アシックス、ウイグル問題めぐる声明を削除。「中国法人が了解得ず出した」当初の説明から一転

中国のネット空間では「態度を改めた」などと批判の声が上がっている。

兵庫県に本社を置くスポーツ用品大手・アシックスは、中国のSNS・ウェイボーで出していた「中国に対する一切の中傷やデマに反対する」などとする声明を3月29日に削除した。

当初、兵庫県にある本社の了解を得て出したと説明していたが、広報担当者の認識が間違っていたとして「中国法人が許可を得ず出した」と一転させた。

上海のアシックス店舗のロゴ
上海のアシックス店舗のロゴ
SOPA Images SOPA Images/LightRocket via Gett

■「認識が間違っていた」

中国では、新疆ウイグル自治区産の綿花を使用しないと宣言していたスウェーデンの衣料品大手・H&Mや、アメリカ・ナイキなどに批判が寄せられる事態になっている。

こうしたなかアシックスは25日、SNS・ウェイボーで、新疆ウイグル自治区を含めた中国国内から引き続き原材料を購入するとしたうえで、台湾は中国の一部分とする「一つの中国原則を堅持」し、「中国の主権と領土を断固として守り、中国に対する一切の中傷やデマに反対する」などと表明していた

この声明には日本のTwitterでも批判的な声が相次いだが、29日、ウェイボーから削除された。理由についてアシックスはハフポスト日本版の取材に対し「ソーシャルメディアはスポーツに関する商品や情報をお客様のお伝えするのが目的です」と説明した。

またアシックスの広報担当者は当初、声明は兵庫県にある本社の了解を得て出されたもので、撤回の予定はないとしていた。しかし削除後は「中国法人が許可を得ず出した」と説明を一転させた。

その理由については「広報担当者の認識が間違っていた」としている。

その上で「全ての原材料がアシックスの定める調達ポリシーに合致していることを確認しています」と強調した。

中国のネット空間では当初、声明は歓迎されたが、削除されると一転し「態度を改めた」などと批判の声が上がっている。タレントの李易峰さんは29日、アシックスとの提携を解消すると発表した。

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