにしている」として、「WHOは政治的に中立な立場だと信じていたのに、失望している」とつづった。

にじむ中国への配慮

WHOが緊急事態宣言を出したのは1月30日。

この時の記者会見でも、テドロス事務局長は「社会的、経済的に深刻な影響があるにもかかわらず中国政府が卓越した対策を講じたことを称賛する」「世界の人々を感染から守る中国の努力がなければ、感染例や死者はもっと増えていただろう」などと中国への配慮をにじませていた。

1月23日に緊急事態宣言を見送った際には、中国政府代表が「問題外だ」と宣言を見送るよう圧力をかけたという報道もある。中国は1月25日が旧正月に当たる春節で、宣言のタイミングが遅かったという指摘は少なくない。

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