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スペインメディアが見た日本。「今大会で最悪の試合」と酷評。山口は絶賛「非常に優秀。まだ欧州にいないのが不思議」

2014年06月22日 01時09分 JST | 更新 2014年06月22日 01時09分 JST

スペインは日本対ギリシャをどう見たのか? スコアレスドローに終わったこの試合、攻め込んだ日本に同情的な評価はあるものの、厳しい見方をされたのも事実。

■“したくてもできなかった”日本

 日本とギリシャがスコアレスドローに終わった。1試合目に黒星を喫して、2試合目はドローと結果だけみれば同じでも、このドローがギリシャには甘く、日本には苦い結果なのは明らかだ。

 可能性が残っているとはいえ、日本の対戦相手はコロンビア。既に進出が決まっており、控えメンバーでくる算段が高い。そこで日本が勝ったところで、コートジボワールが勝ったら、そこで日本の敗退が決まる。

 一方、今回、ドローを乗り切ったギリシャは、コートジボワールを相手に勝利をあげ、通過できるかは総得失点差で決まることになる。ギリシャ代表は攻撃より守備の方が得意だという特徴があるにしても、自分次第で進出を呼び込むことが可能な状況にある。

 また、日本の対戦相手であるコロンビアは、今回W杯に参加している全代表中、最も守備力が高いという統計データがあるのは、ご存知だろうか。それを考えても、やはり、このギリシャ戦で1点が決まっていれば……というのは、共通の思いだろう。

 そんな日本に対し、スペインのメディアがつけた見出しはほぼどこも同じだった。「日本、10人を前に敵わず」だ。10人のギリシャ人を前に、だったり、ギリシャの壁を破れず、だったり表現に多少の差はあるものの、数的有利を手にしながら、「したくてもできない」状況のまま終わった、と評されている。

 この「したくてもできない」はスペイン語特有の口語表現で、力はあり、そのやる気はみえるのにそれが空回りしてしまい、実際に遂行するに至らない、という歯痒さを表す時に用いられる。

■スペインが最も評価したのは川島永嗣

 試合の放送中も何度も「日本、ゴールを決めたいが決められない」「気持ちはあるが、できない」の言葉が繰り返された。マルカ紙はその状況を「日本代表は、パスをつなぐコンビネーションプレーを飽きずに繰り返したが、ギリシャを容易に抜き去ることはできなかった。そこで他と差をつける9番が不足しており、その代償を払うことになった」と説明した。

 第一戦での日本戦を「日本にはドログバがいなかった」と評したスペインメディアがあったが、今回の試合でもスペインメディアは再び、日本の9番の不在を指摘されることになった。

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スペインメディアがこぞって高評価を与えた川島【写真:Getty Images】

 ちなみに、このギリシャとの対戦でman of the matchに選ばれたのは本田だったが、スペインのメディアが選手ごとにつける評価で、最も高い評価を受けたのは本田ではなく、日本の守護神・川島だった。

 中継でも、「日本のW杯参戦に大きく関与したのは川島であることを忘れてはなりません」とコメントされるなど、その守備力はあらためて世界に見せつけられた。だが、これは諸刃の剣でもある。川島の活躍が目立つということは、それだけ、日本のゴールがギリシャに狙われたことを意味するからだ。

 それでもマルカ紙は「日本は最後まであきらめず、頑張った。長友と内田の両サイドバックが攻め上がることもあり、それに本田、香川、遠藤が加わり、内側から外側からボールを触ったが、その結果はフラストレーションとなった」と日本代表の奮闘を認める同情的な内容だった。

■山口蛍を絶賛

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「どうしてまだ欧州にいないのか」と絶賛された山口蛍【写真:Getty Images】

 アス紙は「日本対ギリシャ戦は、今回W杯の中でおそらく最悪の試合だった。両者とも負けるなどという贅沢は許されない状況で、最終的に無駄にスコアレスドローに終わった」と容赦なく断じた。

「全く性質が正反対の代表同士が戦った。ザッケローニはボール扱いの巧さに賭けたが、ゴールを見つけるのに苦労している。一方、サントスのチームはボールなしでも快適にプレーし、カウンターを探す策をとっている」と分析した。

 とはいえ、この同じアス紙が試合当日の予想分析欄にある注目選手として山口をあげ、「いずれ、ヨーロッパにくることになるだろう。どうしてまだ、欧州にいないのかがわからない非常に優秀な選手。日本の逸材」とべた褒めしていたことも付け加えておこう。

 ほめる時は積極的にほめ、批判する時は情け容赦なく断じるのが、よくも悪くも、スペインメディアの性格なのだ。

 果たしてどのような審判が最後の3試合目に下されるのだろうか。先日、スタンドの日本人ファンが全員、ゴミを持ち帰るとスペインメディアが日本人サポーターの礼儀正しさに感服し、国内で大きく報道されていたが、今度はスタンドだけでなく、ピッチ内の日本人選手も賞賛を浴びられるような試合を是非、期待したいところだ。

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