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障害者が1球50円で修繕 注目の就労モデル

2014年09月22日 19時06分 JST | 更新 2014年11月21日 19時12分 JST

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一針一針、丁寧に縫い直していく(写真はみっくすはあつ提供)

 1球50円からのつながりと支援--。京都府宇治市のNPO法人「就労ネットうじ みっくすはあつ」では、ボロボロになった硬式野球のボールを、1球50円で修繕している。「エコボール」という活動だ。

 活動の発端は、みっくすはあつ管理者の小畑治さんと無認可の共同作業所時代から支援してもらっている元横浜ベイスターズ(現・横浜DeNAベイスターズ)の大門和彦さんのこんな会話からだったという。「今はほとんど使い捨てになっているボールだが、自分が高校球児だったころは、ボロボロのボールを自分たちで縫っていた」。

 これをきっかけに、2009年9月、大門さんの出身校の京都府立東宇治高校硬式野球部から20球ほどボールを借りて、修繕を試みた。小畑さんは「一番の主役である利用者さんに取り組めるのかと、試しに時間を取りました。糸の調達も、正式に専用の糸を購入すると工賃がかなり少なくなってしまうため、地元の野球専門店にお願いし、使用量分を寄贈してもらえるようになりました」と当時を振り返った。

 20球の試し縫いから始めた活動が、現在では1日に10~30球。年間で4000~5000球の修繕を請け負うようになった。大門さんの奔走もあり、納入先は、聖光学院高校や八戸学院光星高校など甲子園出場経験のある硬式野球部やリトルリーグなど74校7チームの計81団体に広がった。

 納入先の学校や団体が全国大会などに行く時には色紙を渡したり、応援に行ったりして交流を深めているという。

 「利用者の工賃アップはもちろん、障害のある人が地域で暮らし働く上での多種多様な問題を知ってもらうことが大きな目的です。エコボールはささやかですが、地域の中に新しいつながりを作りました。しかもこのつながりは日本中どこでもマッチングが可能です」と小畑さん。

 エコボールは新しい就労モデルとして注目され、全国に八つの連携事業所ができた。日本プロ野球OBクラブ(全国野球振興会)がオフィシャル・サポーターにもなっている。

 ボールがつなぐこの取り組みは、さらに広がっていきそうだ。

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