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かむ力取り戻そう 特養が常食者5倍の成果発表 

2014年10月16日 15時36分 JST | 更新 2014年12月15日 19時12分 JST

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 最期まで口から自力で摂取を。東京都世田谷区にある社会福祉法人日本フレンズ奉仕団の経営する特別養護老人ホーム「フレンズホーム」(飯田能子施設長、定員65人)が常食化に取り組んでいる。

 ソフト食やペースト食などからの切り替えにより、1年ほどで常食者は5倍になり、その成果を9月30日、都内で開かれた「アクティブ福祉in東京,14」で発表した。

 お年寄りの体や食べる力は日々衰えていく。食べやすさ、誤えんリスクなどから、ホームは6年前に刻み食をやめ、見た目は本物そっくりで、かまずに舌でつぶせるソフト食を導入した。

 しかし、誤えんを回避できないうえ、内視鏡検査に基づいてリクライニングのいすを平らにして寝た状態の入居者の口へスプーンでミキサー食を注ぐ光景まで出現。「これでは食事とは到底いえない。人間の持つかむ力を取り戻すのが先」(飯田施設長)と、それまでの食事ケアを反省し昨年7月、食事委員会を作り、直した。

 お年寄りの状態を一番知っている介護職がえん下のメカニズムを勉強、管理栄養士とともに入居者一人ひとりの摂食えん下アセスメントを行った。歯科衛生士との連携を強化し、家族に対する説明なども展開した。

 現在、ホーム入居者の平均年齢は90歳、要介護度は4・3だが、取り組み前に比べ、8人だった常食者は42人へ増え、逆にソフト食・ミキサー食を合わせた数は57人から23人へと減った。渡辺久子・生活介護課長は「普通の食事がこれほどおいしいと思わなかったと、喜ばれている」。これまで誤えんトラブルはないという。

 月2回、昼に〝フレンズレストラン〟を開店、寿司や天ぷら、うなぎを楽しむまでになった。飯田施設長は「介護職の仕事のモチベーションも上がりました。おいしい常食メニューを増やし、自立支援へ力を注いでいきたい」と話している。

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