2歳の黒人の男の子、ディズニー映画で自分にそっくりなキャラ見つける ⇒ 愛らしい反応が話題に

2歳のケンゾーさんのエピソードは、アニメ作品におけるマイノリティーの表象が、子どもたちに与える力について考えさせてくれる。
ディズニー映画『ミラベルと魔法だらけの家』
ディズニー映画『ミラベルと魔法だらけの家』
Michael Tullberg via Getty Images

2歳の黒人の男の子が、ディズニーの新作映画『ミラベルと魔法だらけの家』(原題:Encanto)の中で容姿が自分にそっくりなキャラクターを見出し、可愛らしい反応を見せたことが話題になっている。

abcニュースによると、2歳のケンゾー・ブルックスさんは家族と本作を見ていたとき、登場キャラクターの少年アントニオが自分にそっくりであることに気づいた。

アントニオは主人公ミラベルのいとこ。どんな動物ともコミュニケーションをとることができる魔法を持つ、5歳になったばかりのシャイな男の子だ。

ケンゾーさんの父キース・ブルックスさんは、「私の最初の反応は、彼が振り返って私たちを見た時、『ワオ』という感じで、ただただびっくりしたことを覚えています」と振り返る。

情報番組『グッド・モーニング・アメリカ』は、両親から提供されたとみられる当時の映像を公開。画面の近くに座り、アントニオの動きを食い入るように見つめるケンゾーさんが写っている。

母のカヘイシャ・ブランドさんは、ポップシュガーのインタビューに「彼は畏敬の念を抱いているかのように、ただ笑顔を浮かべながら画面を見つめていました」と明かす。「立ち上がって父親と私の方を振り返り、また微笑んでいました。彼はアントニオの姿形に自分自身を見たような思いがしたのだと、心から信じています」

画面に写るアントニオの隣で、ちょっと誇らしげに立つケンゾーさんの写真を、カヘイシャさんはハッシュタグ「#representationmatters」(表象は大事だ)を付けてSNSで投稿。「なんて可愛いの」「彼が自分の似顔絵を映画で見つけることができてうれしい」ーー。写真は拡散され、大きな反響を呼んだ。

過去のディズニー作品を見ると、黒人が主要な登場人物として描かれることは白人に比べて少ない傾向にある。

アントニオの話題をきっかけに、カヘイシャさん一家では子ども時代に親しんだキャラクターに関する会話が生まれたという。「私たちの世代にはそういった(アントニオのような)キャラクターは身近にいませんでした」(カヘイシャさん)

それぞれに「魔法のギフト」を持った、アントニオらマドリガル家。各々が有する能力も肌の色も性格も、多種多様に描かれている。

カヘイシャさんは、「この映画が特別だったのは、肌が褐色のキャラクターを見せるだけで終わらなかったことです。髪の質感や肌の色などの点でも多様性を見せてくれました」として、マイノリティーの描き方に感謝を述べる。「表現には力があり、創造性には魔法があります。映画業界が、この世界の真の多様性を反映する方向へと進んでいるので、今の世代やこれからの世代はインクルーシブな経験をすることになるでしょう」

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