人種差別された古橋選手を「守り、サポートする」と監督。セルティックも徹底抗議

横浜F・マリノスでも監督を務めたアンジェ・ポステコグルー監督。「私たちの最優先事項は、選手を守り、サポートすることだ」と語った。
古橋選手を労うアンジェ・ポステコグルー監督(2021年8月18日)
古橋選手を労うアンジェ・ポステコグルー監督(2021年8月18日)
Craig Williamson - SNS Group via Getty Images

サッカー・スコットランド1部のセルティックで活躍する古橋亨梧選手に対し、レンジャーズのサポーターから人種差別行為があった問題で、レンジャーズは8月23日(現地時間)、関係するサポーターを特定し、全試合で入場を禁止すると発表した

問題となった動画には、レンジャーズのサポーターが移動中のバス車内で、古橋選手に向けたとみられる人種差別的な歌を歌い、アジア人を揶揄する差別的ジェスチャーである「目をつり上げる行為」をした様子が映っていたという。レンジャーズは報道を受けて、関与したサポーターを特定する調査を始めたと発表していた。

セルティック監督「非常に悲しい」

セルティックは問題が発覚してから、「本当なら、Kyogo(亨梧)に向けられたおぞましく情けない人種差別行為で、厳しい非難に値する」と公式Twitterで強い言葉で非難していた。

8月24日(日本時間)には、アンジェ・ポステコグルー監督のインタビュー動画も公開。監督は一連の出来事について、「非常に悲しい。なぜなら彼を連れてきたのは私だからだ」と言及。「私たちの最優先事項は、選手を守り、サポートすることだ」と述べた。

監督はオーストラリア国籍で、選手としてサウス・メルボルンFCで活躍後、オーストラリアの代表チームの監督も経験。2018年から2021年6月まで横浜F・マリノス監督も務めた

監督は動画の中で、自身も日本で3年半過ごし、歓迎されたことを振り返り、「私は日本人がどれほど礼儀正しく、尊敬の念に満ちていたかを知っています」と言及。一連の出来事については教育の問題ではないと指摘し「何が正しくて何が間違っているかを十分に認識し、人間として尊重して扱ってほしい」と話した。

また、グラスゴーの街には、レストランや企業など、異なる国籍、異なる施設があり、「この街を素晴らしい街にするために、世界中から人々がやってきたことは明らかです。私はそれを愛しています」と語った。

古橋選手は7月にJ1神戸から移籍したばかりだが、これまで出場した7試合ですでに6得点をあげている。攻撃面だけでなく、前線からの守備でも重要な役割を果たし、スタンドには古橋選手の「背番号8」のユニフォームを着たサポーターがたくさんいるという。

監督は「サッカーは、出身地や経済状況、経歴に関係なくプレーすることができ、それが人々を結びつけてきたと考えてきた」とその魅力を語り、古橋選手らさまざまな国から訪れている選手たちをサポートする意向を繰り返し示した。 セルティックの公式Twitterには、監督の姿勢を支持する意見が多数寄せられている。

古橋選手は8月23日、自身のTwitterで「決して一人で歩くことはありません」とコメントしていた。

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