「足立区滅びる」発言に「滅びないから安心して」。LGBTQ当事者たちが #私たちはここにいる で思いを投稿

私たちは当たり前に存在する。「#私たちはここにいる」ハッシュタグでコメントや写真が多数投稿されています

自民党の白石正輝議員が「レズビアンやゲイが広がってしまったら、足立区は滅んでしまう」との趣旨の発言をしたことが、物議を醸している。

この発言を受け、レズビアンやゲイ当事者を含む多くの人たちが「#私たちはここにいる」というハッシュタグをつけたコメントや写真をTwitterに投稿している。

投稿しているのは、足立区に近い東京23区の在住者だけではなく、大阪や香川や熊本など、日本各地の人たちだ。

「私たちはずっと昔から存在する」といったメッセージや、「自分の住んでいる街は全然滅んでないよ」「足立区も滅びないから安心して」といったコメントもある。

投稿者の一人で、臨床心理士のみたらし加奈さんは、白石区議の発言を初めて見たときに、頭が真っ白になったという。

同時に足立区に住んでいる当事者の方々に想いを馳せた、とハフポスト日本版にコメントしてくれた。

#私たちはここにいる のハッシュタグを敢えて選んだ理由は、それが『事実』だから。白石議員への抗議や意見が溢れる中で、『私自身のオリジナルでできることはなんだろう…』と考えたときに、”私の持っている愛で打ち返すこと”なのではないかと感じました」

また、白石区議の発言に対して声をあげた多くの人たちの「声」が勇気をくれたという。

「だからこそ、私の「声」も誰かの勇気に繋がってくれたら…と願うばかりです。『あなたはあなたのままで生きていい』。そういった想いを込めながら、このツイートを送信しました」

発言は、人権を侵害する可能性がある

白石議員は9月25日に開かれた足立区議会定例会で、少子高齢化の対応について次のように発言した。

「でもL、レズ(編注:レズビアンの差別的な呼称)とG、ゲイについてだけは、もしこれが足立区に完全に広がってしまったら、足立区民いなくなっちゃうのは100年とか200年とか先の話じゃない」

「LだってGだって法律で守られているじゃないか、なんていうような話になったんでは、足立区は滅んでしまう」

この発言に「差別的である上に事実に基づかない」と多くの批判が集まった。

一般社団法人fair代表理事の松岡宗嗣さんは、「侮蔑的な発言が、当事者に押しつけるスティグマ(負の烙印)を強化してしまうだけでなく、その考え方や発言が具体的な政策につながってしまった場合に、マイノリティの人権が侵害されてしまう可能性がある」と、白石氏が区議会議員という立場で差別的な発言をしたことを強く批判している。

世界では、これまでに28の国や地域で同性同士の結婚が法律で認められている。

同性婚ができるようになった後に滅んだ国はなく、むしろ多くの同性カップルが子育てをしやすくなっている。

またフィンランドのサンナ・マリン首相など、同性の両親に育てられた子どもたちも活躍している。

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