届いてない妊婦用布マスクの『検品』に8億円。不良品発覚で厚労省明かす。「また税金使うの?」と疑問の声

元々の予算は466億円。未だに行き渡らないマスクの検品で更に8億円かかるという。

新型コロナウイルスの感染拡大への対応策として、政府が妊婦を中心に配布予定の布マスクに不良品が発覚した問題で、厚生労働省は、返品された布マスクを検品する費用が約8億円かかると明らかにした。共同通信など複数のメディアが5月14日に報じた

466億円の予算をかけて実施するマスクの配布だが、未だに行き渡らないマスクの検品にも高額な費用を要している。

安倍総理大臣
安倍総理大臣
時事通信社

妊婦向けを中心として配布予定の布マスクについて、厚労省は、4月30日の時点で自治体に配布していた約47万枚のマスクのうち約1割の4万7千枚に異物混入や汚れなどがあったとして返品されていたことを明らかにした。

不良品の発覚後は、国が委託した専門業者が約550人態勢で検品にあたっていて、不良品が確認された場合は取り除く対応をとっているという。

ネット上では「予算466億円も使って打ち出しておいて、また8億も?」「これにもまた税金使うの?」「不良品が届いては困るけれど、未だに届いていない布マスクに検品で8億円なんて、とんでもない」など疑問や怒りの声が上がっている。

一方で、政府が「全世帯」に2枚ずつ配布するとしている布マスクについては、5月12日時点で、不良品が12枚確認されたと明らかにした。

約8億円の妊婦向けを中心として配布予定の布マスクの検品費用は、社民党の福島瑞穂氏への答弁で明らかになったと産経ニュースが報じた

政府が全世帯に配布するマスクについて質問した福島氏は5月13日、Twitterで「布マスクの介護施設等向け、妊婦向け、全戸配布に係る企業名、契約内容等について大分わかってきました」と発信していた。

布製マスクの配布は安倍首相が4月1日に自ら表明したもので、466億円もの予算を計上して実施している対応策。

感染者数が最も多い東京都では、4月17日に配布が始まっていた。

布マスクは全戸への配布に先立って妊婦に優先的に配られていたが、配布されたマスクからカビや髪の毛の混入といった欠陥が相次いで発覚した。

厚生労働省は布製マスクの都道府県別の配布状況を公表していて、5月8日時点では東京都を除く46道府県で「準備中」となっていたが、5月14日正午の時点では、茨城県・埼玉県・千葉県・神奈川県・岐阜県・愛知県・京都府・大阪府・兵庫県・福岡県は「配布中」となっており、発送が始まっているものとみられる。

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